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Retro-gaming and so on

TRPGは米国でもマイナーである

ちょっと前、ネットでアメリカ人の女の子とチャットみたいにやり取りした事がある。
彼女は日本のアニメが大好きで、またなかなかゲーマーで、プレイステーションVitaの「プラスティック・メモリーズ」が大好きだ、との事。

「アニメも凄いわよ!泣けるし!あと、アニメならヴァイオレット・エヴァーガーデンもオススメね!」

とか教えてもらった。
いや、日本人がヤンキーの女の子に「面白い日本のアニメ」を教わる、と言う構図もどーかとは思うんだが(笑)。
まぁ、そこはそれ。
そういう話の流れで、ずーっと不思議だった事を聞こうと思ったのだ。

「アメリカとかだと、ボードゲームとかアナログのゲームの人気ってどーなの?」

彼女は間髪入れずにこういった。

「アナログゲームはマイナーね。やってる人なんか見たことないわ。」

と。
これが現役バリバリなゲーマーの証言である。
当然これにはテーブルトップRPGが含まれる。
そう、アメリカでも実はテーブルトップRPGの人気なんざそこまで高くないのだ。

日本のTRPGマニアはこう言いたがるのだ。

「アメリカではAD&Dは常識として共有されてる。」

と。
ハッキリ言おう。それはウソだ。日本じゃTRPGはマイナーなんで、どうしても「米国ならメジャーゲームだ」と思いたいのは分かる。ただしそれは事実ではない
任天堂がアメリカでファミコンを出してから、任天堂自身が向こうでのドラクエのベンダーになり、スーファミ時代ではスクエアが頑張ってアメリカ市場向けのCRPGを出してた。しかし、成功した、とは言い難い。
何故ならそもそも、向こうの市場ではRPGがマイナーだったから、に他ならない。たまたまPCでゲームやったりプログラミングしてた層がTRPGをやるマイナー層に「被ってた」というだけなのだ(ちなみに、この時代だとアメリカでも、一人一台必ずパソコン持ってます、なんて事もなかった)。
TRPGは結局、向こうでもマニア向けのゲームなのだ。ただ、米国の市場規模を低く見積もっても日本の三倍なので、数値だけ見ると「日本より売れてる」事になる。そりゃ当然だよな。分母が違うもの。

ところが、こういう事を言うと、

「いや、D&Dなんかは向こうじゃメジャーな筈だ。だってスピルバーグのE.T.の冒頭でもプレイしてるだろ?」

と言う反論が来る。
でもそれって反論にならんのだよ。映画はドキュメンタリーじゃねぇからだ。作りモンの世界である。
大体、映画が証明になるんだとしたら、90年代とかさ、全米国民の90%くらいはApple Macintoshを使ってる筈だぜ(笑)?実際は5%前後、ってのは知ってんだろ。映画の中だけやたらMacintoshが使われてただけ、だ。映画製作にAppleの宣伝が絡んでるんだよ。常識だろ?そんなの。
好意的に考えても、ギミックとしてTRPGを使いたい、と言うアイディアがあって、一種スポンサリングをその出版社に頼む。そうすると商品名とか映画館でバーンと映るわけだよ。良くて宣伝なの。

D&DファンとかTRPGファンがやたらE.T.の事言うからどーなんだ、ってぇんで確認してみたんだが・・・・・・。


えー、これってD&Dかなぁ。ぶっちゃけ、キチンと商品出てるわけじゃないんだよ。ダンジョン作ってたり電卓持ってたりするトコは分かるんだが・・・・・・。


いや、これじゃあD&Dかどうか、は断定出来ないでしょ。うーーむ。
これが本当にD&Dだとしたら、協賛会社名にTSR, incが名を連ねてないとおかしいんだが、エンドクレジットには全く書かれてない。


自転車メーカーとか、ハーシーチョコレートとか、テキサス・インスツルメントなんかは名を連ねているのにね!
つまり、「D&Dっぽい何か」をプレイしてるけど、D&Dである、たぁ言えないわけだ。
道理で英語版のWikipediaには「E.T.で使われてた」って記述が無い筈だわ。日本版だと書いてるけど、これっていわゆる「独自研究」なんじゃねぇか?
どっちにせよ、E.T.の映画は「D&Dはアメリカではとてもポピュラーで」と言う証明にも証拠にもなりゃせん、って事だ。

いずれにせよ、フツーに考えれば「尖ったギミックだった」って考えるべきで、やっぱりTRPG自体とか、あるいはD&Dが「アメリカでは日本と違ってメジャーなゲームである」と言う論拠は全く根拠がない、と思われる。

アメリカで一般レベルでのRPGの認知度が急激に高まったのは、結局プレイステーションのFinal Fantasy VIIと言う「リアルなグラフィックのゲーム」が出て以降、なのだ。

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