「11月6日(月)」
「自転車屋の生き物歳時記」
「植物編」
「ゲッカビジン」
昨夜
我が家のベランダにある
ゲッカビジンが2つ咲いていた。
ゲッカビジン
(月下美人、学名: Epiphyllum oxypetalum、
英名: Dutchmans pipe cactus, A Queen of the Night)は、
メキシコの熱帯雨林地帯を原産地とする、
サボテン科クジャクサボテン属の常緑多肉植物である。
日本で多く流通している
クジャクサボテン属(Epiphyllum属)には交配種が多いが、
これは原産地からそのまま導入された原種である。
絶滅のおそれのある
野生動植物の種の国際取引に関する条約
(通称: ワシントン条約)の附属書IIの適用対象である。
月下美人は
「ナイトクイーン」という別名があり、
夜の間だけ咲くという性質がある。
透けるように白くて美しい花を女性に例え、
「月下美人」と名付けられた。
葉状茎の丈が
1mから2mにまで達するとつぼみの形成が見られる。
花は、夜に咲き始め翌朝までの一晩でしぼみ、
めしべに他家受粉が起きなければ散ってしまう。
花冠は20-25cm程度であり、白い。
香りが強いこと、夜間開花すること、
小型哺乳類の訪花に耐える強度を持つこと、
花粉と花蜜が虫媒花よりも多いこと、
それらは生態学的に送粉シンドロームの
コウモリ媒花の特徴に一致する。
これは原産地の新大陸の熱帯地域において
花蜜食・花粉食を示す一部のヘラコウモリ科の
小型コウモリ類媒介受粉への適応と考えられている。
ゲッカビジンは
日本での栽培下では6~11月に咲き、
この季節に株の体力が十分に回復すれば
2~3ヵ月後にもう一度咲くことができる。
つぼみは初期は垂れ下がっているが
開花直前になると自然に上を向いて膨らみ、
夕方に芳香を漂わせはじめる。
これも
コウモリがホバリングをしながらやや下を向き、
舌を伸ばして花蜜と花粉を摂食する行動との
共進化と考えられている。
開花中の花、開花後のしぼんだ花ともに食用にでき、
咲いている花は焼酎につけると保存できる。
台湾ではスープの具として使われる。
茎のほとんどは昆布状の扁平な葉状茎になっており、
またしばしば株元から細長い鞭状の茎を伸ばす。
葉状茎の縁は波打っており、
その凹部のくぼんだ点に産毛状に退化した刺
(これが真の葉)を持つ刺座
(サボテン科特有の点状にまで短縮した短枝)
が位置する。
成長点はここと茎頂にあり、
これらの箇所から新しい茎(長枝)やつぼみが生じる。
古くから日本に普及していた株は、
原産地から導入されたたった1つの株から
挿し木や株分けで増やされた同一クローンであり、
受粉に際して自家不和合性を示す特性があるため
人工授粉してもほとんど果実が実ることはなかった。
しかし
1980年代に東京農業大学の研究グループが
原産地から野性の別のクローンを持ち帰り、
増殖、普及させたため
今日では複数のクローンが幾つもの園芸業者によって
国内流通しており、
これらの間でコウモリに代わって
人間が人工授粉してやれば
容易に成熟した果実が得られる。
成熟した果実は
表面が赤く内部の果肉は白くて
黒い胡麻状の種子が数多く散在し紡錘形で大きく、
近縁種である同じ熱帯雨林原産の着生サボテンである
ドラゴンフルーツに似た外見を持ち甘い。
そのため古くから
日本で栽培されてきたもの以外の
クローンを園芸業者が販売する際、
家庭用果樹として宣伝し
「食用月下美人」の商品名をつけることが多い。
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