参考(^^)、
http://toyokeizai.net/articles/-/135542?display=b
日本株の上昇は岐路に差し掛かっている。「2つの指標」を見れば、それはわかるという(まちゃー/PIXTA)
9月9日のNYダウは前日比394ドル安と大幅に下落しました。12日以降の日本株も、それなりの値動きになりそうです。
さて、今、日本株の騰落(値動き)を決めている要因は何でしょうか。実はある2つの指標をみているとわかるのです。初心者の方にはぜひ覚えていただきたいと思います。結論から言えば、株価の騰落を決めるのは「ボラティリティー」(変動率)と「空売り比率」(空売りとは、株を借りて売却し、値下がりした時点で買い戻すことで利益を得る手法)の2つの指標です。
経験の長い投資家の中には、違和感を覚えられる方もいるかも知れません。しかしマイナス金利導入(2月16日)以降の保ち合い相場における株価の騰落、天底に対して説明力が高いのは、この2指標なのです。
今の「堅調相場」は変動率の低さに支えられている
詳しく見てみましょう。今年に入ってからの「月次ベースの日中変動率」{(高値―安値)/終値}の平均と、「月末比較の日経平均株価の騰落率」を以下に示してみました。通常、ボラティリティー・インデックス(VI)はオプション価格をもとに算出しますが、ここでは現物市場の日中値幅(高値ー安値)をベースに算出しています。理由は、現物市場の指標の方が分かりやすく、しかもVIとの連動性も高いことによります。
(変動率と株価の騰落率)
変動率 騰落率
2016年01月 2.53% -7.96%
02 2.55 -8.51
03 1.43 +4.57
04 1.96 -0.55
05 1.42 +3.41
06 1.98 -9.63
07 1.42 +6.38
08 1.03 +1.92
どんなことが読み取れるでしょうか。変動率が高い水準にあるか、前月との比較で変動率が大きく上昇した場合には例外なく、株価は下落しています。即ち、「高いボラティリティー」あるいは「ボラティリティーの前月比較での上昇」は、株価下落と同義であるといってもいいくらいです。
逆に3月、5月、7月、8月のようにボラティリティーが前月比で大きく低下した場合は株価が上昇しています。9月8日までの1カ月で算出すると、ボラティリティーは一段と低下し、1カ月平均の変動幅は137円まで低下しました。これは2015年3月9日の130円以来、1年半ぶりの値動きの低さです。
変動率に換算しても、0.82%で、今年最低水準にあります。ボラティリティーの低下が堅調相場の一因となってきましたが、低下もほぼ限界に近付いており、今後のボラティリティーの上昇には注意が必要です。
参考までに、昨年からの四半期別の変動率と騰落率もチェックしておきたいと思います。
(四半期別の変動率と株価の騰落率)
変動幅 変動率 騰落率
2015年01~03月 188円 1.04% +10.06%
04~06 167 0.84 + 5.36
07~09 309 1.59 -14.07
10~12 221 1.16 + 9.46
2016年01~03月 360 2.14 -11.95
04~06 294 1.80 - 7.06
07~09 188 1.14 + 8.88
(注)2016年7月~9月期は9月8日までのデータ
やはり、四半期データでみても、月次と同様の展開となっています。足元では変動率が大きく低下し、底に近付いていると想定されるだけに、日々の日中値幅のチェックは欠かせません。
空売り比率と株価の天底はリンクしている
空売りのほとんどは、51単位(1単位は日経平均の1000倍の価格、約1700万円)以上の大口の取引によるものです。当然のことながら、主たるプレイヤーは海外勢だと思われます。
空売り比率が高いということは、海外投資家の売り越しを意味し、
相対的に低い空売り比率は、少なくとも海外投資家は売り越していないし、買い越している可能性が高いという推定が働きます。
新年度入り後の空売り比率(5日平均)と日経平均株価の「天・底」(天井と底値)を以下に示しました。これを見る限り、
空売り比率のピーク前後で株価は底入れし、
空売り比率のボトムで株価が天井
を打っていることは明らかです。
空売り比率 株価の底 空売り比率 株価の天井
のピーク のボトム
4/07 42.1% 4/06 1日前 4/25 34.9% 4/22 1日前
5/11 40.3 5/06 3日前 5/30 38.2 5/31 1日後
7/08 42.4 7/08 同日 7/22 38.1 7/21 1日前
8/05 42.5 8/03 2日前 8/15 39.8 8/12 1日前
8/24 43.3 8/26 2日前 9/07 36.4 9/06 1日前
ここから分かることは、
空売り比率がピークを付ける3日前までに株価は底打ちし、
空売り比率が底入れした前日に過去4回では例外なく株価は天井
を打っていることになります。今回も空売り比率(5日平均)の底の1日前に株価は天井を打った感があり、データは生きているということだと思われます。
ボラティリティーの低下、空売り比率の低下とともに続いてきた堅調相場は佳境に差し掛かっており、少なくとも新規の買いは控えるタイミングだと考えられます。