昨日、「ナマステ・インディア」の私の講演にお運び下さった皆様、どうもありがとうございました。インド映画話、お楽しみいただけましたでしょうか?
「ナマステ・インディア」で本格的なインド映画話を始めたのは、『ムトゥ 踊るマハラジャ』 (95)が日本でヒットした1998年だったと思いますが、今のような形のレジュメにしたのが2004年で、「前年度のインド映画興行収入ベスト10」「その年の上半期のヒット作」「その年に日本で公開された&公開されるインド映画」という形でまとめたこれまでのレジュメは、私自身が資料として大いに活用しています。こういう資料作成のいい機会にもなる講演会を開催して下さる「ナマステ・インディア」と、お世話下さる日印協会の事務局の方、それからご来場下さる皆様には、何はともあれ「感謝!」の一言です。
講演には今年も約110名の方がお越し下さり、100名+α分用意したプレゼント(ボリウッド・スターのポストカード2枚と、あと神様シールなどのインドグッズをインドのお祝い用封筒に入れたもの)が足りなくなったほどでした。足りなかった方にはご住所をうかがってあとで郵送したのですが、ぎっしり満員で本当にありがたかったです。
それで、今年はレジュメの中に、<ヒット作ではないけれどオススメ作品>という項目を設け、次の4本を紹介しました。
『お前なし(ビン)ではラーディン』 Tere Bin Ladin(2010) 予告編
監督:アビシェーク・シャルマー/主演:アリー・ザファル
『請願』 Guzaarish(2010) 予告編
監督:サンジャイ・リーラー・バンサーリー/主演:リティク・ローシャン、アイシュワリヤー・ラーイ
『花婿行列が賑やかに』 Band Baaja Baaraat(2010) 予告編
監督:マニーシュ・シャルマー/主演:アヌシュカー・シャルマー、ランヴィール・シン
『”年寄り”なんてクソ食らえ!』 Bbuddah Hoga Terra Baap(2011) 予告編
監督:プーリー・ジャガンナート/主演:アミターブ・バッチャン、ソーヌー・スード、ヘーマー・マーリニー
原題の意味は、「ブッダー」が「年老いた」という意味の形容詞で、呼びかけなどに使われて「年寄り、じいさん、ジジイ」なんていう意味にもなります。正しいローマナイズは「buddha」なんですが、この映画のタイトルはかなりデフォルメしたローマナイズ「bbuddah」を使っています。
「ホーガー」はbe動詞の未来形で「~だろう」という意味なのですが、問題は「テーラー・バープ」。「テーラー」は「お前の」、「バープ」は「父親」という意味であるものの、単純に「お前の父親」という意味ではないんですねー。広東語の「[イ尓]個頭」という言い方と似ている....と言ってもわかる人にしかわからないか(笑)。「それがどうした」「何言ってる」「おきやがれ」「クソくらえ」というような意味になるんですね。この映画の中でも、「ブッダー・ホーガー・テーラー・バープ」の一文が、いろんな場面で、いろいろ違うニュアンスで使われています。
ストーリーは、カラン警部(ソーヌー・スード)がテロを行うギャングの一味を次々と逮捕するのを見て、ギャング団のボス(プラカーシュ・ラージ)はカラン警部を亡き者にしようと、有能なスナイパーを呼び寄せます。同じ時に、パリからムンバイに到着したのが伝説のスナイパー、ヴィジュー(アミターブ・バッチャン)。彼はかつて愛する妻(ヘーマー・マーリニー)との間に息子までもうけながら、別の女性(ラヴィーナー・タンダン)との浮気などで結局妻とは別れ、パリへと旅立ったのでした。
パリ帰りのダンディなヴィジューは、「年寄り」と呼ばれることを何よりも嫌い、若い女の子をナンパしたり、バイクを飛ばしたりと青春真っ盛り。スナイパーとしての腕もいまだに確かで、ボスはヴィジューをカラン警部殺害のため雇うことに。ところが、ヴィジューがギャング団に入ったのには、別の目的がありました....。
アミターブ・バッチャンは、1942年10月11日生まれなので、間もなく69歳。いやー、お若いです。足腰もピンシャンしているし、銃を撃つ姿などは惚れ惚れするほど。それに、「チョイわる親父」というか「不良老年」というか、アミターブには珍しいちゃらんぽらんな役を小粋に演じていてとってもステキ。派手な衣裳もよく似合い、イケイケのお姉ちゃんたちと歌い踊る「ゴー・ミーラー・ゴー」は70・80年代のアミターブを彷彿させます。ラップも使ってあるこの歌はアミターブ自身が歌っているのですが、『ドン』 (1978/原題:Don)の歌「ベナレス産のパーンを噛んで」や、『忠誠』 (1982/原題:Namak Halaal)の歌「足鈴を結んで」、そして『関係』 (1981/原題:Silsila)の歌「色を付けよう」など、彼のヒット作からの歌がフィーチャーしてあります。それぞれの歌の動画で、かつてのさらにカッコいいアミターブを見てみて下さいね。
こういう姿を見せられると、ホイホイと電車の優先席に座ってる場合じゃないな、と思ってしまいます(笑)。アミターブには今後もますます活躍してもらって、シニア世代に夢と希望を与える存在でいてほしいですね~。2週間ほど早いですが、「ジャンマ・ディン・ムバーラク、アミターブ・ジー!(アミターブさん、お誕生日おめでとう)」。
昨日のナマステインディアでの講演会伺わせていただきました。先生のコメンタリーを聞きながら見る最新映画ダイジェスト、本当に楽しかったです。先生のお話を伺えることがどんなに貴重でありがたいことか!!大学を卒業した今、改めて感じています。
アミターブ様のご活躍、アミターブファンの母と一緒に見たいと思います。先の話ですが「DON2」も今からとっても楽しみです!My name is Khanはやはり少し不完全燃焼だったので…。年末年始はこたつでDON1のDVDを見ながら、DON2のDVD発売を楽しみに待とうと思います!早くシャルク様を崇めたい!
それでは、台風一過で急に寒くなってまいりましたので、お体ご自愛くださいね。また先生のお話を聞けるチャンスには是非伺いたいと思っております。よろしくお願いします!
東京外語大での授業は2,3年に1回なのですが、熱心な学生さんが多いので、出講している時は毎回楽しく教室に向かっていました。『ミモラ』の作品研究発表も楽しかったですね~。
お母様もアミターブ・ファンでいらっしゃるのですか? 素晴らしいですね。これからもお二人でいろいろ楽しんで下さい。今度何かでお会いした時は、お声を掛けて下さいね。
2008年と今年とで2回目の参加ですが、映画事情、ダイジェストの画像と大変楽しい時間でした。
インド映画暦が短いですが、とても参考になります。
またお土産を頂きながら、更にポスターをGETさせていただきました。
ありがとうございます。
お土産の足りない方に後日郵送なさるとのことで、大変感激いたしました。
サリーも素敵で見とれてしまいました
まだ数少ないですが、DVDを観ては、印流ブームが来ないかな!と妄想しております。
また来年の講演会も楽しみにしています。
TIFFも楽しみです!!
ポスターもゲットなさったんですか? ジャンケン、お強いですねー。なかなかうまくプレゼント数の10名の方が選べなくって、早く会場を明け渡さないといけないことから、あせってしまってすみませんでした。「ポスター、どんどん取ってっちゃって下さい!」「そこに紙と輪ゴムがあるから、自力更生で巻いて帰って下さい!」とか、ビシバシ命令しまくっていた私です(汗;;;)。
お好みのポスターだったことを願っています。お部屋に貼っていただくと、いいインテリアになりますのでお楽しみ下さいね。これからもインド映画をどうぞよろしく。
サキャ
今回は、たまたま最後列にいたため、「郵送組」となりました。
さも当然のように、図々しく、住所を残していった私ですが、なななんんと翌日に届いた(早いっ!)カードには、先生直筆のお手紙(達筆!!)が~~っ!先生のお人柄に触れ、脳内ホルモンがぴゅーぴゅー吹き出し、感激しまくりです!!本当にありがとうございました。・・・あの日、「何かご質問は?」の場面で、手を挙げる勇気があったらなぁ・・・。
この映画「バートー・ムニコー・フール」が字幕をおつけになったネパール映画ですか? 「フール」は「花」だと思いますが、タイトルはどういう意味なのでしょう? このサイトには映画のデータ(言語、製作年、上映時間、スタッフ&キャスト名)やストーリー&解説が出ていないようなのですが、どこか別のサイトにアップしてらっしゃるのですか? まだこれから、徐々に充実させていこうとしてらっしゃるところかも知れませんね。
私はネパール映画に関する知識はほとんどなくて、昔、「クスメー・ルーマール」とかいう題の映画がヒットしたことぐらいしか知りません。何か機会があったら、こちらこそいろいろ教えて下さい。
「達筆」などと言われると、冷や汗だらだらです。昔から字が下手で、それもあって自著へのサインは一切お断りしている私....。お断りする時の、「サインがない方が古本屋で高く売れますから」というのもホンネなんですけどね。
chickchickというお名前はご本名からですか? 拝見して、『悪役(Khalnayak)』(93)の歌「ブラウスの下には(チョーリー・ケー・ピーチェー)」のスキャットを思い出してしまいました。思わず、あの踊りのポーズをしてしまった私です、チクチク♪。
(多分1~2回参加させていただいただけなので、私のことはご存知ないと思いますが…。)
今年も私は釜山国際映画祭に行ってきました。
こちらでcinetamaさんが2010年ベストとされていたGuzaarishを見て来たのですが…。
国際映画祭なのでほぼすべての英語言語ではない映画は英語+韓国語字幕が付くのですが、Guzaarishは11月に韓国で一般公開が決まっているようで(11.3と書かれたポストカードが出ていました)、韓国国内向けバージョンと思われる韓国語字幕のみの上映でした。ヒンディ+時折英語のセリフを理解出来る訳も無く、ストーリー的にかなり頭の中で疑問点が渦巻く結果となってしまいました。
また、昨年はRaavanが上映されアビシェク・アイシュ夫妻がゲストとして来ていて、今年のGuzaarishもティーチインが予定されていたのでちょっとそちらも楽しみだったのですが、来韓(監督が予定されていたようです)はキャンセル。これまた残念な結果に終わってしまいました。
ネタバレになってしまうので、ここでいろいろお聞き出来ないのが残念です。
あの人は何だったんだ、とかあのとき涙ながらにしゃべっていたことは何だったんだ、とかいろいろモヤモヤ感が残ってしまいました~。
『請願(Guzaarish)』が釜山のセレクションだったのですか。プログラム・ディレクターの方に会ってみたくなりました(笑)。
あの映画は確かに、セリフがわからないと、女性弁護士(『ぼくはジダン』の秘書ミス・パテールを演じていたシェールナーズ・パテール)とのやり取りや、後半の法廷シーンはまったくわからなくなりますね。リティクの演じたマジック・シーンはお楽しみになれたと思いますが...。
それにしても、この作品も間もなく韓国で公開されるんですね。やっぱり日本は遅れてるなあ、とガックリです。そうそう、『請願』はTIFFで上映される『ボリウッド』の中にも使われています。ぜひ再会なさって下さいね。