連絡先:mkoskirr@gmail.com
■日大の大量の非常勤講師切り計画
日本大学本部が、授業科目の2割削減計画を作成し、これに基づいて各学部
に、非常勤講師担当科目の召し上げや外部委託を行うよう、要するに非常勤
講師の雇止め(やといどめ=契約を更新しないこと)を行うよう、指令を
出していたことが判明した。
3000人の非常勤講師を雇止めする計画だ!
教育的理由からではなく、入学者減少に伴う財政的理由からの計画であり、
さらには労働契約法18条――有期契約を反復更新して5年を超えた労働者の
無期契約への転換を認める条項――の適用を阻止するためである。
非常勤講師担当の1コマを廃止すると、人件費は年間で約40万円の節約に
なる。
いや、たった40万円の節約にしかならないというべきか。それでも、経営者
というのは、教育上の必要性を無視して、1円でも節約するために非常勤講師の
首を切るのである。その結果、大学教育に支障が生ずることなど、彼らの眼中
にはない。
この指令にしたがって、日大文理学部では英語科目の削減が、また設置されて
間もない危機管理学部では英語科目の外注等が実施されようとしている。
危機管理学部では、16名の非常勤講師(15名が専業の非常勤講師)の
雇止めが通告され、首都圏大学非常勤講師組合との団体交渉が行われており、
この問題は国会でも審議されている。
■かつて中央学院大学でも
2018年2月13日に、当組合と学校法人中央学院との団体交渉が行われた。
詳細は後日報告しよう。
その際、当組合は2012年に法学部で審議され、2013年から実施に
移された「カリキュラム改革」を議題にした。
この改革により、法学部に5つあるコースのうちの3コースの語学の必修
単位が、8から4に減らされ、さらに「EU法」等の廃止も決定され、合計52
コマが「節約」された。
これにより、何人もの非常勤講師が雇止めをされ、あるいは担当コマ数を減ら
された。
その一方で、法学部の「スポーツシステムコース」では、どさくさにまぎれて
「キッズスポーツ論」「トップスポーツ論」「ライフスポーツ論」等の法学教育
とは全く無縁な科目が新設された。
当組合が、このカリキュラム改革は、法人の資金運用の失敗を糊塗する「財政
再建」のためであり、さらには新学部設置に要する資金の捻出のためであったと
指摘すると、佐藤英明学長は、非常勤のコマを削っても、たいした節約になら
ないから、「赤字」や「財政再建」はカリキュラム改革の動機ではない、と主張
した。
■あんたの目は節穴か?
日大の例を見ればわかるであろう。財政が問題になれば、非常勤講師切りが、
一番手っ取り早いのである。たとえ少額でも、すぐにでも節約できるのはこれ
だからである。
佐藤学長さん、あんたの目は節穴か? 「倫理学」を授業するのもいいが、
全国の大学で行われていることや非常勤の解雇・雇止め事件に関する情報を
もっと集め、自分の頭で考えることが必要では!
カリキュラム改革に関する理事長指令が、人件費削減による財政再建を
掲げていたことを、あなたはどう説明するのかね!
また、この指令を受けて設置された「財政安定化協議会」主査である常務
理事が、「コア科目以外」は大胆に削減しろと命じていることを、あなたは
どう説明するのかね!
佐藤学長さん、そもそもあなたは商学部長として、椎名学長の下に組織
されたカリキュラム改革委員会のメンバーであったのでは! 何のためにカリ
キュラムの改革が行われたのか、よーくご存知のはずでしょ!
■非常勤講師の人件費のカットは簡単
さて、一般に人件費は固定費と言われ、景気の変動に左右されない。
大学の支出の半分以上は教職員にかかる人件費だ。
ただし、非常勤講師の人件費は、大学の支出の2~3%程度で、微々たる
ものだ。
当ブログで何度も指摘しているが、1コマ当たりの授業で比較すると、
専任教員には、非常勤講師の7倍もの人件費がかかる。
終身雇用の正規の教職員の人件費を削ることは容易ではない。解雇する
ことも、給与を削減することも、なかなかできない、法律によって彼らは
守られているからである。
しかし、非常勤の教職員の人件費なら、削減は比較的容易だ。彼らの
ほとんどは1年契約であり、解雇をしなくても、契約を更新しなければいい
からである。「解雇」ではなく、「雇止め(やといどめ)」というわけだ。
非常勤講師の抵抗を少なくするには、「カリキュラム改革」を理由として
契約を更新しないことが一番いい手だ。社会のニーズに大学が応えるために
必要な改革だ、などと主張すれば、非常勤講師の組合からの「介入」も排除
できる。「大学の自治」を隠れ蓑(みの)にできるからである。
■中央学院は債券投資で失敗
学校法人中央学院は、実は2000年代に「資金運用規則」を次々に改訂し、
リスクの高い債券を購入できるようにしていた。
こうして投資信託を20数億円買い入れたが―――そのほとんどは外国の
国公債(ソブリン債という)を内容とする投資信託――、円高に伴って、時価が
簿価(=購入した時の価格)を下回り、大あわてであった。
簿価割れは、カリキュラム改革の指令を出した2012年度には6億円を
上回り、2014年度には、6億9000万円にまでふくれあがった。
売れば損失が帳簿に現れてしまうため、売るに売れず「塩漬け状態」にして
いた。売れば責任問題に発展するからだ。
■カリキュラム改革指令
よほどの危機感を持っていたのであろう、法学部の定員割れを契機に、学校
法人中央学院は理事長名で、2012年5月に、カリキュラム改革指令を出し、
法学部教授会に、椎名市郎学長等が乗り込み、「赤字」宣伝を専任教員に吹き
込んだ。
いわく、定員割れで大学の財政はたいへんだ。支出の約6割は人件費だ。
大胆なカリキュラム改革を行え。
いわく、定員割れは、本学の教育、カリキュラムが、学生や保護者に支持
されていない証拠だ。だから、カリキュラムの改革が必要だ。
バカ言え。大学本体の支出に占める人件費の割合は54%程度にすぎず、
全国の大学の平均値に近く、中央学院大学は「優良企業」だ!
バカ言え。高校生の大半は、大学のカリキュラムを見て大学を選んでいる
のではない!
中央学院大学の当時の定員割れは、カリキュラムと全く無関係である。
定員割れには様々な要因があるが、椎名前学長のスポーツ大学化政策と、
決して無関係ではない。
こうして「赤字」宣伝によって「洗脳」された法学部専任教員は無謀な
カリキュラム改悪を行った。
先に述べたように、法学部の外国語教育は破壊され(3コースでの語学
必修単位は4単位で全国最低!)、専門の法律科目もたくさん廃止され、
また「スポーツシステムコース」では、法律科目をたった16単位(=4科目)
取得するだけで法学士となれるようになった(全国唯一!)。
さらに「現代社会と法コース」では、法律科目を20単位取得するだけで
法学士となれるようになった。
■大学基準協会の指弾
その結果、2015年には、大学基準協会から、中央学院大学は、教育が
なっていない――専門的用語でいうと「内部質保証」が不十分である――と、
指弾されることにあいなった。
特に槍玉にあげられたのは、法学部の「スポ―ツシステムコース」である。
法学を学ばずして卒業できるようになっている。法学教育の目標とこのコースの
目標とは一致していない、との根本的問題を指摘され、改善勧告が出されている。
すでに法律専門科目を16単位取得しただけの法学士が「生産」されている。
その責任は、いったい誰がとるのかね!
■日大の大量の非常勤講師切り計画
日本大学本部が、授業科目の2割削減計画を作成し、これに基づいて各学部
に、非常勤講師担当科目の召し上げや外部委託を行うよう、要するに非常勤
講師の雇止め(やといどめ=契約を更新しないこと)を行うよう、指令を
出していたことが判明した。
3000人の非常勤講師を雇止めする計画だ!
教育的理由からではなく、入学者減少に伴う財政的理由からの計画であり、
さらには労働契約法18条――有期契約を反復更新して5年を超えた労働者の
無期契約への転換を認める条項――の適用を阻止するためである。
非常勤講師担当の1コマを廃止すると、人件費は年間で約40万円の節約に
なる。
いや、たった40万円の節約にしかならないというべきか。それでも、経営者
というのは、教育上の必要性を無視して、1円でも節約するために非常勤講師の
首を切るのである。その結果、大学教育に支障が生ずることなど、彼らの眼中
にはない。
この指令にしたがって、日大文理学部では英語科目の削減が、また設置されて
間もない危機管理学部では英語科目の外注等が実施されようとしている。
危機管理学部では、16名の非常勤講師(15名が専業の非常勤講師)の
雇止めが通告され、首都圏大学非常勤講師組合との団体交渉が行われており、
この問題は国会でも審議されている。
■かつて中央学院大学でも
2018年2月13日に、当組合と学校法人中央学院との団体交渉が行われた。
詳細は後日報告しよう。
その際、当組合は2012年に法学部で審議され、2013年から実施に
移された「カリキュラム改革」を議題にした。
この改革により、法学部に5つあるコースのうちの3コースの語学の必修
単位が、8から4に減らされ、さらに「EU法」等の廃止も決定され、合計52
コマが「節約」された。
これにより、何人もの非常勤講師が雇止めをされ、あるいは担当コマ数を減ら
された。
その一方で、法学部の「スポーツシステムコース」では、どさくさにまぎれて
「キッズスポーツ論」「トップスポーツ論」「ライフスポーツ論」等の法学教育
とは全く無縁な科目が新設された。
当組合が、このカリキュラム改革は、法人の資金運用の失敗を糊塗する「財政
再建」のためであり、さらには新学部設置に要する資金の捻出のためであったと
指摘すると、佐藤英明学長は、非常勤のコマを削っても、たいした節約になら
ないから、「赤字」や「財政再建」はカリキュラム改革の動機ではない、と主張
した。
■あんたの目は節穴か?
日大の例を見ればわかるであろう。財政が問題になれば、非常勤講師切りが、
一番手っ取り早いのである。たとえ少額でも、すぐにでも節約できるのはこれ
だからである。
佐藤学長さん、あんたの目は節穴か? 「倫理学」を授業するのもいいが、
全国の大学で行われていることや非常勤の解雇・雇止め事件に関する情報を
もっと集め、自分の頭で考えることが必要では!
カリキュラム改革に関する理事長指令が、人件費削減による財政再建を
掲げていたことを、あなたはどう説明するのかね!
また、この指令を受けて設置された「財政安定化協議会」主査である常務
理事が、「コア科目以外」は大胆に削減しろと命じていることを、あなたは
どう説明するのかね!
佐藤学長さん、そもそもあなたは商学部長として、椎名学長の下に組織
されたカリキュラム改革委員会のメンバーであったのでは! 何のためにカリ
キュラムの改革が行われたのか、よーくご存知のはずでしょ!
■非常勤講師の人件費のカットは簡単
さて、一般に人件費は固定費と言われ、景気の変動に左右されない。
大学の支出の半分以上は教職員にかかる人件費だ。
ただし、非常勤講師の人件費は、大学の支出の2~3%程度で、微々たる
ものだ。
当ブログで何度も指摘しているが、1コマ当たりの授業で比較すると、
専任教員には、非常勤講師の7倍もの人件費がかかる。
終身雇用の正規の教職員の人件費を削ることは容易ではない。解雇する
ことも、給与を削減することも、なかなかできない、法律によって彼らは
守られているからである。
しかし、非常勤の教職員の人件費なら、削減は比較的容易だ。彼らの
ほとんどは1年契約であり、解雇をしなくても、契約を更新しなければいい
からである。「解雇」ではなく、「雇止め(やといどめ)」というわけだ。
非常勤講師の抵抗を少なくするには、「カリキュラム改革」を理由として
契約を更新しないことが一番いい手だ。社会のニーズに大学が応えるために
必要な改革だ、などと主張すれば、非常勤講師の組合からの「介入」も排除
できる。「大学の自治」を隠れ蓑(みの)にできるからである。
■中央学院は債券投資で失敗
学校法人中央学院は、実は2000年代に「資金運用規則」を次々に改訂し、
リスクの高い債券を購入できるようにしていた。
こうして投資信託を20数億円買い入れたが―――そのほとんどは外国の
国公債(ソブリン債という)を内容とする投資信託――、円高に伴って、時価が
簿価(=購入した時の価格)を下回り、大あわてであった。
簿価割れは、カリキュラム改革の指令を出した2012年度には6億円を
上回り、2014年度には、6億9000万円にまでふくれあがった。
売れば損失が帳簿に現れてしまうため、売るに売れず「塩漬け状態」にして
いた。売れば責任問題に発展するからだ。
■カリキュラム改革指令
よほどの危機感を持っていたのであろう、法学部の定員割れを契機に、学校
法人中央学院は理事長名で、2012年5月に、カリキュラム改革指令を出し、
法学部教授会に、椎名市郎学長等が乗り込み、「赤字」宣伝を専任教員に吹き
込んだ。
いわく、定員割れで大学の財政はたいへんだ。支出の約6割は人件費だ。
大胆なカリキュラム改革を行え。
いわく、定員割れは、本学の教育、カリキュラムが、学生や保護者に支持
されていない証拠だ。だから、カリキュラムの改革が必要だ。
バカ言え。大学本体の支出に占める人件費の割合は54%程度にすぎず、
全国の大学の平均値に近く、中央学院大学は「優良企業」だ!
バカ言え。高校生の大半は、大学のカリキュラムを見て大学を選んでいる
のではない!
中央学院大学の当時の定員割れは、カリキュラムと全く無関係である。
定員割れには様々な要因があるが、椎名前学長のスポーツ大学化政策と、
決して無関係ではない。
こうして「赤字」宣伝によって「洗脳」された法学部専任教員は無謀な
カリキュラム改悪を行った。
先に述べたように、法学部の外国語教育は破壊され(3コースでの語学
必修単位は4単位で全国最低!)、専門の法律科目もたくさん廃止され、
また「スポーツシステムコース」では、法律科目をたった16単位(=4科目)
取得するだけで法学士となれるようになった(全国唯一!)。
さらに「現代社会と法コース」では、法律科目を20単位取得するだけで
法学士となれるようになった。
■大学基準協会の指弾
その結果、2015年には、大学基準協会から、中央学院大学は、教育が
なっていない――専門的用語でいうと「内部質保証」が不十分である――と、
指弾されることにあいなった。
特に槍玉にあげられたのは、法学部の「スポ―ツシステムコース」である。
法学を学ばずして卒業できるようになっている。法学教育の目標とこのコースの
目標とは一致していない、との根本的問題を指摘され、改善勧告が出されている。
すでに法律専門科目を16単位取得しただけの法学士が「生産」されている。
その責任は、いったい誰がとるのかね!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます