〜かたることばが歌になる風になる〜

ピアニストの脳を科学する

面白い本を見つけて今読んでいる。
「ピアニストの脳を科学する」(超絶技巧のメカニズム)古屋晋一・著。
私もピアノ教師の端くれなので、ピアノレッスンは、幼児期の早期に始める必要があることをよく知っている。この著者の実験等で実証して書いている内容は非常に納得する。

私は4歳、5歳と言った小さい時期にピアノを始めていないので、自分のピアノにおける弱点は、早期に始めなかったことと関連しているんだと、今更ながら悔しい気持ちになる。が、この年齢になってもまだ、弾き続けていることは意味のあることだとも実感する。

「ピアニストの脳を科学する」の著者の古屋晋一氏は、ご自身が幼少のころからピアノを習っておられて、ピアニストを目指されたこともあったというほど、音楽好きでピアノを弾き続けてこられたそうだ。大学は、工学部から、後に医学の道に進まれた。
この本を書かれたのは、大学になってから、ピアノの練習で手を痛めてしまったことがきっかけで、どう身体を使えば、手を痛めず幸せにピアノを弾くことができるのか、ピアノを弾く時の人間の身体の働きはどのようになっているのか、ピアニストの身体のメカニズムについての研究等が、国内外で皆無に近いと知り、それならと、ご自身が一から研究を続けておられるという。

私自身は、小学校の半ばくらいからピアノを習い始め、この道に進もうと決めたのは6年生の時なので、かなり遅い時期である。この著書の内容から検証すると、ほとんどピアノの道に進むには困難なケースだったと言える。
私がピアノの道に進むことができたのは、良い先生に出会えたこと、私自身が同級生より少し努力したこと、何よりピアノが好きだったこと、人より少し好運だったことによるのかもしれない。

私の身体的な部分で他の人より顕著なことは、右手が左手よりもかなり強い右利きだということ。妹は左利き。実家の遺伝子はこのように、右、左どちらかが強く出る因子のようだ。

「ピアニストの脳を科学する」では、小さい時からピアノを習っている人は、両手の指が自由に動くようになる。15歳ぐらいまでにどれだけよく練習しているかで決まるらしいので、小学校4年生から始めて、特に右手が強い私にとっては、ピアノの道に進むことは致命的な要因が多すぎる。

話はそれるが、私は下手だがゴルフをする。ゴルフをされる方はよく御存じだが、ゴルフのスウィングの基本は左手が軸になるので、言わずもがな私は苦労する。

私は10年ほど前から、大学の先輩と組んでピアノ連弾を始め、コンサートを企画したりして活動を続けてきた。この先輩との出会いが、私のピアノの打鍵の部分で「目からうろこ」の出来事となった。
古屋氏が、手を痛めたということと共通することだが、日本では欧米に比べて、どちらかというと「音が立つ」ことを良しとする傾向があり、体に力が入ったり、無駄に腕や、手首あたりに力が入る弾き方を教えてきた部分が多い。
近年このことの弊害の指摘から「脱力」が重要と言われている。

私もまた「音が立つ」ということに神経がいく弾き方をして、かなり力の入った弾き方を続けていた。和音が多い重厚な曲は結構得意だった。たまたま、指が強いのか、腕が強いのか、腱鞘炎になったり、手を痛めることはなかった。

こういった内容についてはまた次回書くことにする。

活動を終了した「女声合唱団風」のこと、「コーラス花座」のこと、韓国ドラマ、中国ドラマなど色々。

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