イ・ビョンホン主演の韓国映画『王になった男』が、いよいよ今週末、2月16日(土)から公開されます。おくればせながら、この魅力的な大作をちょっとご紹介しておきます。まず、基本データをどうぞ。
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『王になった男』 公式サイト
2012年/韓国/131分/カラー/シネスコ/5.1chサラウンド/日本語字幕:根本理恵
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<スタッフ>
監督:チュ・チャンミン
脚本:ファン・ジョユン
撮影:イ・テユン
音楽:モグ/キム・ジュンソン
衣装:クォン・ユジン(ヘイン・エンターテインメント)
ヘアメイク:チョ・テヒ
サウンドデザイン:イ・スンチョル/イ・ソンジン(Wavelab)
プロダクションデザイナー:オ・ヒョンソク
編集:ナム・ナヨン(Mori)
照明スーパーバイザー:オ・スンチョル
製作:イム・サンジン/ウォン・ドンヨン/キム・ホソン/チョン・ジフン
<キャスト>
出演:イ・ビョンホン、リュ・スンリョン、ハン・ヒョジュ、キム・イングォン、チャン・グァン、シム・ウンギョン、キム・ミョンゴン
提供:CJ Entertainment/配給:CJ Entertainment Japan/宣伝協力:ブレイントラスト
2月16日(土)より全国リードショー
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時は朝鮮王朝15代目の王、光海君(クァンヘグン/イ・ビョンホン)の時代。光海君8年(1616年)には、王位を巡る権力争いの結果、光海君が毒殺されかかる騒ぎがおきます。光海君は腹心の臣下ホ・ギュン(リュ・スンリョン)に自分の影武者を捜せと命じ、白羽の矢が立ったのが、王にうり二つの道化師ハソン(イ・ビョンホン二役)。時の権力を皮肉る芸を見せていたハソンは、王の物まねも完璧にできるため、光海君のお眼鏡にもかなうことに。
ところが、ハソンが光海君に目通りしてすぐ、光海君が謎の病気で重篤状態になってしまいます。ホ・ギュンは王を密かに隠し、ハソンを王に化けさせてその場をしのぐことにします。ところが、生まれのいやしいハソンは、顔や動作こそ王に似ているものの、王になり切るには欠けている点ばかり。ホ・ギュンとチョ内官(チャン・グァン)が教育に努めますが、綱渡り場面の連続です。
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王妃(ハン・ヒョジュ)やお付きの武官ト部将(キム・イングォン)、食事等の世話をする女官たち、その中でも15歳の毒味役サウォル(シム・ウンギョン)ら、普段から王と接している人々の目をいかに欺くか、さらに、王への裏切りを胸に秘めたパク・チュンソ大臣(キム・ミョンゴン)ら高官の前でいつもの光海君として振る舞えるか、ハソンと黒子2人の前には、数々の困難が立ち現れます。
しかしながら、やがてハソンは、自らの考えで王としての行動をとっていくようになります。サウォルの不幸な身の上に同情し、心を開かない王妃に笑いかけ、と、光海君らしからぬ振る舞いが目立ち始めたハソン扮する王。それに対し、「王はお変わりになられた」と感動する人々がいる一方で、「ニセモノの王では?」と疑う人々も出始めました。本物の光海君が回復するまで、ハソンは正体を暴かれないで王の座にとどまれるのでしょうか.....。
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歴史劇なのですが、スリルとサスペンス、さらにユーモアも感動も盛り込んだ、一大宮廷エンターテインメントになっています。その核になるのがイ・ビョンホンの演技で、陰惨な影も漂う本物の光海君と、いかにもニセモノのお尻が落ち着かないハソンとを、実に上手に演じ分けています。ハソンはもうちょっと下卑ていてもよかったぐらいなのですが、そこはイ・ビョンホンのキャラクターか、下ネタを口にしても清潔感いっぱい。
さらに素晴らしいのは脇役たちで、キング・メーカーともいえるホ・ギュン役のリュ・スンリョンは、『高地戦』 (2011)、『神弓』 (2011)、『パーフェクト・ゲーム』 (2011)に引き続き光りまくっています。いい役者さんです。そして驚いたのはチョ内官役のチャン・グァンで、『トガニ 幼き瞳の告発』 (2011)のあのいやったらしい校長役と同一人物とは思えぬほど。控え目ながら、煮ても焼いても食えない個性を持つチョ内官をパーフェクトに演じています。
その上、久々に元文化庁長官のキム・ミョンゴンの姿が見られたのも望外の喜び。1980年代はニューウェーブ映画で活躍したキム・ミョンゴン、『風の丘を越えて』 (1993)のお父さん役といえば、顔が浮かぶ人もいらっしゃるかも。ストーリーを楽しみ、イ・ビョンホンの演技を楽しみ、さらに脇の人々の演技も堪能できる、見応えのある秀作です。『王になった男』、お近くの劇場でぜひどうぞ!
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