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Retro-gaming and so on

人造人間キカイダー 第16話

さて、これから何話か、人造人間キカイダーで興味深いエピソードを紹介していこうと思う。予定。

第16話からはじまって、連続ではないけど数話、キカイダーや光明寺親子の敵であるダークからの刺客がどういうわけか女アンドロイドになっている。
これには二つの理由があって、有名な話であるが、キカイダーが当時のTBSの怪物番組、「8時だョ!全員集合」の裏番組だったせいで、お色気をちょっとでも入れてお父ちゃん達のチャンネル権でキカイダーに回させたかったのが一つ。
もう一つの理由が、60年代〜70年代にかけてあった、ウーマンリブ運動の影響もあったんだろう。今で言うフェミニズム運動か。
当時は男は外に出て働くもの、と言う常識があった為、当然悪事を働くのも男だ、と言う前提があった(笑)。ある意味、女は家にいて悪いことはしない、と言う建前があったし、多少悪い事しても許されたわけだ。
ただ、そんなカンジが当時の常識で、確か仮面ライダーでは悪い女怪人なんて出てこなかった記憶があるが(原作マンガだと、コブラ男の恋人がメデューサと呼ばれるサイボーグに改造されて出てきたが)、一方キカイダーだとこの時点で「悪い女ロボット」が出てきたわけだ。
それがベニクラゲで、しかもこの回からはじまって、女ロボットが出てくる時にはダークの平戦闘員まで女性である(と言うか、スーツアクター的には恐らく男性が胸を大きくして中に入ってるだけだと思うが)。


そしてフェミニズム的に素晴らしいのが、さすが人造人間キカイダー、アンドロイドな為か戦闘員が女(型)であろうと容赦しない(笑)。殴ったり蹴ったりまるで男戦闘員のような扱いである(笑)。


これはホンマ素晴らしい。フェミニズムが目指す「男女平等」がまさしくここに映像化されてるのだ(笑)。
是非ともフェミニズムの皆様には頑張ってもらって、男女が殴り合ってもOKな世の中を目指してもらいたい(笑)。別に男の方が腕力がある、って保証が必ずしもないので良いのである。
大体、「話せば分かる」とか言っても話しても分からん田島陽子みたいなヤツが闊歩している以上、最後は戦争しかねぇのだよ(笑)。そして「話せば分かる」と言ってる連中は相手の話を聞きたいのではなく、自分の話を通したいだけ、なのだ。

国際社会なんぞ見ても、「話し合い」なんつーのは基本、背後に暴力(戦闘力)なり社会的な権力が無いと通用せんのが当たり前、なのだ。
よって、フェミニズムの最終形態は「話し合い」じゃなくって「男女間での殴り合い」なのは自明である。そしてそれは「フェミニズムだから」ではない。男社会でも男同士で最後は殴り合いなのだ。それが基本になっている。多分その辺勘違いしてる人が多い、っつーかだから日本って平和ボケだったんだよな、確かに。

いずれにせよ、人造人間キカイダー、当時のウーマンリブにアテられて「ファミニズムの極地」を映像化しちまった(笑)。よってこれらは結構衝撃的なエピソード集なのでは。

さて、今回のゲスト女優。僕個人は良く知らないが、松谷紀代子さんと言う人が出てる。後のウルトラマンタロウのZATの森山隊員役で有名だったらしい。


彼女の役割は河川のゴミを拾う少女、ミキ。
記憶喪失で失踪中の光明寺博士はこの少女とふとした事で出会う。


彼女は6歳で亡くなった弟がいた。その弟は昔、この河が美しかった、と言う話を聞き、ゴミ拾いに精を出したが、結果河に落ちて亡くなったとの事。


もちろん彼女の職業がゴミ拾い、ってワケじゃない(笑)。本業はこの近場にある叔父のボート屋を手伝っている。


しかし、こういう導入部が成り立つ辺り、70年代ってのはまだ「公害」の影響ってのが大きかったんだな、とか分かるんじゃないか。こういう導入がネタになる、ってそれこそ最近の仮面ライダーとかだとあり得ないんじゃないか?日本の工場は環境に優しくなってからもう随分と経つからなぁ。

さてその頃。ダーク秘密基地では。
ベニクラゲの製造したミニ毒クラゲによる人体実験が行われていた。



ベニクラゲを見て「ゴン太くん?」とか言ってはいけない(謎
実はこのベニクラゲ、キカイダーに出てくる敵ロボットにしては造形はマシな方なのだ。


顔射されまくって死ぬAV男優とAV女優達・・・もとい、ミニ毒クラゲに刺されて死ぬ実験台の男女達。それをモニタ越しに眺めてご満悦なのは、ご存知、ダーク首領、プロフェッサー・ギルである。


ホント、この人悪人ヅラだよ(笑)。名悪役なんだよな〜(演: 安藤三男)。
ちなみに、ダークとしては、このミニ毒クラゲを諸外国の軍隊に売りつけたいらしい。要するにダークの資金源は武器販売なのだ。


ベニクラゲとしてはデモンストレーションとして、水場に集ったカップルを無差別テロで殺害する案を提案。そうすれば世界的にニュースに取り上げられて、兵器として買いたい国にアピール出来るだろう、と。
とか言ってる時に、30匹程のミニ毒クラゲが河に逃げ出した、と言う報告が。管理が杜撰なダークである(笑)。が、当時の安全意識ってある意味この程度だったのも事実なんだよな(じゃないと公害が起きねぇだろ・笑)。
いずれせによ、ミニ毒クラゲを回収しないとダークのこの秘密工場が見つかってしまう、と(実はダークの支部はあっちこっちにある)焦るベニクラゲ。

さて、そんな時、私立探偵服部半平と行動してる光明寺姉弟。


ふと車(名車スバル360)から河川敷を覗き込むと、なんと父ちゃんらしき人がゴミ拾いをしてるじゃあーりませんか。


ところが河川敷に降りてみると、父ちゃんらしき人は姿を消してるのでR。


ところが、そこで河川敷でゴミ拾いをしてた子どもたちが「河でクラゲが見つかった」と騒いでいる。「河にクラゲ?」と不審に思いながらその子どもたちに合流する光明寺姉弟。



そこにミニ毒クラゲを回収に来たベニクラゲとベニクラゲ率いるダーク女戦闘員達。必然的にそこにいた全員を殺そうとかかってくる。


そこにジロー登場。


お前は何つートコに立っとんじゃ、と言うツッコミはさておき(笑)、てなもんや三度笠って冒頭のフェミニズム的には正しく理想的な戦闘シーンと相成るのである。


子どもたちはハンペンに救出され、ついでにスバル360に乗せてもらって良かったね、である。マジで羨ましい(笑)。欲しい。乗りたい。
でもいくら何でも定員大幅にオーバーなんじゃねぇ・・・?ま、いっか。
一人だけ、ハンペンが乗せ忘れたガキがいて、そいつもキカイダーのサイドカーに乗せてもらってその場を脱出・・・ううう羨ましい。サイドカー欲しい。



ところでこのガキは冒頭のミキのいとこであった。要するに貸しボート屋の倅なのだが。
ハンペンや光明寺姉弟と合流したジローは、光明寺博士をこの付近で見かけたようだ、と言う彼らの証言を聞く。
この時、やめれば良いのに(笑)、記憶喪失で失踪中の光明寺博士は、何と河の汚れと悪臭の原因を探って上流へと向かっていた。


ミキも光明寺博士に合流して上流へ向かう。お前らやめとけ、っつーのに(苦笑)。


そして彼らがたどり着いて見たモノは・・・・・・。


マウンテンデューオロナミンCが垂れ流されてるような場所だった(爆)。
すわ、サントリーか大塚製薬の製造工場か?
近辺を見回すと廃ビルみたいな場所が。


その廃ビルに近付こうとする光明寺博士とミキ。だから止めとけっての。


ダークの戦闘員に囲まれる光明寺博士とミキ。まるで不倫中の男女がマスコミに囲まれてるみたいだぞ!(謎
そこに助けが入る。



ジローだ!しかし何で廃ビルの上に(笑)?
そこは悪の実験場じゃなかったのか(笑)!
そしてまたもやフェミニズム的には正しい戦闘をしながら記憶喪失の光明寺博士に語りかけるジロー。「貴方に作って頂いたジローです!」
しかし光明寺博士はサッパリ覚えていない模様。



どう見ても不倫旅行にしか見えない俺の目は腐っているのだろうか(笑)。
そして、ジローに問いかけられた光明寺博士はそのまま怯えて逃げ去ってしまうのだ。
と言う辺りで前半終了となる。


一方その頃、ミキのいとこのタダシは河で捕まえたミニ毒クラゲ(だと当人は知らないが)の性質を研究していた。なんとこのクラゲ、図鑑には載ってないし(当たり前だ)、綺麗な水や塩水では死にそうになるらしい。
その代わり、汚水には強いとの事。


ただし、タダシ君はこのクラゲが「汚染した河で自然発生したモノだ」と勘違いしている。実際はダークの「製造物」なのだ。スウェーデンのアレな某女子高生みたいな事を言いかけてるが、全然見当違いである。
そこに父ちゃんがやってきて、汚れた水で見えづらいってんで止めときゃいいのにライトで照射してしまった。




空飛ぶクラゲに大慌てのみなの衆。
そこにジローとミキが合流する。


ジローが電気スタンドを消せ、と助言し、その通りにしたら空中浮揚を止めて落ちるクラゲたち。


「蛍光灯の光さえ当てなければ安全だ」と保証するジロー。
それを聞いた後、また某スウェーデンの女子高生みてぇな事を言い出して、タダシを連れ出すミキ。そして連いてく父ちゃん。まさに一家揃ってグレた状態である。町の人にそのクラゲ見せてどーするつもりだ(笑)。原因はダークだっての。
ちなみに、この時、ジローはケガをして、と言うか破損している。ベニクラゲからタダシを連れ去らう時、腕にショットを一発受けてしまったのだ。


ちなみに、こういうシーンがある辺りがキカイダーが「グロい」って言われたりする原因だが、生憎子供心には「すげー、ホンマにロボットだ!」と言うコーフンしかなかったのである。剥き出しの機械とか、だから子供は大好物なんだっての。
いずれにせよ、ミツ子に修理を受けるジロー。

さて、その頃。止めときゃいいのに、今度はグレた妹弟コンビが例の廃ビルに近づいてく。


当然今度はベニクラゲと遭遇するわな、そりゃ。


結局この二人はアジトの奥深くに実験台として連れて行かれようとするのである。



しかしそこには先回りしたジローが。


先回りすっきやな〜。っつーか、どう時系列的に考えてみても色々とおかしいんだが(笑)。瞬間移動機能でも付いてたのか、ジロー?

またもや、フェミニズム的には正しい戦闘が。



しかし、そこにギルの笛の音が。ギルの笛の音と良心回路の板挟みにあって苦しむジロー。


そこに襲いかかるベニクラゲ。ジロー大ピンチである。


笛の音がジロー弱体化の原因だと気づいたタダシ君。持ってきてたミニ毒クラゲを投げジローの耳を塞ぐと言う暴挙に出る(笑)。コントロールも良すぎるし、毒クラゲでダークの制作物なんだけどなぁ(笑)。


完全に耳アテ状態だ!
今だ!チェインジ!


と言うわけでチェインジさえしてしまえば、今回は水中戦もアリだが、いずれにせよキカイダーの勝ちとなる。

しかし、最後に「河を綺麗に保たなければならない」と言う結論に至った回ではあるんだけど、問題は別に「みんなで河を汚くした」わけではないのだ。そこの河が汚れた元凶はダークのせいであって、みんなのせいではない。
どうも環境運動家が言ってるこたぁ観点がズレてるよなぁ、とか、この回は意外と腑に落ちないエピソードなのだ。
70年代からこういう状態だったんだから、やっぱどっかズレたまま来てるのだろう。
ちなみに、この回の脚本家も後のキカイダーシリーズのメインライター、長坂秀佳である。


この人の書く特撮の脚本は秀悦だ、と評価が高いが、個人的にこの回はちとイマイチだな、とか正直思った回であった。
ちなみにこの人が、アニメ映画ゴルゴ13の脚本を書いたり、チュンソフトのスーファミ用ゲーム「弟切草」の脚本を書いた人である。


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