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Retro-gaming and so on

The Tower SP

前にも書いたけど、任天堂はまず、PCの人気ゲームを自社プラットフォームに移植する事はない。
そりゃ当然で、確かに、任天堂製のゲームより面白いPCゲームなんざまずないから、だ。だからPCゲームがどれだけ出ようと、あるいはマイクロソフトやソニーのプラットフォームがどれだけ売れようと、任天堂がブレる必要はない。ハッキリ言ってその辺で動いてるゲームより任天堂が作るゲームの方が面白いから、だ。

知ってる限り、任天堂自らがPCゲームから自社プラットフォームに移植したゲームはたった6つのみ。そして、恐らく、移植された最後のゲームがザ・タワーである。プラットフォームは任天堂ゲームボーイアドバンス。



ザ・タワーもApple Macintoshをプラットフォームとして産まれた、珍しく日本製のゲームである。
そして、このゲームは、シムシティのMAXISの目に止まり、アメリカでは改題され、「SimTower」として発売される。つまり向こうではシムシリーズの一環になったんだな。

このゲームボーイアドバンス版、例によって任天堂のアレンジが加わり、楽しいゲームとなってはいる・・・一応、ね。
ただ、ゲームボーイアドバンス版に限らず、そこそこ人気があったゲームの筈なんだけど、ネットを見ると実は攻略サイトがあまり存在していない。不思議な程このゲームは無視されているのだ。
ヘタレゲーマー(ってのはゲーマーじゃないんだが・笑)のボクチンはすっかりビックリしてしまった。

「え?何でこんなに攻略サイトが無いの?」

実は無いのにはキチンと理由があるのだ。

このゲーム、先にも書いた通り、MAXISが「SimTower」として発売するくらい、ゲームの見た目はシムシリーズに良く似ている。
ただし、それは表面的なだけで、実はこのゲーム、「自由にビルを育成しよう」と言ったゲームではない。シムシティは「自由に街を育てよう」と言うゲームなんだが、ザ・タワーは違うのだ。
この差は利用するアイテムの「個数制限」に依存する。シムシティの場合、いくつ発電所を建設しようが、いくつ住宅街を作ろうが、制限は全くない。あるとしても「今現在の手持ちの金がいくらか」によるだけ、だ。結局、街のデザイン自体は無限にあるんで、50万人都市の姿も複数あり得る。その辺、一意な解にならないのがシムシティの魅力なのだ。
一方、ザ・タワーの場合、そもそも核となるエレベータ設置の個数に制限がある。住民やビル利用者の不満に耳を傾け、設置によってその不満を完全解消してやる事は出来ない。そして、テナントの個数、食事処の個数にも上限が存在する。
これが意味する事が何か、と言うと、「ザ・タワーを目指す」と言うのは唯一存在するアイテム配置の最適解を見つけよ、と言う事に他ならない。そう、実はこのゲーム、「自由にビルを育てる」のではなく、唯一絶対の「ザ・タワー」の解を探せ、と言うパズルゲームであるのが実体だ。ハッキリ言って「設計の自由度」なんつーのは無いに等しい。
恐らくこのゲームをやり込めばやり込む程、解が収束するのを感じるんだろう。結果「攻略」にもならず、タワーの完成写真さえ挙げてしまえばオシマイ、ってゲームである。そんなゲームの攻略記事をゲーマーはマジメに書こうとするだろうか・・・?多分、否、だろう。
そう、恐らくそう言った理由で、ネット上に攻略サイトがねぇんだよな。

ぶっちゃけ、銀河の三人に続き、任天堂が関わった割にはショボいゲームだよな、ってのが個人的には本音の感想になる。


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