トマホーク搭載の潜水艦を視野、「実験艦」新造を検討…防衛大綱に開発方針記載へ(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
というニュースもあるなどで、「潜水艦からミサイルを発射」は日本も他人事ではないのよね。
「潜水艦から飛行機を発艦させる」は日本が世界に先駆けて実現したけど、それはまた別の話。
U・ボート オペレーション・シーウルフ WOWOWオンライン
「映画と史実を比較対照してみましょう」的な記事が見当たらない(まだ出て来ない?)ので、仕方ない。
U546にV-1飛行ミサイルが搭載されたという事実はなかった(捕虜とした乗員に厳し~く尋問したけど)ようなのだが、映画では「いよいよミサイル発射態勢に!」というところで米艦の砲撃で阻止されまして、「ふぅ~危ないところでした」となる。
モデルとなったU546。
艦長のPaul Just大尉(2000年9月84歳没)はこういう人物
Kapitänleutnant Paul Just - German U-boat Commanders of WWII - The Men of the Kriegsmarine - uboat.net
写真は捕虜となってから米護衛空母USS Bogue艦内で撮影されたものね。
Dolph Lundgren演ずるCaptain(大佐) Hans Kessler(架空の人物?よくわからん)は、「WWIでも潜水艦に乗っていて、今般の特別任務のために艦隊司令に起用されました」という設定らしい。
ずいぶん具合悪そうだな(という演技)。ま、いいけど。
まるで艦長のように振る舞うのね。大尉の艦長(Andrew Stecker演ずるLt. Erich Reinhart)が格下げされて副長みたいに扱われとる。
Seewolf なるWolfpackは3回編成された。最終回1945年3月に編成されたのは
Wolfpack Seewolf - Wikipedia
敗色濃厚なドイツが残ったUボートで編成した艦隊で米本土にV1ミサイルを撃ち込む計画ありとの情報を得た米海軍の対抗作戦が
Frank Grillo演ずるCmdr. Race Ingramなる司令官は、Jonas H. Ingram - Wikipedia大将の苗字を借りました、ということ?
On November 15, 1944, Ingram was appointed Commander-in-Chief, United States Atlantic Fleet, with the rank of admiral. In this command he played a major role in assuring the steady flow of troops and materials to Europe across the Atlantic during the later phases of World War II. He also directed Atlantic Fleet efforts in containing and destroying the German U-Boat fleet.
ということで、事蹟はイングラム提督のものだよね。
Operation Teardropで米海軍はU546にUSS Frederick C. Davis - Wikipediaを撃沈されるが、僚艦が10時間追い回した末にU546を仕留める。
U546からは艦長ほか32名を捕虜にして尋問の結果、ミサイルは装備されていなかったことが判明。
場所は北大西洋(ニューヨーク間近などではないね)。
Hiram A. Murray演ずる黒人の駆潜艇(submarine chaser)長(Capt. Samuel L Gravely Jr.)が登場する。モデルは
それまで米海軍では、黒人兵は司厨員でしか登用されていなかったが、最初の兵科将校として任命されたうちの一人で、後年、中将まで昇る、と。
艇長(skipper)は大尉。黒人将兵で運用することを目指して同艇で訓練を重ねた。
Samuel L. Gravely, Jr.は当時は少尉として同艇に乗り組んでいた。
プロデューサーとHiram A. Murrayのインタビューだそうで
Steven Luke & Hiram A. Murray Interview: Operation Seawolf
あれか、 Dolph Lundgren(1957年11月3日生。空手家でもある)が潜水艦の艦長役を演じてみたいというので、史実を借りて作ってみました、みたいな感じか?
60歳過ぎた人物が潜水艦の艦長ですという訳に行かないので、その上官という役を創作しました、ってこと?
実際の潜水艦隊は、本国からデーニッツ提督が箸の上げ下ろしまでマイクロマネジしていたようだから、大佐を乗り込ませて云々ということは考えられないな。
撮影地
USS COD HOMEPAGE
歴史考証みたいな人はエンドロールに記載があったようだが、海軍用語の考証者はお願いしなかったのかな?
階級名と配置(役職)名の関係が滅茶苦茶なのよね。
海軍の場合、captainは大佐という階級(会社でいえば部長級かな)名であるが、一般的には「艦長」としても使われる(米海軍ではCO= commanding officerと表記)。
本作にはCaptain誰某が沢山出てくるのだが、「艦長」として使っている場合と、「大佐」の階級名として使っている場合が混在していて、日本語字幕作成者が全くついていけていない事態を招いている。これは原作が悪い。
日本語字幕担当者はcaptain をすべて「大佐」で処理することにしているが、どうなのかね。
冒頭の回想シーン、ケスラー大佐が若手将校としてWWIの潜水艦内で師匠格の艦長に指導を受ける。
ここでキャプテンと呼んでいるのは大佐ではなくて「艦長」だろう。
「いい大佐になれ」はひどい。お前は将来Uボートを率いる「艦長」になって頑張れと最後の激励なのだが、階級の話をしているのではないよ。
駆潜艇PC1264の黒人キャプテン(史実では白人の大尉が艇長で、黒人将校や下士官らを特訓中)への呼びかけが「大佐」はひどい。
「艦長」としてのキャプテンが使われている(「艦」よりも小さい「艇」なので、skipperと称していた筈。呼びかけは艇長の筈)。
あと、潜航中の潜水艦内でsurfaceに出よう云々との会話がなぜ「地上」や「地表」になるのか?
機械翻訳させたものをチェックしなかったのかな?ちゃんと海上や海面とした箇所と混在しているのも奇妙。
潜水艦狩り目的の護衛空母は大活躍したな
護衛空母ボーグ (USS Bogue)は日本の潜水艦も沈めた。ソノブイと音響追尾魚雷が使用された。
伊52潜撃沈の際のソノブイが拾った音響記録が教材として用いられていたということで、web上でも公開されていたが、今はどうかな?
最後にクシャッという、圧壊時の音まで拾っていたよ。
Japanese submarine I-52 (1942) - Wikipedia
というニュースもあるなどで、「潜水艦からミサイルを発射」は日本も他人事ではないのよね。
「潜水艦から飛行機を発艦させる」は日本が世界に先駆けて実現したけど、それはまた別の話。
U・ボート オペレーション・シーウルフ WOWOWオンライン
「映画と史実を比較対照してみましょう」的な記事が見当たらない(まだ出て来ない?)ので、仕方ない。
U546にV-1飛行ミサイルが搭載されたという事実はなかった(捕虜とした乗員に厳し~く尋問したけど)ようなのだが、映画では「いよいよミサイル発射態勢に!」というところで米艦の砲撃で阻止されまして、「ふぅ~危ないところでした」となる。
モデルとなったU546。
艦長のPaul Just大尉(2000年9月84歳没)はこういう人物
Kapitänleutnant Paul Just - German U-boat Commanders of WWII - The Men of the Kriegsmarine - uboat.net
写真は捕虜となってから米護衛空母USS Bogue艦内で撮影されたものね。
Dolph Lundgren演ずるCaptain(大佐) Hans Kessler(架空の人物?よくわからん)は、「WWIでも潜水艦に乗っていて、今般の特別任務のために艦隊司令に起用されました」という設定らしい。
ずいぶん具合悪そうだな(という演技)。ま、いいけど。
まるで艦長のように振る舞うのね。大尉の艦長(Andrew Stecker演ずるLt. Erich Reinhart)が格下げされて副長みたいに扱われとる。
Seewolf なるWolfpackは3回編成された。最終回1945年3月に編成されたのは
Wolfpack Seewolf - Wikipedia
敗色濃厚なドイツが残ったUボートで編成した艦隊で米本土にV1ミサイルを撃ち込む計画ありとの情報を得た米海軍の対抗作戦が
Frank Grillo演ずるCmdr. Race Ingramなる司令官は、Jonas H. Ingram - Wikipedia大将の苗字を借りました、ということ?
On November 15, 1944, Ingram was appointed Commander-in-Chief, United States Atlantic Fleet, with the rank of admiral. In this command he played a major role in assuring the steady flow of troops and materials to Europe across the Atlantic during the later phases of World War II. He also directed Atlantic Fleet efforts in containing and destroying the German U-Boat fleet.
ということで、事蹟はイングラム提督のものだよね。
Operation Teardropで米海軍はU546にUSS Frederick C. Davis - Wikipediaを撃沈されるが、僚艦が10時間追い回した末にU546を仕留める。
U546からは艦長ほか32名を捕虜にして尋問の結果、ミサイルは装備されていなかったことが判明。
場所は北大西洋(ニューヨーク間近などではないね)。
Hiram A. Murray演ずる黒人の駆潜艇(submarine chaser)長(Capt. Samuel L Gravely Jr.)が登場する。モデルは
それまで米海軍では、黒人兵は司厨員でしか登用されていなかったが、最初の兵科将校として任命されたうちの一人で、後年、中将まで昇る、と。
艇長(skipper)は大尉。黒人将兵で運用することを目指して同艇で訓練を重ねた。
Samuel L. Gravely, Jr.は当時は少尉として同艇に乗り組んでいた。
プロデューサーとHiram A. Murrayのインタビューだそうで
Steven Luke & Hiram A. Murray Interview: Operation Seawolf
あれか、 Dolph Lundgren(1957年11月3日生。空手家でもある)が潜水艦の艦長役を演じてみたいというので、史実を借りて作ってみました、みたいな感じか?
60歳過ぎた人物が潜水艦の艦長ですという訳に行かないので、その上官という役を創作しました、ってこと?
実際の潜水艦隊は、本国からデーニッツ提督が箸の上げ下ろしまでマイクロマネジしていたようだから、大佐を乗り込ませて云々ということは考えられないな。
撮影地
USS COD HOMEPAGE
歴史考証みたいな人はエンドロールに記載があったようだが、海軍用語の考証者はお願いしなかったのかな?
階級名と配置(役職)名の関係が滅茶苦茶なのよね。
海軍の場合、captainは大佐という階級(会社でいえば部長級かな)名であるが、一般的には「艦長」としても使われる(米海軍ではCO= commanding officerと表記)。
本作にはCaptain誰某が沢山出てくるのだが、「艦長」として使っている場合と、「大佐」の階級名として使っている場合が混在していて、日本語字幕作成者が全くついていけていない事態を招いている。これは原作が悪い。
日本語字幕担当者はcaptain をすべて「大佐」で処理することにしているが、どうなのかね。
冒頭の回想シーン、ケスラー大佐が若手将校としてWWIの潜水艦内で師匠格の艦長に指導を受ける。
ここでキャプテンと呼んでいるのは大佐ではなくて「艦長」だろう。
「いい大佐になれ」はひどい。お前は将来Uボートを率いる「艦長」になって頑張れと最後の激励なのだが、階級の話をしているのではないよ。
駆潜艇PC1264の黒人キャプテン(史実では白人の大尉が艇長で、黒人将校や下士官らを特訓中)への呼びかけが「大佐」はひどい。
「艦長」としてのキャプテンが使われている(「艦」よりも小さい「艇」なので、skipperと称していた筈。呼びかけは艇長の筈)。
あと、潜航中の潜水艦内でsurfaceに出よう云々との会話がなぜ「地上」や「地表」になるのか?
機械翻訳させたものをチェックしなかったのかな?ちゃんと海上や海面とした箇所と混在しているのも奇妙。
潜水艦狩り目的の護衛空母は大活躍したな
護衛空母ボーグ (USS Bogue)は日本の潜水艦も沈めた。ソノブイと音響追尾魚雷が使用された。
伊52潜撃沈の際のソノブイが拾った音響記録が教材として用いられていたということで、web上でも公開されていたが、今はどうかな?
最後にクシャッという、圧壊時の音まで拾っていたよ。
Japanese submarine I-52 (1942) - Wikipedia