先日、あるテレビ番組の特集で「今の子育て」について3組の親子を取り上げて放映されていたのを興味深く見ました。その中の1人の子供はまだ1歳ちょっとだったのですが、フラッシュカード(絵や英単語、漢字といったものがカードに1つ1つ書かれていて、それをものすごい速さで次から次へとめくっていく事によりそれを頭の中へインプットしていくものです。)をお稽古教室の先生が子供の目の前でその単語を言葉にしながらめくっていました。お稽古教室には何人かの子供(年齢は様々)がいたのですが、その子供は眠くなってしまいお稽古中に気持ち良さそうに寝ていました。
親は「子供のため」と思って色々な習い事をさせますが、習い事をさせる時にその適正な時期というものがあると思います。親の想いだけで色々な事にチャレンジさせても、その子供に興味がなかったらその時間は苦痛のものになってしまいますし、また嫌々その時間を過ごすことによってそのものが嫌いになったりする結果となってしまいます。子供の性格が一人ひとり違うように、その子供によっても興味の対象が個々によって違います。(お絵描きが好きだったり、外で遊ぶのが好きだったり、また絵本を見るのが好きだったりと…。)何かをさせる時にその子供の成長段階を見極めることが大切ですし、その子供が今そのものに対して興味があるか(または好きか)どうか判断して行なうことが大事だと思います。先程、例をあげたフラッシュカードをする子供は寝てしまいましたが、そんな状況の中で行なっても何も身につかずに終わってしまいます。
早期教育については、人それぞれ様々な考えやまた賛否両論があります。乳幼児期において早期教育は必要かどうか疑問に思うこともあります。それよりも乳幼児期において大切なことは人に挨拶ができる事や「ありがとう・ごめんなさい」が言える事、食事をする時の姿勢だったりマナーをしつけとして教え身に付けさせる事など人として最低限必要なマナーやルールを教えることがまず最初にやらなければならないと思います。
それと同時に公園へ遊びに行くことにより体を使って遊んだり、土や植物・生き物に触れることによる経験、また外へ遊びに行くと犬や猫・鳩といった生き物に出会えます。それらの生き物を見て可愛いと感じたり、自分よりも弱いものに対して大切にしよう・守ってあげようと感じる経験ができます。そして公園でも同年齢のお友達や異年齢のお友達に出会うことによって、その友達から刺激を受けたり、相手を尊敬したり慈しんだりする経験もすることができます。乳幼児期からそういった経験をどんどんとすることによって、その子供の人格が育ち、心が豊かなものとなっていきます。
今の子供のおもちゃは、ボタンを押すとメロディーが流れたりおもちゃが動き出したりと完成されたものが多いように感じますが、それは子供の考える力や創造力がなくなってしまうのではないかと危惧します。それよりもいらなくなった容器や空き箱、また外へ行った時には沢山の木々や花・植物があります。そういったものを使って「どういう様に遊びを展開していこうかな?」と創造力を働かせることが大切だと思います。大人にしたら「こんなものがいいの?」というようなものでも子供は考えを働かせて楽しいおもちゃや遊びを考える力があります。完成されたおもちゃばかり与えられた子供は大人になっても考えることができない大人になってしまうと思いますが、乳幼児期にそういった経験を沢山してきた子供は、大人になったら様々なアイディアが浮かびものすごい発見をしそして社会に貢献できる物を作り出すことができるようになると思います。
大人が用意した完成されたおもちゃや習い事よりも、まず子供に様々な経験をさせてあげてください。どんどん外へ公園へ連れて行ってあげてください。(「今の時代、なかなか難しいわ…。」という声も聞こえてきますが)。おうちの中ではできない経験をすることができますし、また子供達の興味の引くものに沢山出会えます。子供は大人が見ていないようなものを発見するすばらしい能力を持っています。そんな発見をどんどんさせてあげてください。それによって子供達は様々な事を考え・疑問に思い、そしてそれを興味の対象となります。そして創造力を働かせています。大人の考え・目線にならず、子供の目線で接してあげてください。そうすることによって子供達が様々な事を教えられ、逆に勉強させられます。
早期教育をまず行なう前にやらなければならない事、また子供達が望んでいることをどんどんとさせてあげることの方が大切ですし、それによって子供の将来が輝かしいものになると思っています。