アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

そろそろ年末総決算:ボリウッド映画主演女優賞候補

2015-12-20 | インド映画

先日のYahoo! Indiaの配信記事に、「Striking Female Performances of 2015!(2015年に目を奪った女優の演技)」という紹介があり、5人の女優が選ばれていました。なるほど~とかなり納得できるラインアップでしたので、ちょっとご紹介したいと思います。まずはそのラインアップをどうぞ。番号は特に順位というわけではありません。

1.アヌシュカー・シャルマー 『国道10号線(NH10)』
2.ディーピカー・パードゥコーン 『ピクー(Piku)』
3.リチャー・チャッダー 『Masaan(焼き場)』
4.カングナー・ラーナーウト 『Tanu Weds Manu Returns(続・タヌはマヌと結婚する)』
5.カルキ・ケクラン 『マルガリータで乾杯を!(Margarita with a Straw)』

3作品は日本でも公開、あるいは映画祭上映されたので、ご覧になった方も多いかも知れません。でも、未見の方もいらっしゃるかと思うので、次にそれぞれの予告編をアップし、ちょっと説明を書いておきます。

1.アヌシュカー・シャルマー

Official release poster

  『国道10号線(NH10)』
   監督:ナウディープ・シン
   共演:ニール・ブープラム、ディープティ・ナヴァル、ダルシャン・クマール

NH10 Official Trailer | Anushka Sharma, Neil Bhoopalam, Darshan Kumaar | Releasing 13th March

サスペンス映画ばやりのボリウッドで、女性が主人公となったサスペンス映画として話題をよんだ作品です。トップスターはアヌシュカー1人と言ってよく、製作者としても本作にかかわったアヌシュカーはインドでの公開にあたっても大活躍でした。都会の新婚夫婦が田舎に旅行に行き、正義感からつい関わってしまった村の出来事ゆえに大変な目に遭う、というストーリーで、かなりイタい描写も。「目には目を」をあからさまに描いていてあまり好きな作品ではないのですが、アヌシュカーの演技は一見に値します。


2.ディーピカー・パードゥコーン

Piku.jpg

  『ピクー(Piku)』
   監督:シュジート・サルカール
   共演:アミターブ・バッチャン、イルファーン・カーン

PIKU Motion Se Hi Emotion Official Trailer | Amitabh Bachchan, Deepika Padukone, Irrfan Khan

ディーピカーの最近の活躍ぶりはもう言うことなし。大作から、ちょっとクセのある『ピクー』のような作品まで、軽やかに境界を越えて作品に溶け込んで行きます。頑固な父親と暮らす建築デザイナーに扮した本作も、ベンガル娘に見えないところはちょっとマイナスであるものの、ディーピカーにしか出せない味で大物2人を相手に映画をリードしていきます。


3.リチャー・チャッダー

Masaan poster.jpg

  『Masaan(焼き場)』
   監督:ニーラジ・ガーイワン
   共演:ヴィッキー・カゥシャル、サンジャイ・ミシュラー

Masaan Official Trailer | Richa Chadda, Sanjay Mishra, Vicky Kaushal & Shweta Tripathi

アート系作品で、カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で上映されたほか、プサン国際映画祭など多くの映画祭で上映されました。舞台はガンジス川沿いの聖地ベナレスとアラーハーバード。冒頭ホテルでベッドインしようとしていたリチャーたちのところに警察が踏み込み、相手の男は自殺してしまう、というショッキングな事件が起きます。リチャー演じる女性はその後様々な苦難に直面するのですが、この彼女と共にもう1人の主人公がベナレス出身でアラーハーバードの大学で学ぶ青年。彼はベナレスの焼き場で働く家系の出、ということで、重い背景を抱えた2人の主人公が描かれていきます。リチャーの押さえた演技が光る作品です。


4.カングナー・ラーナーウト

Tanu weds Manu poster.jpg

  『Tanu Weds Manu Returns(続・タヌはマヌと結婚する)』
   監督:アーナンド・L・ラーイ
   共演:R.マーダヴァン、ジミー・シェールギル

Tanu Weds Manu Returns | Official Trailer | Kangana Ranaut, R. Madhavan

『Tanu Weds Manu(タヌはマヌと結婚する)』(2011)の続編で、前作ではカングナーのぶっ飛んだ演技が素晴らしかったのですが、そのぶっ飛びキャラでマーダヴァンを見事に射止め、結婚するまでが描かれました。そして今回は何と二役で、それぞれのキャラを見事に演じ分け、タヌとスポーティーなクスムとでそれぞれに見せ場を作っていく彼女の演技はさすがです。これ1作ではいまいち面白さがわからない方は、ぜひ前作と一緒にご覧になることをオススメします。


5.カルキ・ケクラン

  『マルガリータで乾杯を!(Margarita with a Straw)』
   監督:ショナリ・ボース
   共演:レーヴァティ、サヤーニー・グプター、ウィリアム・モーズリー

本作は皆さん、もうご覧になったはず。9月にはカルキ・ケクランがショナリ・ボース監督と共に来日、多くのインタビューに登場しました。このブログでも取り上げましたので、こちらをどうぞ。脳性マヒの女子大学生で、でも障がいをまったく感じさせない魅力的な主人公像は、カルキの演技があったればこそ。シネスイッチ銀座での上映は12月18日で終わりましたが、まだまだ全国での公開が予定されています。公式サイトをご覧の上、まだの方はぜひお近くの劇場にお運び下さい。

インド発の感動作が日本上陸!映画『マルガリータで乾杯を!』予告編

さて、来年早々行われる様々な映画賞での主演女優賞の行方は? 賞レースも含めて、年末年始の「2015年アジア映画総決算」の記事を随時アップしていきますのでお楽しみに。


 


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