新宿の取り壊し予定のビルで開催中Chim↑Pom個展
「また明日も観てくれるかな? 〜So see you again tomorrow, too? 〜」
に行ってきましたが…色んな意味でヤバい展示でした…!
(こちらが会場入り口)
会場は歌舞伎町のTOHOシネマズ…の、裏にある小さな5階建てのビル。
(会場の外には、指名手配犯の顔ハメ看板が… この写真…リアルなやつでは…?!さらに、この向かいは交番…)
入り口で入場料を払うと同時に、自己責任の”同意書”を書かされます。古いビルだからかなー…?
案内された通りに、まずはエレベーターで4階に行くと、何もないがらんとした空間なのですが…
足元に…穴…??
ビルの4階から安全柵もなく1階までスパッと床が抜かれています…
(覗き込むのに本当に勇気がいりました…これは”同意書”書かされる訳ですね…)
1階に降りると、各フロアの日常がそのまま積み重ねられた「ビルバーガー」になっていました…!
なんだかこう書いてしまうと、ただ派手な展示にも見えてしまいますが、実はオリンピックに向けての都市のスクラップ&ビルドがテーマとなった展示でした。
(”歌舞伎町振興組合”の部屋をそのまま”青焼き”として焼き付けた「青写真を描く version 2」)
(「Black Of Death」のカラスの剥製も。)
取り壊されるビルの記憶が4階に青焼きとして焼き付けられて、1階から4階まで床が抜かれてめちゃめちゃになっている状態で、5階は普通に事務所として動いている…という状態とか、巨大な映画館の裏でひっそりとこんな展示が行われている状態というのが、おかしいようにも感じられましたが、実は日常って、こんなふうに”すぐ近くで何が起こっているのかわからなかった”り、”なんだかおかしいなぁ…ということを無理やり納得しながら回していたり”するもののようにも感じたり。
(この上のフロアでは、通常業務が回っているのが信じられない…)
「オリンピックに向けて」を号令に社会が動き街が変わっていく中で、個人はその意義もわからず、取り残されていかれるような感覚をポンと可視化されたような気分でした。
(ハイレッドセンターの「首都圏清掃整理推進運動」の現代版みたいな展示だなぁー…とか思っていたら、そのパロディという作品も展開されていたり。)
展示されている作品は会期後もそのまま残され、ビルとともに解体され、次の個展の素材として使われるそうです。
(「SUPER RAT -Diorama Shinjuku-」。このジオラマは定点カメラで撮影されているのですが、ビル解体の間もずっと定点観測されるのだとか…!)
この展覧会の次の展開もとても気になる展示でした。
10/31(日)までの展示ですが、できればこの感覚をもう一度目に焼き付けておきたい…と思うような展覧会でした。
********************
■DATA■
展覧会期一般公開 : 2016年10月15日(土)-10月31日(月)
Open:13:00-22:00
会場歌舞伎町振興組合ビル
〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町 1丁目 19-3
入場料¥1,000(展覧会のみ)
解体予定のビルで開催される本展は「Scrap and Build」がテーマとなっており、「2020年東京オリンピックまでに」をスローガンに再開発が進む、現在の東京という都市の姿に迫っていく。
また、本展の展示物のうちChim↑Pomの作品群は、会期終了後も撤去されず、ほぼ「全壊する展覧会」としてビルの建て壊しに合わせて破壊される。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます