1937年 12月19日 南京

2008-12-19 17:03:52 | Weblog

「南京事件」(笠原著:岩波新書)より
 
歩兵第65連隊第7中隊の大寺隆上等兵の陣中日記はこう書きとめている。
 12月19日
 午前7時半整列にて清掃作業に行く。揚子江の現場に行き、折り重なる幾百の死骸に驚く。石油をかけて焼いたため悪臭はなはだし、今日の使役兵は師団全部、午後2時までかかり作業終わる。昼食は3時だ。

「南京の真実」(ラーベ著:講談社)より
12月19日
・・・・・・寧海路にある本部の隣の建物には防空壕があって、20人ほどの女性がいたが、ここへ日本兵が数人暴行しに侵入してきた。ハッツは塀を乗り越え、やつらを追い払った。広州路83~85号の難民収容所から助けを求める請願書が来た。  

  南京安全区国際委員会 御中 

 ここに署名しました540人の難民は、広州路83~85号の建物の中にぎゅうぎゅうに押し込まれて収容されています。 
 今月の13日から18日にかけて、この建物は3人から5人の日本兵のグループに何度も押し入られ、略奪されました。今日もまたひっきりなしに日本兵がやってきました。装飾品はもとより、現金、時計、服という服、何もかもあらいざらいもっていかれました。比較的若い女性たちは毎夜連れ去られます。トラックにのせられ、翌朝になってようやく帰されるのです。これまでに30人以上が暴行されました。
 女性や子供たちの悲鳴が夜昼となく響き渡っています。この悲惨なありさまはなんともいいようがありません!   どうか、我々をお助けください!  
  
                           南京にて、1937年12月18日  
            難民一同

 いったいどうやってこの人たちを守ったらいいのだろう。日本兵は野放し状態だ。・・・・・・・・・・・・・

18時
 日本兵が6人、塀を乗り越えて庭に入ってきた。門扉を内側から開けようとしている。なかの一人を懐中電灯で照らすと、ピストルを取り出した。だが、大声で怒鳴りつけ、ハーケンクロイツ腕章を鼻先に突きつけると、すぐにひっこめた。全員また塀を乗り越えて戻っていくことになった。・・・・・ 
 わが家の南も北も大火事になった。水道は止まっているし、消防隊は連れて行かれてしまったのだから、手の内ようがない。・・・・・・
 庭の難民は、300人だか400人だか正確には分からないのだが、むしろや古いドア、ブリキ板で掘っ立て小屋を作って、少しでも雪と寒さを防ごうとしていた。だが困ったことに、なかで料理をはじめてしまったのだ。火事が心配だ。禁止しなければ・・・・・・・

「南京事件の日々」(ヴォートリン著:大月書店)より
 12月19日 日曜日
 今朝もおびえた目付きをした女性や少女が校門から続々と入ってきた。昨夜も恐怖の一夜だったのだ。たくさんの人がひざまずいて、キャンパスに入れてほしいと懇願した。入れはしたものの、今夜はどこで寝てもらうことになるのだろう。
・・・・・・歩いて学院へ戻ってくると、娘をもつ母親や父親、それに兄弟たちが、彼女たちを金陵女子学院にかくまってもらいたいと何度も懇願した。
 中華学校の生徒を娘にもつ母親は、昨日自宅が何度となく略奪をこうむり、これ以上は娘を護りきれない、と訴えた。 
 それから、日本兵の一団を追い出してもまた別の一団がいるといった具合で、キャンパスの端から端まで行ったりきたりして午前中が過ぎてしまった。南山にはたしか3回行ったと思う。
 その後、キャンパスの裏手まで来た時、教職員宿舎へ行くようにと、取り乱したような声で言われた。その2階に日本兵が上がって行った、という。教職員宿舎2階の538号室に行ってみると、その入口に一人の兵士が立ち、そして、室内ではもう一人の兵士が不運な少女をすでに強姦している最中だった。日本大使館に書いてもらった一筆を見せたことと、私が駆けつけたことで、二人はあわてて逃げ出した。
 卑劣な所業に及んでいるその二人を打ちのめす力が私にあればよいのだがと、激怒のあまりそう思った。
 日本の女性がこのようなぞっとする話を知ったなら、どんなに恥ずかしい思いをすることだろう。・・・・・

「Imagine9」解説【合同出版】より


戦争にそなえるより

戦争をふせぐ世界へ
 

 また、資源などを狙う外国が、その国の中の武力紛争を悪化させることも少なくありません。平和づくりはその国の人々が主人公になるべきであり、人々が自分たちの土地や資源に対してきちんとした権利を持つ事が重要です。貧しい国に「援助してあげる」のではなく、人々の権利を保障していく事が、平和の基盤をつくるのです。
  いわゆる「テロ問題」も同じです。テレビでは連日、イラクなどでの「自爆テロ」が報道されています。それに対して軍が投入されても、「テロ」はなくなるどころか、かえって増えていってしまいます。「テロリスト」と言う言葉が独り歩きしていますが、このような暴力をふるう人たちは、いったいどのような動機からそうしているのでしょうか。 「貧困、不正義、苦痛、戦争をなくしていくことによって、テロを行おうとする者たちの口実となる状態を終わらせる事ができる」と、コフィ・アナン国連前事務総長は語っています。
 暴力に対してさらに大きな暴力で対処しようとすることは、結果的に暴力を拡大させ、人々の命を奪い、人々を大きな不安の中におとしいれます。どうすれば人々が暴力に走ることを予防できるのか考える事が大事です。
 そのための鍵は、軍隊の力にあるのではなく、市民どうしの対話と行動にあるのです。
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コメント
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