6月末から7月にかけて、アテネフランセ文化センターで「福岡市総合図書館所蔵作品 アジア映画セレクション」と題する上映&イベントが開催されます。まだ、アテネフランセ文化センターのHPでは告知が出ていないようですが、同センターから送られてきた案内に掲載されていましたので、早手回しにアジア映画ファンの皆様にお知らせします。概要は以下の通りです。
「福岡市総合図書館所蔵作品 アジア映画セレクション」
期間:6月27日(月)-7月2日(土)
会場:アテネフランセ文化センター
福岡市総合図書館はFIAF(国際フィルムアーカイブ連盟)の準会員として、アジアフォーカス・福岡国際映画祭(1991-2020)で上映された優れたアジアの作品を中心に、積極的に収集・保存を行ってきた。今回の特集では、コレクション作品8本と特別上映1作品を上映する予定。
また、国際交流基金南アジア映画祭(1982)(cinetama注:正式名称は「国際交流基金映画祭 南アジアの名作をもとめて」)開催から40年の節目に、日本におけるアジア映画普及の歴史と将来の展望を語るトークを実施する。
トーク登壇者:四方田犬彦(映画史・比較文学研究者)
清水展(文化人類学者)
石坂健治(映画研究者)
ショーレ・ゴルパリアン(映画プロデューサー)
山口吉則(アジアフォーカス・福岡国際映画祭元事務局次長)
上は、取ってあった国際交流基金映画祭のチラシ表&裏です。表面のユニークなデザインはグラフィック・デザイナーの故福田繁雄氏。裏面に上映作品名が出ていますが、インド3本、インドネシア2本、フィリピン2本、スリランカ2本、タイ2本の計11本が上映されました。今振り返ってみれば、「南アジア」ではなく「東南アジア」に分類すべき国の作品が入っているのですが、30年前のおおらかな分類で「南アジアの名作を求めて」になってしまったのでしょう。現在は通称の「南アジア映画祭」が定着しつつあるようです。
「名作を求めて」とあるように、当時映画祭の企画委員に選ばれた8人の中から何人かが現地に赴き、実際に作品を見て選定したのですが、どなたがどこにいらしたのか忘れてしまったので、企画委員8名のお名前を書いておきます。川喜多かしこ、佐藤忠男(上写真中。ピンボケですみません)、清水晶、白井佳夫、高野悦子、登川直樹、松村正義(国際交流基金)、丸尾定(敬称略)。こうして各国で映画人や監督とも交流した上での企画だったので、面白い作品が揃い、また監督たちも招待に応じてたくさんやって来てくれたのでした。上の写真の左は小栗康平監督、右はインドの『魔法使いのおじいさん』(1979)のアラヴィンダン監督です。もう1枚、少し写りのいい写真も付けておきます。
インドネシアの『さすらい』(1978)の主演女優クリスティン・ハキムと、『ふたりは18歳』(1980)のトグゥ・カルヤ監督、そして小栗監督です。こんな風に、初めてと言っていいと思いますが、日本の映画人や観客が東南&南アジアの映画人と交流したのでした。
今回の上映ではどんな作品が見られるのでしょうね。ラインアップがわかりましたらまたお知らせしますので、6月末から7月初めの予定を空けて待っていて下さい。