ポスターやチラシの絵を見ているだけで、目がおかしな感じ…
幾何学模様の「絵」なのに、なんだかゆらゆらと動いて見える…
(ブリジット・ライリー展 チラシ)
そんな、特殊な視覚効果をあたえる「オプ・アート」の代表的な画家 ブリジット・ライリーの個展が千葉県のDIC 川村記念美術館で開催されています。
ゆらぎ ブリジット・ライリーの絵画 @DIC川村記念美術館
こんな”だまし絵”みたいな絵画って、実物を見なくても画集で十分なのかも?なんてことも実は少し思っていました。
…ところが。
実物の作品は思った以上に大きい!!
自分が絵の前を動くことで絵の見え方が変わってきたり、混ざって見えていた色が、近づくと分解されて、ひとつひとつの色が見えてきたり。
なによりも、没入感がすごかったのです!幾何学模様の繰り返しパターンの世界に入り込んでしまった気分…(※没入感に個人差はあるかと思いますが…)
特に、横ストライプの作品や、同じ色パターンが繰り返される縦ストライプの作品は、作品に近づくいてフレームが見えなくなると、作品との距離感が取れなくなり、絵にぶつかる?!絵の中に入っている?!と、感じてしまうほど。
(「朝の歌」/ ブリジット・ライリー (1975年) 展覧会チラシより)
このような視覚効果の作品を生み出す中で、ブリジット・ライリーはスーラの点描技法に影響を受けていた、というのを、後から知って少し驚きました。でも、そういえば、ゆらゆらと揺れて見えるカーブの作品は、遠くから見ると何色とも言えない不思議な色合いで、水面に映り込んだ日差しのように見えてきます。
インタラクティブなデジタルアート作品とは違って絵画自体は動きませんが、自分が”見る”ことで目の前の作品が変わってくるような、絵画を”体験する”展覧会でした。
2018年8月26日(日)までです。
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ちなみに、DIC川村記念美術館はコレクション展も見応えがありました。
(DIC川村記念美術館の庭園)
モネの「睡蓮」やルノワールの「黒褐色の髪の女」のような光の描写が美しい印象派の作品、赤と青の対比が鮮やかなシャガールの巨大な「ダヴィデ王の夢」、いったい何で描いているのか不思議なフランク・ステラの巨大な作品群などなど…
色を見ているのが楽しい作品群で、反射防止のガラスの額に、ライティングも邪魔をしないような位置に設置されていて、まるでカバーガラスがないように、その色と筆使いを隅々まで見られるのがとても嬉しかったです。
彫刻が点在する庭を散策するのも、たくさんの素敵な作品を見たあとのクールダウンにとても気持ちがよかったです。
(まるでモネの睡蓮の作品のような池も!)
車がないと行きづらいかなぁ?と心配していましたが、東京駅からバスで一本で行けるのも嬉しい、素敵な美術館でした。
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■ゆらぎ ブリジット・ライリーの絵画 @DIC川村記念美術館
会期:2018年4月14日〜8月26日
時間:9:30〜17:00
休館日:月(4月30日、7月16日は開館)、5月1日、7月17日
料金:一般 1300円 / 学生・65歳以上 1100円 / 小中高生 600円
ブリジット・ライリー(1931-)は、幾何学的パターンによって画面に動きをもたらす抽象絵画で知られるイギリスの芸術家です。
本展は1960年代の代表的な黒と白の作品、1970年代を中心としたストライプ作品、1990年代の曲線をもちいた作品、そして近年のウォール・ペインティングを含む約30点を紹介し、あらためてライリー作品の魅力に迫る、わが国で38年ぶりとなる展覧会です。
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