東京オリンピックに向けて

2020年のオリンピック開催地が東京に決まりお祭り騒ぎだ。
東京周辺では盛り上がり方はすごいが、こちら関西は静かだ。
私だけが覚めているのだろうか・・・

私が中学2年生だった時最初の「東京オリンピック」が開催され、地元の幹線道路の沿道で
中学生が駆り出されて聖火の見送りをしたことを思い出す。
最近知ったが、このオリンピック招致活動は、第一次世界大戦終戦後5年目には始まったそうで
日本のスポーツ界の復興意識の凄さに敬服する。

ニチボウ貝塚(後のユニチカ)とソビエトチームとのバレーボールの決勝戦を、白黒テレビで
リアルタイムに見た。
日本側の6度目のマッチポイントで、相手方の選手がオーバーネットしたため日本が勝った瞬間も見た。
この日本チームはとにかく凄かった。
どんなボールが来ようが、100パーセントすべて執拗なほどにくらいついて捕えることができた。
「回転レシーブ」というのが編み出されて当時流行語にもなった。ニチボウの重要な戦力だった。

日本の選手たちは、職場の仕事以外の時間は寝る間もないほどの練習づけで、大松監督の
スパルタ的指導を市川昆監督のドキュメンタリー映画でも見た。
当時はこの過酷ともいえる指導と練習の映像は、当たり前なこととして受け入れられた。
何事も極めるにはこのような試練は当たり前の意識の時代だった。
多分、体罰だとか、人権侵害的な言葉の暴力もあっただろうと想像する。
自分のピアノレッスンでのことを思い出すと想像もできた。
すべてを肯定するわけではないが、脱落する人も居る中、そういう過程を経て強くなって
残っていく人がリーダー的な人材になっていったと言える。

チェコスロバキア(後のチェコとスロバキア)のチャスラフスカという体操選手が
金メダルの演技をした。
現在のような細くて小さな中性的な選手ではなく、とても女らしい体つきの
美人の大人の女性だった。
現在では軽やかな何度の高い演技は無理だろう。
こういう世界の選手を日本時間で見ることができる祭典は一生に1度あるかどうかだ。
孫たちに見せてあげられるのはとても喜ばしい。

その反面、大方は東京に莫大なお金が投入され、一極集中が助長されるのではと憂う。
震災の復興が遅々として進まず、福島の放射能汚染水が垂れ流しになっていることや
他にも全国にあるトンネルや、橋などのインフラ(インフラストラクチャー・国民の福祉や
経済の発展に必要な公共施設のこと)の修理等に相当な費用が必要な時期にもさしかかってる。
政府は、オリンピック開催に向けての事業と現在早急に取り組むべき問題とを並行して
すぐにでも実行していってほしい。
オリンピック開催地として名実とも世界に誇れる日本にして成功させてほしいと願う。