瓢簞舟の「ちょっと頭に浮かぶ」

こちらでは小説をhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427846884378

そして走りだす(「波」「知らないことばかり」)

2015-03-17 13:19:24 | 随想
運動をしない私は自分の身体に無頓着なところがある。身体意識が低い。身体との対話ができていないのである。
それは日頃から感じていることだけれども、ひと月ほど前、身体について思う出来事があった。

マラソンを終えて戻ってきた友だちは普段見たこともないほどぼろぼろになっていた。いつもは走り終わったあと、さっぱりした顔をしているのだが、その日走った距離はさすがに堪えたらしい。胃腸炎でも食べるのを控える気はないというくらい食べるのが好きな人なのに、ろくにものを受けつけないような疲れようである。

私は肉体をこのように使ったことがない。ここまで酷使した肉体で何が起こるのかを私はまだ知らない。
だから知りたいのである。肉体の限界のその向こうにあるものを。肉体を得て「こっち」にいる意味を。

ため息がでるほど、まだ知らないことばかり。
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