ちーむ☆ものくろ

黒色ダップー犬と飼い主の日々のつぶやき。
ときどき白黒ネコと茶色の犬の話も、ね。

ミュウさんとクーさんがいたから ゆうらがいる

2013-06-22 | 日常・つぶやき
ミュウさん。

2009年5月14日に逝きました。14才4か月。
私と私の母とで最期の呼吸が止まる瞬間を看取りました。
あの最期のミュウさんの顔はいまでもはっきり覚えていますし、これからも忘れることはできないでしょう。

ミュウさんは「老衰」でした。
苦しんでって感じはありませんでしたけど。
それでも最期は呼吸が少し速くなってきて。
体にもときどき力を入れて、動かそうとしたのかな、起きようとしたのかな。
「ミュウちゃん、もう無理しなくていいよ、大丈夫だよ、ここにいるからね、心配ないよ、頑張らなくていいよ」って。
声をかけた瞬間。
頭の向きをぐわっと変えて私を見ました。
10秒くらいだったと思います。ものすごく真剣な目で私をずっと見ていました。
そして大きくひとつ息を吸って、はくと同時に目の光が失われて行って、舌の色がみるみるうちにピンクから白に変わっていきました。
完全に目の力と体の力がなくなって。ミュウさんは旅立ちました。

いつかは来る日だ。覚悟はしてたつもり、できていたつもりだったけど。
ものすごい喪失感。
今思い返しても、ゆうらがやってくるまでの間、その夏が暑かったのか、そうでもなかったのか。
出来事もなにひとつ思い出せないくらい、ぼーっとして暮らしていたようです。

ミュウさんは最期に私を見つめて、何がいいたかったんだろうか。
本当はまだ生きたくて、一生懸命呼吸して、体を動かして頑張ってたのかもしれない。
なのに私は「もういいよ」なんて言ってしまったのか。
もう体が食べ物をたくさん受けつけられなかったのに、私はただ食べてほしくて、あれやこれや口の中に入れちゃってた。
つらいことさせちゃったのかな。

悪いほうにばかり考えがいってましたね、あの頃は。

クーさん。

昨年の10月1日に逝きました。推定20才。
クーさんはひとりで、すっと逝ってしまいました。
その日の朝はいつもと変わりなく、ご飯も食べ、排泄もきちんとして。
たまたまやってきた私の母をいつものように出迎えて。そのあとは暖かい窓辺で寝ていたそうです。
私は用事で出かけ、帰ってきたとき、いつもは窓辺で私がバイクを止めるのを見るはずなのにいなくて。
「あれ、いないなぁ、どうしたのかな」と部屋に見に行くと。
気持ちよく手足を伸ばして寝ているような姿で息絶えていました。
本当に眠ってるだけだよってくらいの、きれいな姿でした。

これから始まるだろう介護の準備も整えてあったのに。
もっと長生きしてくれてよかったのに。
ミュウさんが逝ったあと、静かに暮したかったかな。
元気なゆうらにときどき体当たりされたりして、ゆうらを迎えたこと、本当は迷惑だったんじゃないかな。

やっぱり暗いこと考えました。


でもね。
時間って残酷っていうけど、そうでもない。
優しい部分も持っていて。
月日が流れると、そういう暗い思いを突き抜けて、楽しいことを思い出すほうが多くなる気がします。
「ミュウさんてこうだったよね、笑っちゃうよねぇ」「クーさんがこんなことしたっけ、おかしいこだったよねぇ」って。
またあのこたちが笑顔をくれるようになりました。

後悔したり、自分を責めたりするのは。
それだけその子のことが大切で、とてもとても愛していたからだよ。
たくさん泣いていいから。たくさん泣いたら笑顔になろう。
逝ってしまったこたちを心配させないように。


ミュウさんが逝ってから4か月目にゆうらを迎えました。
「もう次飼ったの?あらまあ」とか、いやみなこと言われたこともありました。
正直心のどこかで、こんなに早く次の犬を迎えていいのか、私って薄情なのか。
なにか罪悪感みたいなものを感じたこともありました。
決してミュウさんを忘れたわけじゃないよ、どうでもいいわけじゃない。
でも次の犬に気持ちがいくのはどうなのか。

そんなとき、主治医の獣医さんが私に言った。
「いいんじゃないですか。ミュウさんを14年も生かしたのは立派ですよ。いろいろ学んだでしょう。ミュウさんのとき以上に素晴らしい飼い主さんになりますよ。ミュウさんの14年を次の子に注いで育ててあげたらいいのではないですか」

そうだ、ミュウさんと暮らしてたくさんのもの、もらった。たくさん学んだ。
ミュウさんはいろいろ私に置いていってくれたんだよね。
クーさんもだ。
それを放ってしまうのはいやだ。
ゆうらを迎えて、ミュウさんの分も注ごう。クーさんの分も注ごう。
それでこの先もみんな一緒。つながっていくのです。

獣医さんの言葉も背中を押してくれたけど。
もうひとつ、ある本の文章も私の気持ちに陽を射してくれました。
「ユージン・オニールの愛犬は「遺書」の中でこんなことをいっているそうだ。「自分が死んだらもう犬は飼わない、というようなことはいわないでもらいたい。自分を家族の一員としたことで、もはや犬なしでは生きていけなくなった、といってもらいたい」と。」

そうだ。そうなんだよ。
ミュウさんとの暮らしが幸せで楽しかったから。それを教えてもらったから。それを知ってしまったから。


そうするよ。それでいいんだよね。



ゆうらを大切に楽しく暮らすよ。

ミュウさんとくーさんがいたから。

ゆうらがいるんだね。






Mママさん。
あまり自分を責めないでね。
ママさんも家族のみんなも心からMちゃんを大切にしたよ。
Mちゃんはわかってる。
幸せだったよ。

たくさん泣いたら元気だして。
お空のMちゃんのために笑顔になろうね。