時間はいくらでもあるのだから、読書とDVD観賞の記録くらい付けておこうと思いつつ、不調の時は結局何もしたくない。ブログの更新さえも億劫で、コロナ鬱が高じたのか3月4月も生きてはいたのだけれど、記録がない。
DVDでは『学校 II〜Ⅳ』が印象に残った。
IIは吉岡秀隆が養護学校の生徒を演じる。
自身より障害の重い生徒の面倒をみながら、学校を脱出して安室奈美恵のライブに行く。
それを追う先生役に西田敏行。同僚にいしだあゆみ。
Ⅲは職業学校。
元エリート社員の小林稔侍と、団地の主婦を大竹しのぶが演じる。
大竹はシングルマザー、息子には障害がある。
芸達者な2人に加え、障害者の息子のピュアな行動にハッとさせられる。
Ⅳは『十五才』のタイトルがつく。
学校をサボり、ヒッチハイクで屋久島まで行く少年を描く。
読書では友人に勧められて『復讐の海』を県図書館から相互貸借で借りてもらう。
白鯨の元となったノンフィクションだ。
200年前のアメリカ・ナンタケット島は世界一の捕鯨の島だった。今は鯨を取る日本人が白眼視されているが、石油が発見される前は、鯨油が重宝されていた。男たちはその油を取るために2年も3年も捕鯨船に乗った。
これはそんな男たちが太平洋上で白鯨に襲われ、船を大破され、ボート3隻に6人ずつ分乗し、3ヶ月も放浪する話。
実話なのが恐ろしい。
それぞれのボートは、船長、一等航海士、二等航海士がリーダーとなる。
乏しい水と堅パンのみの食事、照りつける太陽に、やがて命尽きる水夫も。
しかし、それを水葬にせず、カニバリズムの一線を越えてしまったところから本当の地獄が始まったのかも知れない。
飢餓は癒されるどころか、一層激しくなってしまった。ついには生きている仲間をくじ引きで屠るところまで行ってしまう。
船長、一等航海士、1番若い少年が生還するが、生き残ったのは島の人間だけであったことは考えさせられる。
リーダーシップと仲間意識が、最後はものを言ったのも。
映画化もされていると知り、近所のショップで探した。
ロン・ハワード監督。
『白鯨』の作者メルヴィルが島へ話を聞きにくるところから始まる。
話すのはただ1人の生き残り、二カーソン。
彼はカニバリズムに苦しみ、誰にも話さず墓場に持っていこうとしていた。
船長も一等航海士も、口をつぐんでいたのだろう。
特撮なのかCGなのか、嵐に揉まれたり巨大鯨に襲われたり、漂流を続けたり、まともな撮影はできないのではというシーンの連続だったが、原作に寄り添った内容だった。カニバリズムも描かれて、人間の極限を見た思いだ。
助かって終わりではなく、生き残った人々の、その後の人生も描かれる。
再び船に乗ったが座礁、その後は夜警として生きた船長。
海の男として度々船に乗るも、最後は気がふれてしまう一等航海士。
映画に描かれた少年も苦しんだだろう。
これは『白鯨』を読まねば。
と、近所の図書館で見れば、全集しかなく、それも長く活字は小さい。
これでも1番まし(読み易そう)なのを選んだのだ。100年は長い。
こちらは読書会の顧問に勧められて予約したもの。
順番待ちだったが、I日で読めてしまった。
こんな読書に慣れてしまっては、100年前の小説は無理だろう。
さて、どこまで挑戦できるか。