Linの気まぐれトーク

映画と小説の観賞日記

2022年の映画

2022-12-24 10:27:41 | 映画
月に1回は映画館、と決めたつもりだったけど、
コロナだったり、逆にヒマを持て余したり、
計17回は映画館に行った勘定で、結果ヒマに負けた…

1月17日 『クライ・マッチョ』


2月11日 『ウエストサイド・サイド・ストーリー』


3月3日 『ナイル殺人事件』


4月15日 『コーダ あいのうた』


5月20日 『シン・ウルトラマン』

6月27日 『ベイビー・ブローカー』


6月29日 『トップガン マーヴェリック』


7月1日 『エルヴィス』


8月1日 『ジュラシック・ワールド』

10月15日 『耳をすませば 実写版』


10月21日 『沈黙のパレード』


11月3日 『天間荘の三姉妹』


11月17日 『すずめの戸締り』


11月24日 『ザリガニの鳴くところ』


12月6日 『土を喰らう12ヶ月』


12月19日 『Dr.コトー診療所』


12月23日 『ホイットニー・ヒューストン』


邦画7本、洋画10本
 DVDや配信を含めたら、数えきれないほど観たつもりでも、本当に好きな人は映画館に入り浸っている。
そこまで夢中になれないところが凡人だわ。
人生も先が見えてきたし、もうハメを外しても良いはず。
そう思った頃には興味が失せていたりして。
体力の続くうちにしっかり観ておかねば。





映画『ホイットニー・ヒューストン』

2022-12-24 09:33:00 | 映画



公開日ですが、最初から1番小さいスクリーンに追いやられています。
同時公開に『すずめ』や『アバター』さらにはお正月用のアニメが目白押しとあっては無理もありません。
田舎では絶対に赤字、かく言う私も彼女のファンでもR&Bに詳しいわけでもなく、
若いて理由を挙げれば、洋画で締めたい、それだけでした。



伝説の国歌斉唱もリアルタイムでは知らないのに興味津々、載せられやすいというしかありません。

内容はネット情報では芳しくありません。
確かに『ボヘミアン・ラプソディー 』のような感動はなかったし、彼女のヒットパレードと言われても仕方ないかも知れない。
でも良い音で聴けたホイットニー・ヒューストンは最高でした。
これから『ボディガード』を改めて観ます。
偉大な才能は、描くのも一筋縄ではいかない。ある程度の歳月を必要とするのでしょう。
『エルヴィス』にも似た〈スター=食いものの構図〉麻薬が健康を蝕む過程…
そこに焦点を当てないで済むような歳月が。

私はもう生きていないかも知れませんね。


映画『Dr.コトー診療所』

2022-12-20 13:49:00 | 映画



封切り日を心待ちにし、やっと昨日観てきました。
思えばTVドラマが放映された2004年から大ヒットドラマだったらしい。
観ていない私ですら知っているのですから。中島みゆきの『銀の龍の背に乗って』も有名すぎる。
自転車に乗って海辺の道を走るエンドロールは、世事に疎い姉でさえ知っていたほどです。
コトー人気は〈国民的〉だったのでしょう。

当時、娘から勧められても頑なに観るのを拒んだのは覚えています。
吉岡秀隆くんは私にとって〈黒板純〉以外の何者でもなかったから、
他の名前で呼ばれるのは耐え難かったから。
でも、本人にしてみれば、やっと純から解放されて歩むことが出来るようになったわけです。そのための〈Dr.コトー〉だったのですね。
これも当たり役となり、2006年から16年の歳月を経て〈現在〉を映画で描くというのですからビックリです。

現役で油が乗り切っているのは神木隆之介くんくらい、彼が2004年のドラマに出た時は、ほとんど無名の子役で、大塚寧々の別れた子ども役でしたが、レギュラーの剛洋と仲良しに。彼を演じた富岡涼くんは、今や既に廃業していたというのですから、やはり16年の歳月は半端ではありません。

変わらなかったのはシゲさん(泉谷しげる)、もとから老けている人は得ですね。

内容には触れませんが、当然のことながら皆さん、それなりに年老いていくわけで、脚本もそれに沿った内容になります。
頑張っても、もう昔のような力は出ない。
それが〈老いる〉ということなんですね。

配信やレンタルDVDで前作を復習し、ある意味、スーパースター的な活躍をしていたコトー先生。
今回、島の住民1,700人が1人の医師を頼ることの過酷さを、やっと描くことが出来たのかもしれません。コトー先生は、もうスーパースターじゃないんです。等身大の1人の人間に戻ってゆっくり休んで欲しい。
そう思いながら、スーパースターを求める矛盾した私がいます。

シリーズ完結として、いい作品でした。
撮影も過酷だったらしいです。
ユートピアを描くのは楽じゃないんですね。
おつかれさまでした。


映画『土を喰らう12ヶ月』

2022-12-07 15:01:00 | 映画



長野の片田舎で自給自足の生活を送る老作家と若い女性編集者との一年、
と書いてしまうと、つまらないです。
老作家の生き様を見るのが目的でしたから。
松たか子さんは(たぶん)映画的演出でストーリーを動かすための駒に過ぎないのでしょう。
映画館に来ている人は100%老人です。
皆さん、老いた人間の身の処し方は気になるのです。
更に主演は、あのジュリーなのですから。
ああ、お互い歳をとりました。


太っても鯛、沢田研二はさすがの貫禄、声の艶やかさは、全く老いを感じさせません。
ショーケンやジュリーに青春を持って行かれたGS世代の私は、こうして歳月の流れを感じるわけです。

さて映画。
長野に古い民家を見つけてから、土井善晴氏監修のもと、かまどでご飯を炊いたり、畑で野菜を作ったり、筍を掘ったり、茗荷を摘んだり、撮影に一年数ヶ月を要したといいます。
二十四節気を軸に、冬から冬への1年間、義母とのエピソードを挟みながら、淡々と描きます。冬から始まるのは、やはり生活の困難さが伝わるからでしょう。


この義母を奈良岡朋子。
変わり者で小屋に独居、生活ぶりもマイペースですが、この義母がよかった。
犬と二人暮らしのツトムに、「あのバカ犬」と容赦なく言い、山椒味噌は自分だけ食べてツトムには分けない。
その犬こそ亡き娘の形見であるらしい。その名も「サンショウ」
(私は)大将だとばかり思ってました。

妻が亡くなって十数年、遺骨と共に暮らしたツトムも自らの健康に陰りを知り、湖に散骨するのですが、それを恋人のマチコ(松たか子)には語らないのですね。

ひとりで人生を全うすることに決めてからのツトムの生活、死ぬつもりで寝て再生することの繰り返し。

いいですね…

原作者の水上勉さんは痩せて聖者のような趣でしたが、沢田研二は色っぽく声は艶々している。
期せずして?原作の趣とは全く別の映画に仕上がったようで、それが何故か嬉しかったのです。
そんなに簡単にくたばってたまるか、
そんな境地でしょうか。

来場者特典の栞をもらいました。
明日の読書会のテーマ本『珈琲屋の人々』に挟みます。



しっかりコーヒーを頂きながら読み、明日に備えます。



映画『ザリガニの鳴くところ』

2022-11-24 14:33:00 | 映画



じわじわと気になってきた作品でした。
劇場映画は月1本と決めているのに、今月はもう3本目。
観始めるとクセになってしまう、困ったものです。
そのうち飽きるでしようから、気の済むまで観ればいいと、自分を甘やかしてしまうのも、これでいいのやら。

じわじわ来たのは、やはり原作小説のヒットでしょうか。原作がしっかりしている映画は見応えあると勝手に思ってます。
そしてまず、外れることはありません。

映画は青年の変死体の発見から始まります。



容疑者として疑われるのは、〈湿地の女〉と呼ばれる主人公。



そこから彼女の人生が振り返って映像化されていきます。
父の横暴に愛想を尽かし、母も兄弟姉妹も出ていくのですが、幼い主人公は湿地の家に取り残されます。
父親がどうなったのか見逃しましたが、 湿地暮らしの読み書きも出来ないカイア、
やがて思春期となりお決まりのガール・ミーツ・ボーイで、優しい青年と知り合います。



予告の青年の変死体は彼かと思っていましたが、さにあらず。
第二の青年が現れるのですが、これが不実な男で。
変死体はこちらの方なのです。
若い白人男はみんな一緒に見えてしまう私は、後半、どっちがどっちやらわからなくなり苦労しました。

不思議なタイトルの意味も、映画を観ただけでは理解できず、これも検索に頼りました。
自然の声を自然の中で聴く、みたいな意味でしょうか。



カイアの湿地の家は、ちょっと憧れです。
ひたすら左手で自由に絵を描くカイアの姿に、牧野富太郎を重ねてしまいました。
はっきりと自分の生き方を持っている点で、彼女は並みの女ではないのです。
ところで、
沼と池はどこが違うのでしょう。
沼という何となく不気味なイメージは、美しい自然に完全に取って変わられています。
湿地といえば蚊の大群を思い浮かべてしまう私は、とにかく日本的なのでしょう。
欲を言えば、
晩年の2人の生活をもう少し観たかったな。

原作も図書館に予約中。
こちらも楽しみにしましょう。