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茨城県北芸術祭3日目。最終日は海側の南側、常陸多賀 ・日立駅周辺を中心にまわりました。
■ 商店街がアート作品に包まれる!常陸多賀商店街。
まずは常陸多賀商店街へ。まず、駅前を歩いてびっくり。駅の周りがみんなニットに包まれています。
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(バス停も、なんと交番も!?)
これは力石咲さんの「ニット・インベーダー in 常陸多賀」。
かつて銀行だった建物の中で編まれたニットが、ひとの手によってどんどん街の中に拡散していきます。
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(自動ニット編み機。どんどん編まれていきます。)
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(ATMスペースはカラフルなニットコスチュームのクローゼットに!街の人も木や建物も、どんどんニットに包まれていくのが面白い作品です。)
カラフルな看板が並ぶのは、茨城生まれ・茨城在住のアーティスト・中崎透さんによる「看板屋なかざき」。
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県北地域の美和、水府、里美、金砂郷…といった地名を、その地名からイメージするイラストのライトボックスの看板にした作品。ちょうど地図に重なるように、そして高さの関係も実際の土地の高低差を表すように並べられているのだそうです。
いろんな地名があるんだなぁ…と2Fの展示を見ると、今度はこれらの地名をアルファベットで表した看板が。赤と白で表されていますが、白字で書かれた地名は統廃合でもう存在しない地名だと知ります。
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1Fにあった地名が、文字とイラストで個性を与えられているように見えるためか、そのほとんどの名前がすでに失われてしまったということに気づくと少しショッキングにも感じられ、はじめに1Fの看板を見たときと2Fから降りてきてもう一度見たときの印象が大きく変わる作品でした。
ポップなスマイリーマークが並ぶこちらの展示は、ニューヨークで活動されている青崎伸孝さんの「スマイリー・バッグ・ポートレート」。
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アメリカでよく使われるというレジ袋「スマイリーバッグ」に似顔絵を描いてくれるブロジェクトです。もとは皆おなじスマイリーマークなのに、それぞれの個性がきちんと現れているのが面白い作品です。わたしも描いていただきましたが、一人10分ほどじっくりと時間をかけ、その間にお互いの様々な話をしながら描いてくださるので、その対話を楽しむ時間自体が作品のように感じられてきます。
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描いてくださったバッグはいただくことができます。ここで描かれた作品が全国に散らばっていき、飾る人もいれば大切にしまいこむ人も、ひょっとしたら忘れて捨ててしまう人もいるかもしれません。形としてはその場に残りませんが、そんな作品の行方に思いを巡らせるのもこの作品の一部であるように思えてきます。
■ 駅そのものも作品に?! 日立駅
日立駅前の日立シビックセンターにはプラネタリウムがあり、この中で川口洋一郎さん、榊原澄人さん、木本圭子さんの作品が上映されています。こちらは16:00, 17:00(土日祝日は11:00)と上映時間が決まっていて、シビックセンター地下の案内所で事前に整理券をもらう必要があります。(…こちらは見たかったのですが、上映に間に合わず見られませんでした(T T))
ここで面白かったのはテア・マキパーの「ノアのバス」。
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”ノアの方舟”のように、海から山へ逃げる方舟としてイメージされたというバスは、日立市に自生する植物や動物でいっぱいになっています。
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(運転席も植物でいっぱいに!)
”海から山へ逃げる”とはどういうことだろう…?と思ったのですが、東日本大地震でら日立市の港も津波の被害にあったそうで…そのためなのでしょうか…?
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(日立駅の駅舎はかなり高台にありますが、すぐ隣が海で驚きます。)
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(ちなみに、この日立駅のデザインは妹島和世さん。そしてそのガラス張りの壁面はダニエル・ビュレンの「回廊の中で:この場所のための4つの虹 ー KENPOKU ART 2016のために」という作品になっています。通路を歩いて行くと街の風景が様々な色に変化し、違った印象になっていきます。)
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(日立駅には巨大なタービンのモニュメントも。これも作品みたいに見えてしまいます。)
■ 美しい海と作品を一緒に楽しむ うのしまヴィラ
この旅の最後に訪れたのは、海辺にあるオシャレな温泉施設うのしまヴィラ。ここにいるのは…透明な殻を着たヤドカリさん。
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(東京の街を背負ったヤドカリさん。殻が透明なので、普段は見えない柔らかい身体が見えるのがなんだか面白いです。)
AKI INOMATAさんの「やどかりに「やど」をわたしてみる ーBorderー」。
向こうの海が透けて見えるこの透明な構造物は、貝の中の形状をスキャンし、3Dプリンタで作った人工的な貝がら。外側には様々な国の建築物が造形されています。その建築物が貝についたフジツボみたいに見えたり。自然と人工物を行ったり来たりする、ユニークな作品でした。
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さまざまな国の殻を簡単に引っ越せるのは、なんだか自由な旅人のようにも見える一方、”力の強い別のやどかりによって殻の交換を強いられることも”あるというキャプションを見てから各国を象徴する殻を見るとちょっと複雑な気分にもなったりと、小さなヤドカリから大きなことを想像してしまう作品でした。
■茨城県北芸術祭2016まとめ
海・山・街と会場が広範囲にわたるため見るのが大変でしたが、一方であまり馴染みのなかった茨城県北地域の多様な環境を楽しめたのが良かったです。駐車場が多く車で気軽に回れるのも助かりました。(ただ、やっぱり会場のひとつの移動に30-40分かかってしまったので、もうすこし作品が固まっていると嬉しいなぁ…とは感じました。)
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すべての作品にキャプションがついていたり、視覚的に面白い作品が多く、幅広くふらりと立ち寄っても楽しめる作品が多かったのではないかなと思います。(パスポートが¥2500と、お手頃なのも魅力です。)
茨城出身であったり、筑波大の先生や卒業生など、土地にゆかりのある作家さんが多かったこと、そして、メディアアートのような作品も取り入れられていたのも良かったなぁと思います。
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私が行った3連休は天気が悪かったので残念でしたが、天気が良ければ袋田の滝や竜神大吊橋などの観光地とともにもっと楽しめそうです。
茨城県北芸術祭2016は11月20日(日)まで開催されています。海と山と芸術と、全部を贅沢に楽しむ旅はいかがでしょうか?
■オマケ またもや海側のおひるごはん
最終日は水戸に帰りつつ道の駅 日立おさかなセンターに寄りました。
こちらでは好きな具を選んで海鮮丼が作れる「味勝手丼」や、好きな食材を選べる「浜焼き」などができます。「浜焼き」は時間の都合でできませんでしたが(残念…) 味勝手丼は1パック¥200前後で様々なお刺身が選べて(しかもボリュームがあります!)お得感がありました。そして新鮮なお刺身、美味しかったです。
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(自分で具材を選ぶ「味勝手丼」!)
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(今回は、たくさん美味しいものに出会える旅でした。)
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