スノードンの山登り
ウェールズの最高峰でスノードニア国立公園の中心、スノードン山(標高1085m)に登るスノードン登山鉄道(The Snowdon Mountain Railway、略称:SMR)は、前回の湖岸鉄道の向かい側に起点駅があります。ラック式鉄道で、軌道に敷かれたラックレールと機関車の歯車(ピニオン)を噛み合わせて急勾配を上り下りします。雄大な風景の中を列車はゆっくり、しっかりと登って行きます。軌間は800mm、全長は7.5㎞です。
スノードン登山鉄道のスランベリス駅前
スランベリス駅の立派な駅名標。下の小さいプレートには、登山鉄道が着工されたのは1894年12月、当時9歳のエニッドちゃんがここで鍬入れをしたこと、1896年4月に最初の乗客を山頂まで運んだこと、プレートは、開通100年を記念して1996年にジョージ・トーマス子爵が除幕したことが書かれています。
この登山鉄道ではSLとDLが活躍。これは、ヤードで始業点検中と思われるスノードン号。小さいながらも迫力があります。ボイラーが斜めに取り付けられていることに、今、気が付きました(笑)。これも急勾配に合わせた仕様なのでしょう。(スランベリス駅)
スランベリス駅からしばらく林の中を進みます。ここまでは普通の田舎の風景。機関車は後押しなので、前面展望が開けます。
林を抜けると景色は一変し、樹木は一本も見られなくなります。見通しがよく遠くの山までよく見えます。山というよりもうねるように続くなだらかな景観です。
途中駅での交換風景。
ラックレールが細く伸びる尾根筋を登って行きます。
大自然の中、奮闘する列車。
駅へ最終アプローチ。
もう一息。
クログウィンClogwyn駅到着。当時は、工事中のため頂上駅まで行けず、ここで折り返しました。この先はきつい勾配が続いています。
軌道内にラックレールが見えます。駅名標はラックとピニオンのデザイン。
クログウィン駅付近からの眺望① 樹木と霞のある日本の風景に慣れているので遠近感が狂うようです。
クログウィン駅付近からの眺望②
中央に見えるのがパダーン湖 Llyn Padarn で出発したスランベリス駅があります。前回のスランベリス湖岸鉄道はこの湖の片側を走っています。
木が一本もない風景は、地球の肌を見る感じさえします。
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RICOH / GR DIGITAL
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ご覧いただき、ありがとうございました。
ウェールズ編は今回で終了します。次回からはドイツ編に入ります。本編と同様、不定期掲載となりますが、よろしくお願いいたします。♥♥
ウェールズで出会った車両5 スノードンの山登り