Linの気まぐれトーク

映画と小説の観賞日記

冬の自転車操業

2022-01-30 18:10:00 | 日記
と言っても、私は経営者ではないので、資金繰りに四苦八苦するのではなく、文字通り自転車漕ぎ。
冬は寒いだけでなく風も強いし、今年は雪も多い。
いずれも自転車の難敵だ。
買い物にも往復4キロかかるが、それくらいなら歩ける。
が、県図書館(往復20キロ)でのボランティア活動は辛い。今まで冬の研修会は欠席を決め込んでいた。
が、今年は1月から3月まで、毎月1回の当番活動(朝日俳歌壇を音訳録音する)が入ってしまった。
さらに研修会は当番(記録係り)に当たっている。

朝日歌壇、朝日歌壇賞をしっかり読み込み、音訳は緊張した。
パソコン操作などすっかり忘れている。(たった2か月で)
冷たい汗をかいた。
それが22日のこと。

それを校正する人がいて、結果は1箇所の訂正依頼だった。これが今日の午前の話。
明日は休館日、善は急げと午後の予約を取り、自転車で県図書館へ駆けつけた。
訂正には30分もかからないので、2時間自転車漕ぎに行ったようなもの。

それでも無事に済んだ。
事故に遭わなくてよかったと胸を撫で下ろす。
前回は緊張のあまり写真を撮り忘れたので、今回こそはと思ったのにまた忘れてしまった。
録音中はほんと目の前しか見えなくなる。
図書館を出て、写真がないことに気づいた。
玄関から美術館方面をパチリ。



そうそう、1月の研修会はコロナで中止、当番も免れ、何とか寒い季節を乗り切ることが出来たようだ。

映画『クライ・マッチョ』

2022-01-21 12:56:00 | 映画
封切り日とはいかなかったけれど、月曜日(17日)に観賞。
近くのシネコンでは新作なのに小さなスクリーンしか与えられていない。
平日ということもあり単独の高齢者が目立つ(私もそう)。2割程度の入りか。

彼の若き日の西部劇は父の世代が夢中になっていた。
私は20数年前の『マディソン郡の橋』で、やっとこの俳優を知った。その時既に彼は老人の印象だった。
もちろん今から思えばまだ若いのだが、誰が91歳まで現役俳優であり続けると思うだろう。その意味でだけでも只事ではない。

しわがれて今にも折れてしまいそうな老人なのに、なぜか強さを感じさせる。
連れの少年は〈マッチョ〉に憧れるが、老人は〈マッチョ〉を揶揄する。
強いだけじゃダメだ、と言っているようだ。
家族はいないが、少年の面倒はきちんと見ようとする。
動物にやさしい。荒馬も彼の言うことは聞く。
それが彼の言う〈マッチョ〉なのかもしれない。
枯れた老人のはずなのに、女性に人気があるのは、男の願望といえばそれまでだが、目の輝きがその時は増すのがリアルだ。
もしかしてそれが〈マッチョ〉?

イーストウッド監督お得意のロードムービー仕立てで、アメリカの広野を存分に楽しめた。
この無駄のなさ、キレのよさは何だろう。
50年を経ても大御所ぶらない清々しさ。

彼の作品、もっと観てみたい。

小説『引っ越し大名三千里』と映画『引っ越し大名!』

2022-01-13 12:59:00 | 読書
1月読書会のテーマ本。
著者は土橋章宏氏、初めて聞く名前だったが、『超高速! 参勤交代』の脚本家と言われれば、ああと納得。
元々脚本家から始まった人だそうで、小説を読んでいても妙にビジュアルで、映画化を前提としていることは間違いない。

昨日、2度目の読書を終えてどこまでが史実なのかとネット検索すれば、『引っ越し大名!』として映画化されており、近くのレンタルショップの扱いもある。




となれば観るしかない(笑)
雪の降る寒い日にビデオ屋目がけて自転車走らせる私。こういうせっかちさは歳を取っても変えようもなく。

1日で小説と映画を観てしまい、おなかいっぱいとなる。
映画と小説の違いを改めて感じた。
映画の脚本も土橋氏が手がけている。
別作品というよりも、感動の違いを熟知した作り替えというべきだろう。
私見だが、小説では冴えない書庫番の片桐春之助が、引きこもりの役立たずと言われながら、人の嫌がる引っ越し奉行を押し付けられるうちに、商人との駆け引きや荷物を減らすコツ、ひいては減封に伴う人減らしまで、わずかの期間にこなしてしまう。
1番の見所は、書庫にこもり蔵書の中身を全て頭に入れて、本を焼くシーンだった。
春之助が変わったのは、まさにこの場面で、彼の成長物語としての本作の真骨頂だろう。恋愛あり、他藩との駆け引きありでエンタテインメント性もたっぷり盛り込まれている。

が、映画では違う。
1番の見所はリストラなのだ。
小澤征悦演じる山里始め、600人の藩士に帰農を命じるのだ。
きっと迎えに来て武士に戻すと約束して。

15年後、彼は約束を果たす。
が、その間に亡くなった人、農業に生きがいを見出した人など40人はその地に残る。
15年のあいだに人々は山地を開墾し、見事な棚田を切り開いていた。
その光景を1番の見所とし、復帰した侍たちを藩主が迎えるシーンをラストにしたのだ。


映画が勝るものもあれば、別作品に仕立ててしまう場合もある。
もちろん、小説の方が良い場合も。
この作品に限っていえば、小説の方がずっと良かった気がする。
私は小説的な人間なのかも、と改めて思う。


歩いて歩いて、初詣

2022-01-07 15:05:00 | 日記
初詣といえば、いつも夫の車で。
夫は健在だけど、今年はひとりで行ってみたい。
今頃遅いけど、夫からのクルマからの自立だ。
とはいえ、田舎なのでクルマが当たり前というか移動の大前提なので、交通弱者は子どもか年寄り、あるいは外国人に限られる。
ひどい差別だと思うが、これが資本主義社会、赤字路線は廃止の一途を辿っている。
谷汲も昔は電車で簡単に行けたのだ。
うちの義母は義父の月命日に毎月詣でていたが、そんな年寄りの利用者相手では儲けにならないのだ。
簡単に切られて代替路線は、ない。

家からひたすら歩けば片道20キロ。
電車利用でも片道6キロは歩く。
仕方ないのでテクテクと歩いた。
夏と違い、疲れは少ない。
最寄駅まで2キロ、電車に20分、

(吊り革は木製の魚)

降りてから4キロ歩く。







谷汲山華厳寺はまだ雪が残る。
温度も低く、北風に雪が混じる。
ひとりなので寄り道はせず、おみくじは吉。

調子が良かったのでそのまま帰路に着く。
ランチはジビエレストランで、鹿肉のロースト重。



帰りの電車を検索したら、25分後だ。
それを逃したら2時間待ち。
駅まで小走り、早歩き。
何とか間に合った。



山を一つ越え、降り立ったホーム駅は暖かかった。
幸せな気分でブラブラと帰る。

今年もおだやかな年でありますように。