先週の封切り日に観賞し、もう1週間になる。
初めて観たのは高校生だったか。
もちろんロバート・ワイズ監督の『ウエストサイド物語』の方だ。
150分ほどの長さだが、確かインターミッションがあった。トイレ休憩だろうか。
その時にパンフを購入している子がいて、トニーが撃たれるシーンを観てしまったのはショックだった。
そんなことも知らずに観ていた高校生の私はウブだった。
制作は1961年というから、私の観たのはそのずっとあと。
『サウンド・オブ・ミュージック』のヒットで上映したのかも知れない。
(一般受けする作品ではなかったのか)
アメリカのスラムも、人種問題も、何も知らなかった。
不良のバッコする映画を観ていいものかと、生活指導の先生の顔がちらついた。
レナード・バーンスタインが音楽を担当したということで話題になった。
シェークスピアの『ロミオとジュリエット』のNY版ということでも。
さて今回のリメイク版
巨匠スピルバーグ監督とあって前評判は高い。
挿入歌もストーリーも大きくは変わっていない。
マリア役の女優は3万人のオーディションを勝ち抜いただけあって、歌唱力も文句なく、美声に聞き惚れた。
1961版ではマリアとトニーの声は吹き替えだったという。今では考えられないけれど。
映画に感動しながら、それは昔を懐かしんでのことなのか、スピルバーグ版が素晴らしいからなのか、だんだんわからなくなった。
帰宅するや、旧作のDVDを借りて観た。
60年の歳月を感じた。
記憶の中では決して古びてはいないのに、映画はやはり60年前のものだった。
六本木の東宝シネマズで「午前10時の映画会」で観たのも10年以上前になる。
そんな古い映画になってしまったのだ。
今回はリタ・モレノがジェット団の溜まり場である店の主として出演し、歌声まで披露した。
彼女は61年版でアニタ役を演じ、助演女優賞を手にしている。
その女優が90歳になり、製作陣に名を連ねているのだ。
でも究極のラブストーリーは変わらない。
『ロミオとジュリエット』が永遠のラブストーリーである由縁だ。
今日も雪。
もううんざりするほどの寒さ。
桜の写真を載せられるのはいつになるのだろう。