1 権力者の館(吉田茂 大磯御殿―政治も普請も道楽尽くす;吉田茂 目黒公邸―ワンマン好みの宮様の「光の館」;鳩山一郎 音羽御殿―人々を呼びこむ日だまりの丘 ほか)
2 権力機構の館(首相官邸 上―保守本流は住まず、保守傍流と平成流が住む館;首相官邸 下―秩序と安定と孤高の館に「魔性の力」は蘇るか;貴族院・参議院―議事堂に埋め込まれた変わらぬ天皇秩序 ほか)
3 政党権力の館(自由民主党本部―出入り自由、機能重視の「繁華街」;砂防会館―インフラ整備を背景に、党本部そして政権派閥の館へ;宏池会事務所―風化する保守本流の聖地 ほか)
2013年文庫化(こっちも在庫なし)
ちくま文庫
権力の館を歩く―建築空間の政治学
初出 毎日新聞2007/1/24~2010/3/31
ということで、新聞連載なので、どうしても当時の政治状況下での、その当時に沿ったコメントが目立つわけ。
1権力者の館=政治家の家(別荘の類を含む)の方が、お話的に読み易くて、2権力機構の館=首相官邸だとか、「機構」の建物になると、文章が固い感じになるような印象。
3政党権力の館=政党本部ビルは、ちょっと面白かった。田中角栄事務所の所在地だったと認識していた(ニュースにしばしば登場した)砂防会館(名前しか知らんけど)がそんな有為転変を経たのだと初めて知るなどした。
【砂防会館物語(中)】「今太閤」田中角栄首相を生んだ戦後政治史の舞台(1/4ページ)
前を通ったことがある、あるいは中まで行ったことがある場所や、詳述は避けるけど、うちの一族の複数の者が長年あるいは断続的に通っていた複数の場所も出てくるので、まあ、あれだわ。
(大正の初期~二次大戦後数年と、昭和末期~平成期)