■「大学設置基準」ぎりぎりの専任教員数
このブログでは、「大学設置基準」という言葉が何度か出てくる。
この「大学設置基準」というのは、文科省令で、大学を設置・運営する際に満たさ
なければならない最低基準を定めたものである。その第1条の2と3には、以下の
ように書かれている。
2 この省令で定める設置基準は、大学を設置するのに必要な最低の基準と
する。
3 大学は、この省令で定める設置基準より低下した状態にならないように
することはもとより、その水準の向上を図ることに努めなければなら
ない。
では、この省令によると、『週刊ダイアモンド』のあの衝撃的なランキングが発表
された2012年に、中央学院大学は、いったい何人の専任教員を雇用しておか
なければならなかったのであろうか。
専任教員数については、第13条が定めている。
同条にしたがって計算すると、中央学院大学が雇用しておかなければならなかった
専任教員数は66名である。
中央学院大学には、大学院商学研究科が設置されており、こちらにも省令に基づいて
専任教員を配置しなければならない。大学院の専任教員は学部との併任が認められて
おり、一部はダブルカウントが認められている。
この七面倒くさいことはおいておくとしよう。要するに、中央学院大学は、大学院を
含めても全部で70名程度の専任教員しか雇用せず、大学設置基準すれすれの専任教員に
していたのである。だから、専任教員1人当たりの学生数が48.0人で、559位
という下から2位の不名誉を記録したのである。
「徹底した少人数教育」を掲げながら、意図的に専任教員数を減らし続け(退職
した専任教員の補充をしなかった)大学設置基準が定める最低限度の専任教員数
へと、超低空飛行を行っていたのであった。
この超低空飛行の理由については、後日、詳しく述べる。
■学生がもたらした情報ー400人授業
当ブログ「少人数教育の実態(3)」が掲載されてから、大学で期末試験を受けた
学生からこんな情報がもたらされた。
なんと、その学生、400人もの履修生がいる授業の試験を2つ受けたという
ではないか。教室はギューギューで、となりの答案が丸見えだとのことだ。
「本当か!」
「どこが徹底した少人数教育だ!」
「バカも休み休み言え!」
その授業は商学系の科目で、必修に近い「選択必修科目」だそうだ。だから多くの
履修者がいるわけだ。「ほとんど必修といっていい科目」とのことだ。
学生が挙げたのは、次の科目だ。
「国際流通論」(春セメスター)
「国際流通システム論」(秋セメスター)
「商学総論」(春セメスター)
「流通システム論」(秋セメスター)
毎年受講者が400人もいるような授業をそのままにして、なにが「徹底した
少人数教育」だ!
■履修者ゼロのゼミ
そういえば、かつて組合が入手した資料に、科目別の履修者数を示したものがあり、
履修者数が400人を超えていたことを思い出した。自然科学系の授業であった。
また、少なからぬ「演習」の履修者数が、1~3人であることも思い出した。
こちらは、意図せざる「少人数教育」だが、これではゼミは成り立たない。
中には学生に「見捨てられ」てしまい、誰も寄り付かないゼミがあった。
要するに履修者ゼロ!
「ゼロゼミ」だ!
<続く>
<
このブログでは、「大学設置基準」という言葉が何度か出てくる。
この「大学設置基準」というのは、文科省令で、大学を設置・運営する際に満たさ
なければならない最低基準を定めたものである。その第1条の2と3には、以下の
ように書かれている。
2 この省令で定める設置基準は、大学を設置するのに必要な最低の基準と
する。
3 大学は、この省令で定める設置基準より低下した状態にならないように
することはもとより、その水準の向上を図ることに努めなければなら
ない。
では、この省令によると、『週刊ダイアモンド』のあの衝撃的なランキングが発表
された2012年に、中央学院大学は、いったい何人の専任教員を雇用しておか
なければならなかったのであろうか。
専任教員数については、第13条が定めている。
同条にしたがって計算すると、中央学院大学が雇用しておかなければならなかった
専任教員数は66名である。
中央学院大学には、大学院商学研究科が設置されており、こちらにも省令に基づいて
専任教員を配置しなければならない。大学院の専任教員は学部との併任が認められて
おり、一部はダブルカウントが認められている。
この七面倒くさいことはおいておくとしよう。要するに、中央学院大学は、大学院を
含めても全部で70名程度の専任教員しか雇用せず、大学設置基準すれすれの専任教員に
していたのである。だから、専任教員1人当たりの学生数が48.0人で、559位
という下から2位の不名誉を記録したのである。
「徹底した少人数教育」を掲げながら、意図的に専任教員数を減らし続け(退職
した専任教員の補充をしなかった)大学設置基準が定める最低限度の専任教員数
へと、超低空飛行を行っていたのであった。
この超低空飛行の理由については、後日、詳しく述べる。
■学生がもたらした情報ー400人授業
当ブログ「少人数教育の実態(3)」が掲載されてから、大学で期末試験を受けた
学生からこんな情報がもたらされた。
なんと、その学生、400人もの履修生がいる授業の試験を2つ受けたという
ではないか。教室はギューギューで、となりの答案が丸見えだとのことだ。
「本当か!」
「どこが徹底した少人数教育だ!」
「バカも休み休み言え!」
その授業は商学系の科目で、必修に近い「選択必修科目」だそうだ。だから多くの
履修者がいるわけだ。「ほとんど必修といっていい科目」とのことだ。
学生が挙げたのは、次の科目だ。
「国際流通論」(春セメスター)
「国際流通システム論」(秋セメスター)
「商学総論」(春セメスター)
「流通システム論」(秋セメスター)
毎年受講者が400人もいるような授業をそのままにして、なにが「徹底した
少人数教育」だ!
■履修者ゼロのゼミ
そういえば、かつて組合が入手した資料に、科目別の履修者数を示したものがあり、
履修者数が400人を超えていたことを思い出した。自然科学系の授業であった。
また、少なからぬ「演習」の履修者数が、1~3人であることも思い出した。
こちらは、意図せざる「少人数教育」だが、これではゼミは成り立たない。
中には学生に「見捨てられ」てしまい、誰も寄り付かないゼミがあった。
要するに履修者ゼロ!
「ゼロゼミ」だ!
<続く>
<