かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

ヒマラヤで

2008年03月24日 | 昼下がりの外来で
Kさんは元高校教師。
山岳部顧問で、海外登山の経験も豊富。
5大陸制覇もしたとか。

「キリマンジャロは登りましたけど、あとは最高峰というわけではなくて・・・」

だから、なんちゃって5大陸制覇なわけだけれど、それにしてもスゴイ。

退職後の検診でひっかかって、「あそこは有名だから」と周りの人にウチの禁煙外来を勧められて来院。

「タバコ吸ったあとは、心臓バクバクで、山登りもつらいんですよ。わかっちゃいるんですけどね」

『またどこかへ行く予定はあるんですか?』

「このあいだ、インドヒマラヤに誘われたんだけど、タバコ吸えないと思うと億劫になっちゃって・・・タバコ吸ってると、2500mくらいの高地にいるくらいの低酸素だって聞いたんだけど」

Kさんの呼気中の一酸化炭素濃度はかなり高い。
標高4000mにいるくらい、息切れするはず。

「以前、ヒマラヤでタバコがなくなって困ったことあったんですよ。下山して、川向こうにいた大学の登山パーティーに、乾電池とタバコの物々交換してもらったことありますよ。あのときの1本は貴重に感じたなあ」

知り合いの登山家が、中国ヒマラヤで遭難したとき、タバコのかわりに紅茶を紙で巻いて吸ったという話を聞いたことがある。
でも紅茶タバコじゃ満足しないだろうなあ。

Kさんには是非禁煙して、また山に登ってもらいたいものだ。


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