2ヶ月半ぶりに、都心の試写室に出かけていきました。東京都内には、ハリウッドのメジャー会社、日本の大手映画会社の試写室を始め、配給会社や映画の種々の制作を行う会社の試写室等々、数多くの試写室があります。正確に数えたことはないのですが、マスコミ試写によく使われているのが30箇所ぐらいでしょうか。50~100席の所がほとんどで、スクリーンは劇場並みに大きい所もあれば、サイズが小さめの所もあります。でも、公開前の作品を無料で見せていただけるわけですから、マスコミ試写会はとてもありがたい機会なのです。
緊急事態宣言の期間中は、映画館に準じて試写室も閉まっており、ネット配信での試写やDVD提供試写などの形で細々と試写が続いていたのですが、映画館が休館の間は作品の公開予定が決まらず、作品紹介も実質的にできない状態でした。そしてやっと、6月に入って少しずつ試写のご案内が来るようになり、映画紹介の仕事にも活気が戻り始めました。ただ、試写室は映画館よりも小さな空間なので、”密”度が高く感じられる印象もあり、どうやって再開されているのかな、と思いつつ、今日出かけて行ったのでした。で、行ってみると、手の消毒液やカウンター前のシールドカーテンが用意されたうえ、やはり席は1席空けシステムで、キャパが通常の半分になっています。満員になったら、補助椅子はどうなるのかしら、と思っていたのですが、最後まで最後列の2、3席は埋まらず、安心したような寂しいような気持ちで、映画を見てきました。
今日見せていただいた作品は、韓国映画『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』(2019)。上のチラシからもわかるように、イ・ヨンエが久々に映画出演した作品です。いなくなった幼い息子を何年にもわたって捜している夫婦の話で、途中で夫は交通事故で亡くなるのですが、妻のイ・ヨンエはその後も息子を探し続ける、という、中国映画『最愛の子』(2014)を思い出させるようなストーリーでした。ですが、『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』の方がサスペンス度が高い造りになっており、緻密な脚本と登場人物たちの全員太字書きみたいな存在感とで、最後までぐわぁーっと持って行かれてしまいました。韓国映画、畏るべし。
9月公開なので少し先になってから詳しくご紹介しますが、イ・ヨンエの主人公に対峙する警察官にユ・ジェミョンが扮していて、「梨泰院クラス」コネクションがここでも、とちょっとびっくりしました。「梨泰院クラス」の前の撮影で、韓国では昨年11月27日に公開されたようですが、年相応の役での熱演です。監督は、本作が監督第1作にあたるキム・スンウで、脚本も彼が担当しています。韓国映画界は、脚本をしっかりと書ける監督が本当に多いですね。
マスコミ試写では、プレスと呼ばれるパンフレットというか資料集がいつも配られるのですが、今回のプレスには、キム・スンウ監督、イ・ヨンエ、ユ・ジェミョンが昨年11月の公開前に、ソウルのアックジョンCGVで行った記者会見の詳細な記録が載っており、これが非常に面白かったです。長文なので、公式サイトにはアップされないかも知れません。劇場用パンフレットには掲載されるのでは、と思いますので、ぜひ読んでみて下さい。後日紹介をアップする時に、一部引用させていただこうと思っています。公式サイト、日本版予告編はこれからのようですが、インターナショナル版の予告編を付けておきます。ご期待下さい!
Bring Me Home (2019) 나를 찾아줘 Movie Trailer | EONTALK