アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

『きっと、またあえる』のコレに注目!<11>味のある脇役たちにも注目~✨

2020-07-26 | インド映画

7月もあとわずか、今週の土曜日はもう8月1日です。そして、その3週間後の8月21日(金)は、インド映画『きっと、またあえる』の初日です! 長かったですねー、この日が来るまで。このブログで初めてご紹介したのが、昨年の11月22日のこちらの記事。その時は「2020年4月公開予定」となっており、その後2月20日のこちらの記事でお伝えしたように公開日が4月24日(金)に決まり、そして...というわけで、『きっと、またあえる』という絶妙のタイトルを合言葉に、待ち続けた緊急事態宣言経由の約5ヶ月でした。その間に「『きっと、またあえる』のコレに注目!」というタイトルでたくさん記事を書いてきましたが、このシリーズ、まだまだ続きます(笑)。そんなに書くことあるの? と言われそうですが、この映画、探せば探すほど、トピックスが見つかるんですね~。というわけで、本日はダシがよく出ている、味な脇役3人のお話です。

ここに挙げる3人は、配給会社のファインフィルムズさんが当初からプレス(公開前のマスコミ試写で、参加者への配付資料となる印刷物)の「CHARACTER/CAST PROFILE」に載せていらした3人で、こ、こんなチョー脇役まで紹介してあるとは、何て丁寧なプレスなんだ! とその時は感心しながらもちょっとあきれたのでした(スミマセン)。で、たまたま最近、そのうちの1人が出演している映画をYouTubeで見で、しかもそれがとてもいい役だったので、顔と名前を紹介しておこう、と思った次第です。前置きが長くなりましたが、プレスには「キャラクターが大渋滞!? いい味出している脇の人」という枠でくくられている3人に、今日はスポットライトを当ててみましょう。その前に、ストーリーをご存じない方は公式サイトを先に読んでおいて下さいね。

1.寮生の”モヤシ”(ランジャン・ラージ)

上のメガネ姿のやせっぽち男子、モヤシ君の主な出番は2箇所あります。まず最初、新入生のアニ(スシャント・シン・ラージプート)やマミー(トゥシャール・パーンデー)たちが寮の上級生セクサ(ヴァルン・シャルマ)やアシッド(ナヴィーン・ポリシェッティ)に呼び出され、しごかれる場面。夜の中庭に呼び出された新入生たちは、上級生が命じることを演じなければなりません。アニが命じられたのは「ポールダンス」。セミヌードの美女たちが、金属のポールにからまりながら踊るアレですね。その時セクサから、「お前はポールの役だ」と命じられたのがモヤシ君だったのです。というわけで両手を上げてポールのように突っ立つモヤシ君に、アニはどうやってからみながらセクシーなダンスを見せていくのか、というのが見せ場になっています。

もう一つの出番は結構長くて、各寮対抗で行われるGC(ゼネラル・チャンピオンシップ)での場面です。上の写真でアニの隣にいるマミーも結構細いのですが、さらにやせっぽちのモヤシ君は何と現体重が44㎏。それをさらに痩せさせて、42㎏級で重量挙げにエントリーし、優勝をさらおうという作戦が進行します。モヤシ君、2㎏の減量に耐えられるのか、そして、ひょろひょろの体で重量挙げなどできるのか...。まあ、対抗馬がいなければ不戦勝で優勝になるのですが、そうはイカの天ぷらで、当日とんでもないことが起きてしまいます。この場面、乞うご期待!です。(体重42㎏とは、まことにもってうらやましい...)

モヤシを演じているランジャン・ラージは、1993年生まれ。ビハール州のパトナ出身で、何と自身もインド工科大学ボンベイ校の学生だったことがあるとか。在学中に演劇に夢中になり、大学を中退して俳優の道に入ってしまったそうで、2014年に小さな役で映画デビューし、以後、映画とテレビの両方で活躍しています。特にテレビドラマの『Kota Factory(コーターの工場)』(2019)では、主役級の出演者として、このインド工科大コーター校を巡るモノクロ・ドラマの人気に貢献しています。興味のある方は、こちらでチラ見してみて下さい。下のポスターでは、左端がランジャン・ラージです。

Kota Factory poster.jpg

私がYouTubeで見た映画は、アーユシュマーン・クラーナーが主演する『Bala(バーラー)』(2019)で、ランジャン・ラージは若はげに悩む主人公バーラーをそっと慰め、力になろうとする近所の男の子を演じていて、唯一と言っていいほど好もしいキャラクターでした。で、この映画にリンクを張ろうと思ったら、あらら、YouTubeから消えています。違法アップロードだったのかも知れません(DFM Moviesというクレジットがあって、きちんとした配信かと思ったのですが...)。いずれにしてもランジャン・ラージ、どんどん活躍の場が増えているようです。『きっと、またあえる』をご覧になる時は、ぜひ注目して下さいね。

 

2.入寮受付のメガネのおじさん(サーナンド・ヴァルマ)

アニが入学した時、学生課みたいな窓口に行って寮を割り当ててもらうのですが、その入寮申請受付担当者がこのおじさん。憧れの工科大に入ってウキウキしていたアニの膨らんだ胸に針を刺し、プシューとしぼませてしまうのがおじさんの毒のひと言なんですね。福々しいお顔というか、くいだおれの人形「くいだおれ太郎」みたいな顔しているくせに、なかなかにいぢわるな人なんですよ。アニが彼の言にどう翻弄されるかはご覧になってのお楽しみですが、最後にこのおじさんをギャフンと言わせて卒業してもよかったかな~、という気もします。演じているサーナンド・ヴァルマは、ビハール州のパトナ出身で、映画とテレビ両方で活躍する俳優です。2010年頃から出演を始め、2014年にはラーニー・ムケルジー主演作『女戦士』にも出演。まだ役名のない役が多いようですが、『きっと、またあえる』では結構強烈な印象を残します。

 

3.カバディのコーチ、実は寮の食堂のコック(ナルニーシュ・ニール)

アニが入った寮H4はメシがまずいので有名なんですが、そのメシをまずく作っている(?)のがこのコックさんで、向上心などこれっぽっちもない、無愛想なおじさんです。そこを見込んで、アニたちは彼をカバディのコーチに任命します。カバディというのはインドの国技であるスポーツで、ドッジボールのボールの代わりに選手が敵の陣地に乗り込む、というか、「カバディ、カバディ」とずっと唱えながら攻撃をし、相手側にタッチすると点が入るというゲームです。詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。で、相手チームをビビらすために、恐そうなコーチが大きな声で命令を発している、というフリをこのコックさんにさせると、何とまあ効果満点、このこけおどしで勝利をおさめるのです。コックさんは、まずい料理のレシピを怒ったようにどなっているだけなんですが、そのはったりが効くから面白いですねー。青学の原監督みたいに、胴上げされてしまいます。

演じているナルニーシュ・ニールは、1984年10月13日生まれの35歳。『きっと、またあえる』では老けメークしてますがまだ若く、UP州の出身で、ラクナウの演劇学校で学んだ本格派。2010年頃から映画やテレビに出始め、映画では『ライース』(2017)や『マニカルニカ ジャーンシーの女王』(2019)などにも出演しています(『マニカルニカ』のDVDを見直したら、最初の方でマニカルニカが虎を倒す野外のシーンに、村人として出演していました)。

という風に、味のある脇役も揃っていますので、『きっと、またあえる』にもどうぞご期待下さい。最後に予告編を付けておきます。

映画『きっと、またあえる』予告編

<画像クレジット>

ALL RIGHTS RESERVED
ALL COPYRIGHTS, TRADEMARKS, DESIGNS AND OTHER INTELLECTUAL PROPERTY RIGHTS WITH RESPECT TO THIS CINEMATOGRAPH FILM EXCLUSIVELY VEST WITH NADIADWALA GRANDSON ENTERTAINMENT PRIVATE LIMITED. ANY UNAUTHORISED REPRODUCTION, COPYING, BROADCASTING, PUBLICATION, PERFORMANCE, ADAPTATION OR USAGE IS STRICTLY PROHIBITED AND MAY AMOUNT TO INFRINGEMENT OF RIGHTS OF NADIADWALA GRANDSON ENTERTAINMENT PRIVATE LIMITED.


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 香港電影新聞 ①『追龍』日本... | トップ | 「イスラーム映画祭5」名古... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

インド映画」カテゴリの最新記事