アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

高度なエンタメ要素に酔う『JAWAN/ジャワーン』<1>アトリー監督の演出が冴える!&コラボ企画

2024-11-20 | インド映画

シャー・ルク・カーン主演作『JAWAN/ジャワーンの公開日まで、あと10日となりました。先日、映画紹介サイト【BANGER!!!】に紹介文を書くので、またまたオンライン試写で『JAWAN/ジャワーン』を見直したのですが、お世辞抜きで何度見ても面白い。その反面、あれれ、この伏線も回収するはずじゃなかったの? とツッコみたくなるところもあって、何度目かの『JAWAN/ジャワーン』鑑賞もびっちり171分、楽しませていただきました。最初に見たのは昨年9月7日のシンガポール。その時2回続けて見てから、もう7、8回は見てるんですが(劇場用パンフにもあれこれ書かせていただいてます)、全然飽きません。アトリー監督作の中では、一番出来がいい作品だと思います。シンガポールで見た時にブログに書いたように、「せっかくシャー・ルク・カーンを主演にしたんだから、思いっきり使いまくろう!」とアトリー監督が思ったのは間違いなく(笑)、そのせいかあの手この手の観客を楽しませる要素をいっぱい詰め込み、しかもそれらを非常に巧みに繋いだ作品になっています。公式サイトはこちらです。

©2023 All rights reserved with Red Chillies Entertainments Pvt. Ltd.

これまでのアトリー監督作のうち、ヴィジャイ主演作の『火花~Theri』(2016)、『マジック』(2017)、『ビギル 勝利のホイッスル』(2019)もそれぞれによくできていたのですが、劇中のある部分が一種の贅肉になっていて、全体のバランスがいまひとつ、というところがありました。その点、作劇的にはA.R.ムルガダース監督の方がヴィジャイ作品では一日の長があり、『カッティ 刃物と水道管』(2014)や『サルカール 1票の革命』(2018)のような、秀作といっていい作品を世に送っています。しかし、アトリー監督もここにきてぐっと成長したのか、この『JAWAN/ジャワーン』を見ていると、ひょっとしてアトリーはタミル語映画界のS.S.ラージャマウリ監督になりうるかも、という風格すら感じます。画面にカメオで出て踊りたがる、というところも似ていますよね(笑)。

©2023 All rights reserved with Red Chillies Entertainments Pvt. Ltd.

今作『JAWAN/ジャワーン』のエンタメ要素キーワードは、まずは「意外性」です。【BANGER!!!】の記事では意外な展開についてもちょこっとだけ具体的に述べたのですが、ディープなインド映画ファンが読んで下さると思うこのブログでは、何も言及しないでおきます。ほほう、そうなのか! と驚いていただきたいのですが、本編が始まってすぐの上のシーンからして、「聞いてないよ!」がいっぱい登場し、そのサービス精神には感嘆、というよりあきれてしまいます。一つだけチップを差し上げておくと、次の歌がタイムリミットを測るのに使われています。この歌が終わるまでに○○を呼んで来い、という要求が出されるのですね。動画の後に歌詞を付けておきますが、そこにも書いておいた元歌なので、どーしてこれを使ったの? と監督に聞きたい気持ちでいっぱいです...(シャー・ルクが提案したのかしら?)。元の歌の動画はこちらです。

ヒンディー語映画『Bees Saal Baad(ビース・サール・バード/20年後)』(1962)より
 作曲&歌手:ヘーマント・クマール

ベーカラール・カルケー・ハメーン・ユーン・ナー・ジャーイエー
Beqarar karke hamein yoon na jaiye
落ち着かなくさせて 私を そんな風に行ってしまわないで

アープコー・ハマーリー・カサム・ロゥト・アーイエー
Aapko hamari kasam laut aaiye
お願いだから   戻って来て

(上の2行繰り返し)

デーキエー・ウォー・カーリー・カーリー・バドリヤーン
Dekhiye woh kaali kaali badliyan
見てご覧 あの 黒い 黒い 雲

ズルフ・キー・ガター・チュラー・ナ・レー・カヒーン
Zulf ki ghata chura na le kahin
豊かな黒髪が  盗られないように 

チョーリー・チョーリー・アーケー・ショーク・ビジュリヤーン
Chori chori aake shokh bijliyan
密かにそっと やって来て 無礼な 稲妻が

アープキー・アダー・チュラー・ナ・レー・カヒーン
Aapki adaa chura na le kahin
あなたの媚態を 盗んだりしないように 

ユーン・カダム・アケーレー・ナ・アーゲー・バライエー
Yoon qadam akele na aage badhaiye
そんな風に 足を 一人で 進めないで

アープコー・ハマーリー・カサム・ロゥト・アーイエー
Aapko humari kasam laut aaiye
お願いだから   戻って来て

(最初の2行繰り返し)

©2023 All rights reserved with Red Chillies Entertainments Pvt. Ltd.

というようなお楽しみもいろいろありまして、退屈するヒマのない『JAWAN/ジャワーン』です。そして、そんな『JAWAN/ジャワーン』とコラボして、大森のインド宮廷料理レストラン「マシャール」が、何と特別メニューを提供して下さることになりました。「マシャール」はこちらでもご紹介したように私の知り合いのアリ三貴子さんが経営者なのですが、配給会社ツインさんと相談して、公開から2週間の間つまり11/30(土)~12/13(金)、特別メニューを出すことにしたのだとか。しかも、『JAWAN/ジャワーン』の中心人物を演じる3人――シャー・ルク・カーン、ヴィジャイ・セードゥパティ、そしてナヤンターラのコースター・プレゼントまでついてくるという、ファンなら絶対食べに行きたい企画となっています。その企画用の写真も提供してもらったので、ここでも簡単にご紹介しておきましょう。詳しく知りたい方はマシャールのHPHPをご覧くださいね。残念ながらディーピカー・パードゥコーンのメニューは今回ないのですが、ま、カメオ出演なのでしょうがないですね。

©2023 All rights reserved with Red Chillies Entertainments Pvt. Ltd.

11/30~12/13【映画『JAWAN(ジャワーン)』&マシャールコラボ企画】ジャワーン特別ディナーセット!

『JAWAN/ジャワーン』ムガル料理スペシャルターリー/¥3,200円
👑シャールクカーンコースター付き!

 

👑選べるビリヤーニー(チキン、マトン、ベジ)
👑選べるカレー(マシャールの人気カレー9種類から選べます)
👑選べるカレー(チキンキーマ、マトンコルマ、パーラクパニール、ダールタルカ、サブジバハール、スパイシーチキン)(エビカレー、ミーンモイリー、スペシャルカレーは+100円)
👑ムルグマラーイー
👑ブレッドパコラ(揚げパン)
👑ミニサラダ
👑ライタ
👑プレーンクルチャ(パン)
👑スージーハルワ(デザート)

(”キング”カーンなので、このサイトではお料理名に王冠マーク👑を付けてみました)

 

『JAWAN/ジャワーン』南インドスペシャルベジタリアンターリー/¥2,800円
🎅ヴィジャイ・セードゥパティのコースター付き!

🎅ミニプレーンドーサ
🎅レモンライス
🎅サンバル
🎅ポリヤル
🎅トマトチャトニー
🎅ココナッツチャトニー
🎅ワダイ
🎅グリーンピースティッキー
🎅スージーハルワ

(このサイトではなぜヴィジャイ・セードゥパティの料理名にサンタクロースマークが付いているのか――は、映画をご覧いただければおわかりになります。マシャールのメニューには付いていませんので、「サンタクロースは?」とおしゃらないで下さいね。インドでは女子高生にも人気抜群のヴィジャイ・セードゥパティですが、日本ではどうでしょう?)

 

『JAWAN/ジャワーン』インド家庭料理スペシャルターリー/¥2,800円
💎ナヤンターラのコースター付き!

💎パーラクチキンサモサ
💎チャナマサーラー
💎アールーマタルパニール
💎チキンキーマティッキー
💎タンドーリーロティー
💎ジーラー(クミン)ライス
💎ミニサラダ
💎スージーハルワ

(女優としては南インド映画界随一の稼ぎ手であるナヤンターラのメニューは、ダイヤモンドマークでお料理名をご紹介。北インド料理ですが、ま、固いことはおっしゃらず)

 ★要予約。キャンセル不可となります★

このほか、藤井美佳さんのトークも12月12日(木)に企画されていて、詳しくは「マシャール」のHPを見ていただければと思います。このイベント、12月前半のハイライトになりそうです。『JAWAN/ジャワーン』をご覧になったあとで、ぜひ大森まで足を伸ばして下さいね。駅からすぐですし、キネカ大森からも近いです。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『Pushpa 2 : The Rule』12月... | トップ | マンション給排水管交換工事... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

インド映画」カテゴリの最新記事