アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

『カルキ 2898-AD』はもはやインド映画ではない?

2024-11-13 | インド映画

『カルキ 2898-AD』の試写を見せていただいてきました。チラシとプレス(マスコミ用に配るパンフレット)がもうできあがっていて(公開まで2ヶ月を切っているので当たりまえなんですが、今回は公開が決まったのがごく最近だったように思うので、超スピードで用意なさったのでは、と思います)、名刺大のミニカードと共にいただいてきました。チラシの裏表をまずご覧下さい。

名刺大のミニカードはチラシの最後にあるように、ムビチケのプレゼントらしいです。大きな画像を付けておきましょう。

©2024 VYJAYANTHI MOVIES. All Rights Reserved.

映画は、「マハーバーラタ」のラスト、戦士たちが死に絶えた戦場に一人立ち尽くすアシュヴァッターマンの姿から始まります。昨日のストーリーを読んでいただければと思いますが、アミターブ・バッチャン演じる6000年の時を経た彼ではなく、若い時のアシュヴァッターマンなので、全然感じが違います。そして、パーンダヴァ族もカウラヴァ族もほとんどが死んでしまった、こんな戦いを起こしてよかったのか、と嘆く彼の前にクリシュナ神が現れます。ご存じのように、クリシュナ神は戦うことに疑義を感じたパーンダヴァ族の五王子の一人アルジュナに、戦車の上でこんこんと道理を説き、アルジュナを戦いの場へと戻したのですが、いわばこの民族大虐殺の張本人とも言えます。そのクリシュナは今度はアシュヴァッターマンを焚き付け、時空を超える旅へと彼を送り出します。と、この冒頭を見ただけなら、「マハーバーラタ」を背景にした物語か、やはりインド映画だな、と思うのですが、そこが終わるとまったく違う世界が広がってゆきます。2989年の世界は、「この街の、どこがインド?」という状態になっており、文字通りの異世界です。しかし、時折インドっぽさが残るものが登場し、それが何ともちぐはぐで、この『カルキ』世界になじめないまま、ずーっと最後まで見てしまいました。

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ただ、プラバースはこれまで演じたキャラとは違う、「カルい」男を演じようとしていて、それがなかなかこちらのツボにはまります。どんな面を見せてくれるのか、楽しみにしていて下さいね。あと、いろんな人がカメオ出演しているのですが、それはまたおいおいに。それにしても、冒頭の「マハーバーラタ」世界を除くと、これ、ハリウッド映画と言ってもいいのでは、という気がどんどんしてくる『カルキ 2989-AD』。それが、インドで大当たりした理由なのかも知れません。

 


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