真似屋南面堂はね~述而不作

まねやなんめんどう。創業(屋号命名)1993年頃。開店2008年。長年のサラリーマン生活に区切り。述べて作らず

きみはポポロ事件を知っていたか-『最高裁物語』(1994年刊)は掘り出し物でした

2009-04-28 | 読書-歴史
ポポロ事件そのものはこの際措くとして: wiki/ポポロ事件
本書中で取り上げられていたエピソードの中で、単に名前がかわゆいという目新しさだけで引用したのだろうと言われると、返す言葉もなにも、あーた(笑)。

閑話休題、裁判員制度の開始を控えて、戦後の最高裁の歴史を見つめてきたベテラン司法記者の目で(保守VS.リベラルの構図を強調しすぎの感もかなりあるが)説明してくれる労作は(15年前の作品とはいえ、それなりに)意義深いものといえませう。

ナントカ事件、カントカ事件といわれても、えーと、占領時代の機関車転覆事件は…、という感じだったのだが、最後の最後に最高裁に持ち込まれて決着がつく経緯を綴ったものなので、「へえ、松川事件って、そういう事件だったのか」など勉強になりました。
wiki/松川事件

文庫化された:『最高裁物語』(上/下)山本祐司著(講談社+α文庫)
品切重版未定

maromaro/感想の例

nippyo/最高裁物語(上)
第1章 敗戦
 ある会合
 天皇と裁判と司法の独立
 「処罰シ仮借スル所ナカルベシ」
 昭和維新下の大疑獄事件
 戦局下の裁判官魂
第2章 対決
 不吉なノロシ
 民主化の嵐
 「天皇問題」のハードル
 “理想主義者”オプラーの登場
 卒倒した細野長良
 キメ手は謀略電報
 大審院を去る影
第3章 最高裁あけぼの
 二人の参謀
 意気高い裁判官たち
 裁判官餓死事件の苦悩
 最初の大法廷判決
 屈辱
 干渉をはね返す
 病魔に誤判事件の追い討ち
 三渕の昇天
第4章 日本独立の事件簿
 荒れる法廷と“タカ派”田中長官
 信念の人・田中の履歴
 昭和27年に多発した公安事件群
第5章 少数意見の戦い
 激越な「補足意見」
 論客・真野と気骨の斎藤
 “謀略事件”のなかで
 真野の舌鋒は続く
 どちらがツルでどちらがカメか
第6章 謀略の影
 松川事件と広津和郎
 雑音に耳をかすな
 真犯人は誰か
 伊達判決を切り返す
 派閥を持たない明るさ
第7章 最高裁長官の謎
 “オポチュニスト”横田喜三郎
 戦後との決別
 右翼テロの横行
 反軍教授
 “現実重視”路線
 学問の自由・大学の自治
第8章 かりそめの全盛
 静かな革命
 刑事罰からの解放
 庶民の声と“大岡裁き”
 大勢は決した
第9章 照準を合わせたクーデター
 電撃的行動
 スチューデント・パワー
 リベラル派の全盛
 自民党の“宣戦布告”
 剣士の真髄
 「政治」の壁

nippyo/最高裁物語(下)
第10章 吹き始めた嵐
 “怒れる若者たち”の挫折
 嵐の前ぶれ
 石田コートの苦悩と決断
第11章 もう一つの決意
 輝く“逆転の発想”
 公害裁判の原点
 因果関係論の新機軸
 “イナカ医者”と大三井の闘い
 複合汚染を共同不法行為で断罪
 熊本・水俣病訴訟の新展開
 「怨」の告発と司法の追及
 雲間の光
第12章 激動
 最高裁の「思想基準」
 “ブルー・パージ”
 飯守長官を解任
 宮本判事補の再任を拒否
 司法研修所の“ザ・ロンゲストデー”
 再任拒否の真因!?
 最高裁の天王山
第13章 歴然たる勝敗
 永すぎる裁判の一刀両断
 “激動”の終焉
 尊属殺違憲判決のニュアンス
 最高裁の“春”は終わった
 自己採点は“満点”
第14章 惜別の青春
 “あの輝くような時代”
 新時代の人権感覚
 東京地裁裁判官の自負と底力
 岸と横川
第15章 仕事師集団
 寡黙な長官
 洗練された仕事師
 二度目の違憲判決
 誤判救済
 東大事件の後遺症
 苦渋の決定
 政府への怒り
 “人間裁判”へ厳しい判断
第16章 陽気な長官
 ショートリリーフ
 ロッキード事件と「不起訴宣明」
 陽気な長官のしたたかさ
 最高裁内部の“ゆるみ”
 やりきれない事件
 “クリスチャン”最後の抵抗
第17章 実力者
 “人間万事塞翁が馬”
 またしても“超法規的措置”
 弁護人抜き裁判特例法案の判決
 大法廷回附の“謀略”
第18章 落ちた偶像
 職権セックス事件
 裁判官「汚職」の構造
 不幸中の幸い
 “私は平凡な裁判官”
 『四畳半襖の下張り』の猥褻性!?
 大阪空港訴訟大法廷判決
第19章 宣戦布告
 多数派工作の達人・寺田
 政権党との対決
 補足意見に込められた「最後通告」
第20章 大物登場
 司法消極主義と“謙抑の美学”
 陸上勤務と艦隊勤務
 ミスター司法行政・矢口
 史上五度目の違憲判決
 伝統的保守路線
 35年ぶりの判例変更
 “法廷聖域論”と知る権利
 司法改革の総仕上げ
第21章 変革の時代
 先読みの草場長官人事
 最高裁のジレンマ
 変革の時代と最高裁
最高裁判所のあゆみ

最高裁判所調査官というのは、そういうことだったのね。実質的には彼らがね…。
wiki/最高裁判所調査官

wiki/歴代最高裁判所長官


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