真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

P.ジョンソン 『チャ-チル - 不屈のリ-ダ-シップ』 (山岡、高遠訳 2013年)ボースンチェアの謎

2013-08-21 | 読書-歴史
チャ-チル - 不屈のリ-ダ-シップ
ジョンソン,ポール【著】〈Johnson,Paul〉/山岡 洋一/高遠 裕子【訳】/野中 郁次郎【解説】
価格 \1,890(税込)
日経BP社
(2013/04発売)

原書は2009年で著者は実際にチャーチルに会ったことがある1928年生まれの歴史家らしい(新世界読書放浪)ということで、今日的記述に今日的訳文。
「ビジネス書の位置づけなのかもしれんが」と鋭いご指摘で。

鰐部 祥平氏評
そうそう!
経営学の大先生の有難い講釈が漏れなくついていて、ビジネスマン諸兄姉に嬉しい(棒)。
ああ有難い…。
 
<吉例:シュミのあら捜し>
チャーチルは
オナシス所有の豪華ヨット(駆逐艦の転用)
で8度航海に出ており、地中海の海岸で、岩だらけの崖から海岸に降りると言い張り、戻れなくなって「甲板長のイス」に縛り付けられ、同乗の客に引っ張り上げてもらう羽目になったことがある。
というくだりがある。

道楽用の船は、セールなんかなくても、元軍艦であっても、あちらでは「ヨット」と言われるのだそーで。
…というのは先刻皆さんご存じね。

それと、「甲板長のイス」ってなんだよ、と思わなかった?
おそらく、原文(南面堂は参照していない)は boatswain chair とか boatswain's chair(またはbosun's chair)とか書いてあったに違いないと睨む。ぎろり。

んで、「boatswain(読み方注意)は甲板長だから、その人のイスだ」と思ったな、さてはw
海事用語辞典の類に載っているのかどうか知らないが、ボースンチェアーというのは、百聞は1/100見なのだが、
無理に言葉で説明すれば、「空中作業用にロープで人を吊下げる際にお尻を乗せる横板」とでもいったオモムキの道具(ぶらぶらさせないブランコ)であって、船などに備えつけられている。

boatswain 〔商船の〕甲板長、〔軍艦の〕掌帆長

チャーチルが吊り上げて船に回収してもらった装置の適切な訳語は、「甲板長のイス」ではなくて、「ボースンチェア(作業用ブランコ)」とでも記載すべき事例だったといえよう。

これは、ウミライオンや、ウミカワウソに通じる!

これがボースンチェアだ!
boatswain chair
船関係に限らず、ビルメン業界で、ゴンドラよりもこじんまりと、一人を吊り下げて窓拭きができる、と。

なにせ、suspend a personだかんね。一人ずつなのだわ。
A boatswain's chair (or bosun's chair) is a device used to suspend a person from a rope to perform work aloft.

さすが。
勉強熱心な翻訳者の茶房マスター氏はご存じだった。

HOME>製品紹介> ポケット付きの豪華版(作業するために上がるので、手元に工具などが要るのよ)
DXボースンチェアー

なるほど!
ご商売の作業系諸氏なら腰のベルトに装着した工具入れがあるけれど、それほど大型でないヨット関係はそんなものないので、ボースンチェアにポケットが漏れなく付いていると、これはベンリ、とw

日本のビルメン業界ではブランコと呼ばれるらしい。

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