組合員の会話
A この前、常磐線の電車の中で、中央学院大学の広告を見たぞ。
B それで。
A それがね、こう書いてあった。
中央学院大学
公務員への道
商学部 法学部
C それって、誇大広告にならないのかな?
A そうなんだよ、俺もそう思ってね。
D その広告、9月までの「オープン・キャンパス」用のものでしょ。僕も
見ました。おかしいですよね。
A 2015年度の法学部の卒業生で、公務員になったのは、たったの12人だと
聞いている。「公務員」といっても、警察官、消防士も含み、自衛隊員も入っ
ているからね。市町村の行政職の公務員になったのは、たったの2人だとのこ
とだ。
B 商学部の卒業生が、何人も「公務員」になってんじゃないの?
A そんなわけないでしょ。商学部は、公務員を売りにしていないからね。法学部
が売りにしているんだよ。それが、実はじり貧なんだよ。
B 大学のホームページで、佐藤英明学長が、「公務員」になった学生と対談して
いたよね。みんな見たかい。この2人との対談だよ。2人とも、行政職の公務
員になった卒業生だった。
A 2015年度の卒業生が何人かは知らないけど、法学部の定員は300人だっ
よね。仮に300人全員が卒業したとして、12人しか公務員になれなかった
というのに、中央学院大学への入学が「公務員への道」だというのは、誇大広
告じゃないの?! 公務員になれたのは、たったの4%程度だよ! それも、
警察官、消防士、自衛隊員も入れてだよ。行政職の公務員になれたのが、仮に
5人いたら、全員を呼んで対談をしただろうね。そのほうが、魅力を訴えられ
るからね。2人しかいなかったから、この2人と対談したんじゃないの。
C ところで、何人が公務員になったかのかを明らかにしないで、本学への入学は
「公務員への道」だと宣伝するのは、よくある予備校の水増しの合格者数より
も、考えようによっちゃ「悪質」かもしれないね。
A あの手の広告につられて大学に入学してみたら、公務員試験に合格できるよう
な教育がなされていなかった、なんて不平不満を言っても、後の祭りだよね。
B 自分で勉強すればいいんじゃないの。公務員受験の予備校に通うことも考え
なくてはいけないね。すべて「自己責任」だよ。
D 入学時に未成年の学生に対して、そう突き放すのはどうですかね。
C 公務員を目指す学生は、情報を集めて進学先を慎重に選んだほうがいいね。公
務員の合格者数を、自衛隊員、警察官、消防士、行政職等に分けて公表しない
で、公務員への就職に有利だと宣伝するような大学は、とても怪しいね。
D そういえば、中央学院大学は、毎年、公務員になった卒業生の数が、千葉県下
で第2位と宣伝していましたよね。
A そのからくりについては、また別の時に話そうよ。