ちょっとやっかいなことに取り組む際に大切なのは、モチベーションをいかに上げるかということだと、常々思う。
自分のやる気スイッチはどこにあるのか?
スイッチのボタンはどうやったら押せるのか?
ボタンにはアメリカの核爆弾みたいに、鍵が付いているかもしれない。
そうなると、なかなかボタンは押されにくい状況にある。
今日、禁煙治療に来た患者さん。
人は見かけで判断しちゃいけないと思うが、診察室に入ってきたその人は、まるで世捨て人かと見まごう風体で、なんだかちょっと頑固そうで、とっつきにくい感じのする人であった。
けれど話してみれば、スムーズに会話ができ、こちらが発した軽い冗談にも笑ってくださり、和やかに治療の相談がすすんだ。
『どうして禁煙しようと思ったのですか?』
帰りがけにサラリと聞いてみた。
「飼っている犬のためです」
『はっ?! 犬のため?』
「13歳の犬がいて、毎日一緒に寝てるんですが、そいつよりも先には死ねないと思ったんです。だから、酒もタバコもやめて、健康的な生活をして病気にならないようにしようと、一大決心しました! 家族より犬のためです(笑)」
『それはそれは! お犬様もきっと嬉しいでしょうねえ』
「外で吸ったって、タバコの臭いは服とかにつきますよね。今まで申し訳なかったなって思います」
『ですね。』
やる気スイッチを押してくれたお犬様に感謝である。
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