かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

中学生版バージョンアップ

2015年12月11日 | Angels' message
最近、中学生たちにタバコの授業をするのが面白い。
小学生ももちろん楽しいのだけれど、中学生には違う楽しさがある。

一言でいうと、理解の深さ…かな。


中学校は人数が多くて、体育館のようなだだっ広い会場でやることが多いから、生徒たちとのあいだとの距離が講話をしにくくする。

それでも、なるべく生徒たちの中に入っていくようにしている。

最近は、学校側もそういうワタシのスタイルを理解してくださり、話がしやすいようセッティングしてくれるようになった。

また、小学生のときに一度授業を聞いて、中学生になってから2度目の授業、という繰り返しパターンもだいぶ増えてきたのも嬉しい。

こうなると、「ワタシの生徒たち」という感じがして、一層話に思いやりと熱が入り、最近、少し授業内容をバージョンアップさせた。


最近特に気にするようにしているのが、女の子たちのこと。


男性の喫煙率は減少しているが、女性はタバコ会社のターゲットにされており、そのせいか喫煙率が横ばいなのである。

学校の先生がたからも、「最近のお母さんがたは吸う人が多いですね」とよく言われる。

昔は女性は「隠れ喫煙」をする人が多かったが、最近は堂々と吸うようになった。
また、学校の禁煙化で、車の中や校門の外で吸う人がよけいに目立つのだろう。

実際の喫煙率としては、まだ男性のほうが高いのであるが、見ている側の「女性のくせに(吸っている)」という潜在意識のようなものも、喫煙女性を目立たせているのかもしれない。


こういった現状に加え、販売側のターゲットにされているぶん、女の子たちがタバコを吸い始めないよう、学校では特別に気をかけて話をするようになった。


『アジアの女の子たちがなぜタバコ会社に狙われているのかわかる?欧米や北欧の女性に比べたら、アジアの女性はまだまだ社会的地位や学歴が低いから、騙されて吸うだろうって思われているのよ。つまりバカにされているの。だからみんな、しっかり勉強して騙されないようにしてね!』とカツを入れる。


今日は故郷の中学校の二年生で、いい雰囲気で授業ができたので、ついつい普段は話さないようなことにまで話が及んだ。

「将来の彼氏や結婚相手にはタバコを吸わない人を選びなさいね。なぜなら、幸せになれないから。もしも好きになってしまった人がタバコを吸っていたら、禁煙できるように応援してあげなさい。そうすれば、二人とも幸せになれるから。」

すると生徒たちが学年主任の先生のほうをみてニヤニヤ、コソコソ。

たまりかねた先生が生徒たちに向かって発言。

「先生はもう2ヶ月吸ってないぞ!頑張ってるぞ!」

すると生徒たちから「おぉ♪」と拍手がおこった。


心に残る授業になってくれているといいなぁ。
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