瓢簞舟の「ちょっと頭に浮かぶ」

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真の価値

2019-01-10 21:20:09 | 随想
勝馬に乗ったほうが、そりいいでしょう。誰だって負けるより勝ちたい。けれど、勝ち負けだけが価値ではありません。勝ち負けだけを判断の基準にしていては、つまらない。

だいたい何をもって勝ちとするのか、負けとするのか。みんながそれを決めます。みんな、つまり大勢です。大勢がそれを勝ちとすれば勝ちです。価値アリ、正しい、常識などなど、大勢がそれがそうだと言えばそうなります。

その程度です。数が多いってぇだけです。その内容が吟味されているかどうかは怪しいもんです。ってぇより、吟味されていないでしょう。みんな勝馬に乗りたいだけですから。

一度、片方に傾くともういけません。数は数を呼びます。多勢に無勢。少数派は多数派に抗えない。

が、それでも少数派は踏みとどまらないわけにはいきません。少数派が否定され存在を許されなくなれば全体が危険になります。多数派だけになれば、それはもはや多数派ではなく全体です。全体が一色に染まる危険は歴史が教えています。

少数派がいるから危険を回避できているのです。少数派が多様性を担保しているのです。
少数派は負け戦を闘い続けなくてはいけない場面も多々ありますが、闘い続けている以上、負けてはいない。決着はついていないのですから。ってぇか、勝ち負けなんぞどうでもいい。勝ち負けだけが価値じゃないんですから。

そのようで在ることを放棄して勝ったところで何の価値もない。勝馬に乗れとばかり迎合すれば大切なものを失います。
そのようで在ることをまっとうしていて、気がついたら少数派。それならば少数派として踏み留まるまで。

そのようで在ることが真の価値。
存在している意味、それは他者に委ねるものではなく、自身にあります。


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