学斗くんへ
4月14日……
桜が満開だった春爛漫時にこの世に
元気な姿で誕生してくれました。
産院の先生と看護師さんに……
帝王切開に又なるんですよね……
この子をお腹から出る瞬間を見ることは
できませんよね?
え?……それは……やめておいた方が
やっぱりあきませんか……では
お腹から出て産湯に浸ける前に即
そのままの姿を見せてください!!
わかりました。では、局部麻酔を腰に
うちますね。その24分後あたりに…
柔らかい紙に優しく包まれた学斗を
抱っこされ、わたしの目の前に看護師さんが
見せて下さりました。あ!やっぱり
男の子やった!!産声わずかに泣きながら
小さな天使のからだについていた血を
見て……そのままの姿を見せてもらえたんや
すごいなぁ……本当にありがとうございます。
その後の記憶は?覚えていません。
とても衝撃的でね。誕生するってこんな
すごい事でほんまに奇跡やなぁととても
嬉しかったです。そのお誕生日を迎える
2週間前に、車の衝突事故に見合ったり
つわりが始まりかけた頃、出勤前に雨降りで
亜未ちゃん抱っこしながら傘をさして
荷物を持ってまたあしながおじさんの
かかとの高い靴履いてしもて…階段から
足を踏み外して下まで背中から転げ落ち
亜未ちゃんは抱っこして守れたけれども
この子はもしかしたら?ダメかもしれん
どうしよう……目を瞑り雨が顔にポツポツ
と……助けを呼ぶ力なくて……上から
怒鳴り声が……下の方が……誰かぁ!!
救急車呼んでぇぇ〜〜〜って叫びながら
わたしの背中にお座布団を敷いてくれはった
その感触は未だしっかりと覚えている。
運搬先の病院で……大変だったね!!
お腹の赤ちゃんはしっかりと動いてますよ。
少々の事故でも赤ちゃんは死なないよ
赤ちゃんはとても強いんだ!!安心して
大丈夫!!痛い思いをしたね。ゆっくり
眠りなさい。その言葉でこころが救われて
どうやって帰宅したのかは記憶にありません。
学斗くんには……色んなハプニングや
幼い頃から苦労をたくさんかけました。
男の子やから……お母さんを守らないと
その責任感が5歳の時に既にそのこころに
備わっていましたね。乳がんの手術、
抗がん剤治療中は、保育園には行かへん
って……卒園アルバムには学斗くんの
画像はわずかにさせてしまった事や、
卒園式の時に、園長先生から……
お母さんをよろしくおねがいしますと
伝えられてる姿を見た時に……こんなに
小さいわが子にわたしの病の荷を
背負わせてしまうってほんまに可哀想
やわ……ごめんなさいってこころの中で
謝りました。そしてこのふたりの為に
自分はまだまだ死んだらあかん!!!
せめて成人するまでは何が何でも
生きたい。生かせてもらいたいと願った。
だから……入学式に涙……卒業式に涙
部活の応援、お稽古ごとのサッカーの大会
一緒に参加できたのはパートで行事ごと
にはお休みできる低料金サロン勤務で
有り難かった。極貧やったけれどね。
色んなわたしの珍事件を側で見ていて
お母さん!!自力で行きますか?
それとも救急車呼びますか?
ま。ま、まなとくん!!!救急車で
お願いしますぅぅ!!!とても冷静で
温厚で優しくて……異性の真の優しさ
と思いやりを知ったのは?……
学斗くんが初めて捧げてくれましたね。
その優しさと思いやりは今後生涯歩む
彼女さんにバトンタッチしてあげてね。
ふたりの寄り添う姿を見ることがとても
嬉しくて嬉しくて……永遠にしあわせに
なってほしいです。
未熟なわたしをこころから
育ててくれてほんまにありがとう。