「週刊現代」8月6日号から
「週刊現代」8月6日号に、山本太郎氏のインタビューが掲載されました。そこに「反原発」の行動を決断するにいたる彼の思いが率直に語られています。
「3・11以降、眠れない日々が続きました。本心では、原発は危険だと声を上げなければならないと思っている。でも、その時にはまだ俳優を辞めてまで行動を起こす覚悟もなかった。心の中で葛藤する日々。
文科省が、子どもの年間被曝量を20㍉シーベルトと定めた時、国は本気で子どもたちを見殺しにすることを決めたんだと確信したんです。目先の利益を優先、そのためなら国民が犠牲になっても仕方ないという日本政府の姿勢に、激しい怒りを覚えました。だが、自分は?生活のためと上げるべき声を上げていないではないか。… 覚悟はあるのか? と自問自答。結局、『反対』『黙ってテロ国家日本の片棒担げぬ』と書いてしまった。数値をごまかし、世界の共有財産である海や空にこっそり汚染物質をばら撒く国を許せなかったんです。
はじめて『宣戦布告』した瞬間、せきを切ったように涙があふれました。何かを失うかも知れぬ不安、後悔の涙じゃない。これまで、ほんとうの自分を押さえつけ、言うべきことを言えずにいた。声を上げた瞬間の涙は、本当の自分を取り戻した、解放の涙でした。
俳優としてではなく、人間としての自分の本心が言えぬなら、そんな嘘くさい人生など生きても仕方ないと思ったんです。
「僕がドラマ降板についてツイッターで公表したのは、芸能人が反原発を叫ぶと、生活が脅かされる事実が確かに存在するということを、大勢の人々に知らせたかったからです。…
魂をわしづかみにされる
「とりあえず、自分と同じ思いを持った人々が集まるところに行こうと、4月10日、初めて高円寺でデモに参加したんです。正直言って、初めはデモをやったところで、何かが変わるなんて思ってもいませんでした。
しかし、いざその中に身を置いてみると、魂をわしづかみにされるような熱いものを感じました。同じ思いを持った人たちが繋がり、同じ考えを確認し合える場所。
芸能人も、放射能は怖いし、小さな子どもがいる人だっている。原発問題に対して「このままでいい」と思っている人は少ないはずです。でも、その気持ちと正面から向き合わず、ごまかしてしまう。皆、守りたいもの、守りたい人を持っているわけで、原発について自分の考えを言えずに沈黙してしまっても、それを僕が責める権利はありません。…
核による発電の危険性
「8年前、環境NGOグリーンピースのホームページを見たんです。そこで初めて、核による発電の危険性を知りました。使用済み核燃料の適切な処理方法は見つかっておらず、課題を未来へと先送りしている、と。
でも、原発の運転は技術大国日本なのだから、万全を期しているだろうと疑いもしなかった。僕自身、安全神話に乗っかって、根拠のない信頼を寄せていたんです。
しかし、3・11以降の惨状を見て、自分の認識の甘さを痛烈に思い知らされた。危険性をうすうす知っていながら、何も声を上げられなかった自分自身を許せませんでした。…
命が犠牲になる前提の発電などありえない。
僕はもう、覚悟を決めています。前を向いて進むだけです。」