一條大蔵卿 比べ

新橋演舞場に
三月花形歌舞伎の二部を観にいきました
「一條大蔵譚」いちじょうおおくらものがたり
「二人椀久」ににんわんきゅう

花形ということは、若い人中心ということですね

染五郎の一條大蔵卿を観たいと思ったの

ちょうど、昨年末に
吉右衛門の大蔵卿を観たところで
染五郎が、松竹の機関紙で
・・曽祖父が得意とした役で、受け継ぎたいと・・
・・叔父の・・そっくりにできることを目指そうと・・

と語っていたのです


写真の右が吉右衛門で
左が染五郎
当たり前ですがそっくりです


染五郎は良かったと思いますが少し固いでしょうか

吉右衛門のやわらかな上品さとか
長いすの上で、転びそうになって、それが楽しくて繰返すところや
長いすの上で、興にのるところ、落ちるところ
すべてがスムースで
観てるだけで笑ってしまう表情とかがなんとも楽しかったので
やはり、段違い

まあ止むをえませんね
でもきっと１０年もしたら、そっくりになって
２０年したら、個性になることでしょう


そうそう、ハプニングがあったんですよ

大蔵卿が見栄を切るところ（写真の場面）で
扇子を落としてしまい
足元に落ちたので、すばやく取って決めましたが
一番の見せ所ですから、本人が一番がっかりしてるでしょう
怪我の後遺症か？と本当にびっくりしました


そこで４０分の幕間
お弁当（美味しかった）食べて
売店でアズキもなかアイスを買って食べました




「二人椀久」は染五郎と菊之助による舞踊劇
若いときは舞踊劇が退屈だったけど、今はむしろ好き

染五郎が恋に狂った若者で、花道からひそやかに出て、
コミカルな大蔵卿と打って変わった二枚目姿が、美しい～

しかし、菊之助が傾城の幻として現れると
まさに、この世のものとも思われない美しさ
すっかり目が釘付け～

演出も良くて、くるくるって奈落に消えていくとこが、すばらしくて
掛け声もいっぱいでしたが、わたしも「素敵～」と（実際は声は出ない）


と、いうことで
今後は迷わず
「ひいきは菊之助です」と言おうと思います