千葉県内の私立大学で2位の公務員就職者数って本当?
中央学院大学は、公務員合格者数が千葉県内の私立大学で2位だと宣伝
してきた。
2位であることは事実に違いないが、中身を知ると驚かされる。
1位は清和大学だ、
公務員の就職に有利な法学部
公務員試験を目指す学生の多くは、法学部の学生だ。公務員試験の科目の
多くが、授業科目と一致しており、法学部の学生は公務員試験に有利であると
言われている。そんな法学部がある大学は、千葉県内の私立大学内には数え
るほどしかない、
[2位」とは、事実上「ビリ」
法学部のある千葉県内の私立大学には、清和大学、中央学院大学の他に、どんな
大学があるだろうか。
思い浮かぶのは流通経済大学。しかしこの大学、千葉県の大学とはいいがたい。
というのも、大学本部は茨城県の龍ヶ崎市にあるからだ。キャンパスはこの龍ヶ崎市
と千葉県の松戸市(最寄駅は新松戸)にあり、学生は入学時に、どちらのキャンパス
で学ぶかを選択することができる。法学部の学生も、キャンパスを選択できる。
だから、流通経済大学法学部が、千葉県内の大学法学部であるとはいいがたい。
しかし、仮に流通経済大学を千葉県の大学だとしても、県内にある私立大学の
法学部は、たったの3つである。
要するに、公務員合格者数を争う私立大学は、2~3校しかないのである。だか
ら、「2位だ」と威張ってみても、ほとんど意味がない。このうち、流通経済大学法
学部は「争っていない」。すなわち、公務員への就職を「売り」にしていないのであ
る。
争っているのは清和大学法学部と中央学院大学法学部だ。だから、「2位」とは、
事実上「ビリ」ということだ。「ビリ」も、上から数えると「2位」になる。なんと
いう不思議!?
清和大学の「本気」
先日のブログ「組合員の会話」で明きらかにされているように、中央学院大学の
2015年度の法学部の卒業生で公務員になれたのは、わずか12人であり、行政職の公務員
となると、わずか2人のようだ。
【訂正① 公務員は、自衛隊員を除くと22名】 【訂正② 行政職の公務員は4名】 2018年11月30日
清和大学はこれまで、警察官、消防士への就職に強く、これに照準を合わせた教育
を行い、実績を上げてきた。『週刊東洋経済』の2013年のある号によると、清和
大学は、警察官の合格率が全国で「第2位」だとされている。こちらの「第2位」は
決して「ビリ」ではない。正真正銘の「2位」である。
この大学、これに気をよくして、新たに「警察官・公務員特進クラス」を設け、警
察官、消防士以外の多様な公務員になれるような教育の強化に乗り出している。だ
が、この大学が、「警察官、消防士、自衛官」以外の公務員を大量に生み出せるか
は、疑問と言わなければならない。
「ジリ貧」の中央学院大学法学部
中央学院大学法学部はどうだ。「ジリ貧」ではないか。かつては、公務員就職者が
30人を超えていたという。法学部創設の目標は、「中級公務員」を生み出すことで
あったという。その後、実際の目標は次第に「警察官、消防士」となり、いまやその
警察官や消防士やなれる学生も減りに減っている。
どうするのであろうか。
現法学部長の大村芳昭氏は、就任以来「公務員100人化構想」を堅持してい
る。だが、やっていることは、「100人」を目指すのではなく、まるで「10
人」を目指しているがごときだ。すなわち、カリキュラムを改悪し、法律をろくに学
ばなくても卒業でき、「法学士」という学位を取得できる制度にすることに腐心して
かのようだ。
「カリキュラム改悪」の影響
カリキュラム改悪については、当組合のブログが、かつて詳細に批判し、「ア法学
部」化と揶揄(やゆ、=からかう)したことがあった。この改悪の影響が出始め、そ
れは公務員への就職の不振にあらわれている。
当組合の批判は正当であった
当組合は、大村法学部長が旗を振って行ったカリキュラム改悪を、このブログでも
厳しく批判したが、この批判は正当であった。
このことは、「おかみ=文科省」による呼び出しや、「準おかみ=大学基準協会」
の中央学院大学法学部に対する、きつい「おしかり文書」(=「認証評価結果」)が
証明している。
この「おしかり文書」の内容は、受験生にはちょっと難しいかもしれないので、
要約しておくと、この「中央学院大学の行う教育は、まったくなっていない」という
ものだ。
志望校選びは、くれぐれも慎重に!
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