30年ぶりに再放送されたNHKドラマ「エトロフ遥かなり」を狂喜乱舞しながら(もののたとえだってば)観た件の後編。
☆会話場面のセリフのおしゃれ度が素敵!
あらためて気づいたのだが、佐々木氏がいつも登場キャラに語らせるテンポの良い洒落た会話(これは、後年の警察小説でも「道警の刑事がそんなおしゃれな会話するのかね?」というw)が、ドラマでそのまま採用されている場面が数多くあったのが印象深い。
改変すればダサくなるだけなので、そのままが最高と判断されたのだろうな。
☆TVドラマ固有の場面追加による余韻増し効果!
冒頭のエトロフ島民の北海道引揚げ(1947年。実質は追放)や、エンディングのビザなし渡航団の出発場面は、ドラマで追加されたシーン。
渡航団の出発場面は本編出演俳優(対決した永澤俊矢、阿部寛両名)が、その子や孫を演じるという愉快さ
~1941年11月に駅逓の女取扱人<演:沢口靖子>が懐妊し(1942年に)生まれた少年が1947年引揚げ、平成に至り50代の中高年男性になり<演:永澤>、亡母から託されたハモニカを持って渡航団に参加。
1941年に島にやってきた米スパイのケニー斉藤<演:永澤>と対決した男前辺境離島左遷海軍中尉<演:阿部>の孫が、渡航団の乗船手続きを行う根室支庁職員<演:阿部>!
これで余韻マシマシにw
さらに原作者による『わが夕張 わがエトロフ』を読むと一段と感慨深い。
佐々木氏の(父君以外の)ご家族は実際に1947年にエトロフから北海道に引揚げられたし、佐々木氏ご自身もジャーナリストビザでのエトロフ渡航(旧ソ連時代)や元島民の家族としてビザなし渡航団への参加歴(ソ連崩壊後)があるそうなので。
★ドラマ固有の場面でセリフの矛盾?
原作の米海軍情報部ウォード女史(本職は日本学者~教授の給与を補償するために中佐待遇とされた旨説明される)—(グーフボールこと)テイラー少佐が、ドラマでは
テイラー中佐ーウォード少佐、と逆転されている(なぜ?)ことと関係あるかもしれないが、東京サイドの役を演じた米人俳優らが、いくら台本にそう書いてあったからといって、海軍情報部のスパイの元締めの話だと知りながら(=海軍軍人の階級への言及だと承知しながら)「Major Tailor(テイラー陸軍少佐)なら、その情報(奇想天外な奇襲計画あり)の重要性を見逃さないはず」などと電話で言い交すのは奇妙奇天烈。
日本語字幕は「テイラー中佐なら・・・」。
翌日のパーティで耳打ちする原作のステップを省略したようなのだが、いささか乱暴すぎたんじゃないかね?
日本側が盗聴している筈の大使館の電話でそのような機微な会話を行わせる脚本が<いくら”盗聴されていないな”というセリフを挿入しても>そもそもどうか、なのだが。
(30年前は気付かなかったわ)
ドラマで場面が米西海岸に変わり、「テイラー中佐ーウォード少佐」のコンビが、殺人現場で確保し基地まで連れてきた斉藤を尋問し(警察に引き渡さないのと引き換えに)スパイ任務を引き受けて日本に潜入するよう迫るシーンでは、
「Lieutenant Commanderのウォードです」「Commanderのテイラーだ」と告げるんだよね。(このくだりは日本語字幕と一致)
東京のコンビはMajor Tailorと言ってたじゃん(日本語字幕は中佐だったけど)。
Lieutenant Commander(海軍少佐)に呼びかける/言及する他人がCommanderと呼ぶことならおかしくないが、それとはまったく異なる。
さらに、東京で米国人同士(潜入してきた日系人スパイのケニー斉藤と現地サポート役のスレンセン牧師)が日本語で密談するのも奇妙!
ケニーはスペイン(内戦時に国際義勇兵)や米本土・ハワイではちゃんと(棒読み風だけど)英語使っていたのに。
「ぶっきらぼうに話す人」を演じたので、棒読み風の英語セリフでも違和感なかったけどw
なお、米国人を含むすべての登場人物が距離をキロメートルで考えているのは原作どおり(変だと思うけど)。
海軍軍人は距離を海里、速度はそれとセットでノットではないのかしら。
◇ところで、スレンセン牧師役のロニー・サンタナとは?
顔出てないのだが、声はそうだよね!
顔あった→サンタナ ロニー
俳優、ナレーターに不動産ブローカー。選挙にも出たことあんのか。ふうん。
ABOUT | RightIsStillRight
2008年連邦下院議員選では(民主党の牙城の加州の選挙区で)共和党候補になったのか。2010年は予備選で敗退と。
ロニー・サンタナ - テレビドラマ人名録 けっこう出てたじゃん。知らなかったわ。
◇ドラマロケ地云々などというサイトは当時なかったよね。
エンドロールの「撮影協力」に出てきた団体等を検索したので貼っておくね。
それらのうちどこにも行ったことがないので、「あれはあそこだよね。知ってる!」「この旧館の建物は・・」と言えない…
学校法人恵泉女学園 - Wikipedia
沿革 | 東京・目白の男子大学生寮 和敬塾
神学校紹介 | 学校法人聖経学園 日本聖書神学校
開拓の村とは | 北海道開拓の村
奥行臼駅逓所 | 北海道Style
水交会(日本海軍関係)と並んで資料提供の富川伸氏とは
元島民インタビュー(H12) 富川伸さん 択捉島 紗那村 紗那
〇ちょうどこんな記事がでたので貼るわ↓(あの人は今、的な?)
◇あの無線機はどんな経緯で誰が作ったかとか
↑同感の嵐!
無線機製作の経緯はちゃんと製作者経歴を明記してあって、「(戦時中の経歴の一部が小説のキャラと似ていて、戦後に仲間と興した会社が誰もが知る世界的大企業となった)あの著名経営者とは別人ですよ!」とさりげなく強調されている。
だが、たまたま(笑)苗字が一緒だという点のみを以て、早とちりした読者が勝手に結び付けてニヤリとすることは妨げないという凝った作り。
なお、当時の真空管ラジオは、電源を入れてもすぐに音は出なかったのよ。
なのに、ドラマだと電源投入するとすぐにニュースが流れるのは、まあ仕方ないのだろうねぇ。
音が出てくるまで一同黙ってラジオを睨みつける…などといった演出は無理だろうからね。
☆会話場面のセリフのおしゃれ度が素敵!
あらためて気づいたのだが、佐々木氏がいつも登場キャラに語らせるテンポの良い洒落た会話(これは、後年の警察小説でも「道警の刑事がそんなおしゃれな会話するのかね?」というw)が、ドラマでそのまま採用されている場面が数多くあったのが印象深い。
改変すればダサくなるだけなので、そのままが最高と判断されたのだろうな。
☆TVドラマ固有の場面追加による余韻増し効果!
冒頭のエトロフ島民の北海道引揚げ(1947年。実質は追放)や、エンディングのビザなし渡航団の出発場面は、ドラマで追加されたシーン。
渡航団の出発場面は本編出演俳優(対決した永澤俊矢、阿部寛両名)が、その子や孫を演じるという愉快さ
~1941年11月に駅逓の女取扱人<演:沢口靖子>が懐妊し(1942年に)生まれた少年が1947年引揚げ、平成に至り50代の中高年男性になり<演:永澤>、亡母から託されたハモニカを持って渡航団に参加。
1941年に島にやってきた米スパイのケニー斉藤<演:永澤>と対決した男前辺境離島左遷海軍中尉<演:阿部>の孫が、渡航団の乗船手続きを行う根室支庁職員<演:阿部>!
これで余韻マシマシにw
さらに原作者による『わが夕張 わがエトロフ』を読むと一段と感慨深い。
佐々木氏の(父君以外の)ご家族は実際に1947年にエトロフから北海道に引揚げられたし、佐々木氏ご自身もジャーナリストビザでのエトロフ渡航(旧ソ連時代)や元島民の家族としてビザなし渡航団への参加歴(ソ連崩壊後)があるそうなので。
★ドラマ固有の場面でセリフの矛盾?
原作の米海軍情報部ウォード女史(本職は日本学者~教授の給与を補償するために中佐待遇とされた旨説明される)—(グーフボールこと)テイラー少佐が、ドラマでは
テイラー中佐ーウォード少佐、と逆転されている(なぜ?)ことと関係あるかもしれないが、東京サイドの役を演じた米人俳優らが、いくら台本にそう書いてあったからといって、海軍情報部のスパイの元締めの話だと知りながら(=海軍軍人の階級への言及だと承知しながら)「Major Tailor(テイラー陸軍少佐)なら、その情報(奇想天外な奇襲計画あり)の重要性を見逃さないはず」などと電話で言い交すのは奇妙奇天烈。
日本語字幕は「テイラー中佐なら・・・」。
翌日のパーティで耳打ちする原作のステップを省略したようなのだが、いささか乱暴すぎたんじゃないかね?
日本側が盗聴している筈の大使館の電話でそのような機微な会話を行わせる脚本が<いくら”盗聴されていないな”というセリフを挿入しても>そもそもどうか、なのだが。
(30年前は気付かなかったわ)
ドラマで場面が米西海岸に変わり、「テイラー中佐ーウォード少佐」のコンビが、殺人現場で確保し基地まで連れてきた斉藤を尋問し(警察に引き渡さないのと引き換えに)スパイ任務を引き受けて日本に潜入するよう迫るシーンでは、
「Lieutenant Commanderのウォードです」「Commanderのテイラーだ」と告げるんだよね。(このくだりは日本語字幕と一致)
東京のコンビはMajor Tailorと言ってたじゃん(日本語字幕は中佐だったけど)。
Lieutenant Commander(海軍少佐)に呼びかける/言及する他人がCommanderと呼ぶことならおかしくないが、それとはまったく異なる。
さらに、東京で米国人同士(潜入してきた日系人スパイのケニー斉藤と現地サポート役のスレンセン牧師)が日本語で密談するのも奇妙!
ケニーはスペイン(内戦時に国際義勇兵)や米本土・ハワイではちゃんと(棒読み風だけど)英語使っていたのに。
「ぶっきらぼうに話す人」を演じたので、棒読み風の英語セリフでも違和感なかったけどw
なお、米国人を含むすべての登場人物が距離をキロメートルで考えているのは原作どおり(変だと思うけど)。
海軍軍人は距離を海里、速度はそれとセットでノットではないのかしら。
◇ところで、スレンセン牧師役のロニー・サンタナとは?
顔出てないのだが、声はそうだよね!
顔あった→サンタナ ロニー
俳優、ナレーターに不動産ブローカー。選挙にも出たことあんのか。ふうん。
ABOUT | RightIsStillRight
2008年連邦下院議員選では(民主党の牙城の加州の選挙区で)共和党候補になったのか。2010年は予備選で敗退と。
ロニー・サンタナ - テレビドラマ人名録 けっこう出てたじゃん。知らなかったわ。
◇ドラマロケ地云々などというサイトは当時なかったよね。
エンドロールの「撮影協力」に出てきた団体等を検索したので貼っておくね。
それらのうちどこにも行ったことがないので、「あれはあそこだよね。知ってる!」「この旧館の建物は・・」と言えない…
学校法人恵泉女学園 - Wikipedia
沿革 | 東京・目白の男子大学生寮 和敬塾
神学校紹介 | 学校法人聖経学園 日本聖書神学校
開拓の村とは | 北海道開拓の村
奥行臼駅逓所 | 北海道Style
水交会(日本海軍関係)と並んで資料提供の富川伸氏とは
元島民インタビュー(H12) 富川伸さん 択捉島 紗那村 紗那
〇ちょうどこんな記事がでたので貼るわ↓(あの人は今、的な?)
◇あの無線機はどんな経緯で誰が作ったかとか
↑同感の嵐!
無線機製作の経緯はちゃんと製作者経歴を明記してあって、「(戦時中の経歴の一部が小説のキャラと似ていて、戦後に仲間と興した会社が誰もが知る世界的大企業となった)あの著名経営者とは別人ですよ!」とさりげなく強調されている。
だが、たまたま(笑)苗字が一緒だという点のみを以て、早とちりした読者が勝手に結び付けてニヤリとすることは妨げないという凝った作り。
なお、当時の真空管ラジオは、電源を入れてもすぐに音は出なかったのよ。
なのに、ドラマだと電源投入するとすぐにニュースが流れるのは、まあ仕方ないのだろうねぇ。
音が出てくるまで一同黙ってラジオを睨みつける…などといった演出は無理だろうからね。