先日、TUFS Cinemaで見たミャンマー映画『小さな村の新任教師-Tomorrow-』が、1月にふたたび上映されます。チラシにあったこの作品の紹介部分をスキャンしてみました。
12月9日(土)の上映で見た時は、当初「素朴な作りの作品だなあ」と思いながら見ていたのですが、最後の方になって突然怒濤の展開となり、手に汗握る事件が起きた後、最後は20年ほど経って学校の新校舎落成式が行われているシーンで幕となります。非常に真摯に作られている作品で、技術や表現力ではまだまだのところはあるものの、こちらに訴えかける力を持った作品でした。日本語字幕がプロの手によるものでない点もちょっと残念なのですが、アジア映画好きの方は見ておかれることをお勧めします。
TUFS Cinemaを見逃された方は、来年1月19日(金)に築地本願寺ブディストホールで2回上映があり、シンポジウムも行われますので、ぜひそちらにお運び下さい。上記のイベントで解説をなさった三井優さんの「ミャンマー映画祭実行委員会」の公式サイトに詳しいご案内がありますが、ここにもスケジュールを書いておきます。
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「ミャンマーの初等教育について ~映画&シンポジウム~」
2018年1月19日(金)/築地本願寺ブディストホール(アクセス)/入場無料
13:00 開場
13;35 『小さな村の新任教師-Tomottow-』上映(140分)
16:30 シンポジウム:基調講演「ミャンマー教育改革の展望」
17:15 同 :パネルディスカッション「初等教育改革を成功させるためには?」
18:35 『小さな村の新任教師-Tomottow-』上映(140分)
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この映画のストーリーとは別に、インドを知る人間として興味深かったのは、インド人がするジェスチャーとまったく同じものが出て来たことです。中盤に、赴任してきた主人公の青年教師が、ボールペンがなくなったことで子供たちの荷物検査をするのですが、ある子が盗ったとわかったものの、とてもみんなに告げるにはしのびなく、自分の間違いだった、ボールペンはみつかったんだった、と言って子供たちに謝るシーンが出て来ます。その時の教師の謝り方が、顔の前で手を交差させて、左手で右耳を、右手で左耳をそれぞれつかみ、スクワットのように何度か屈伸運動をする、というもので、インドの謝り方とまったく一緒だったのです。北インドではこのポーズをする時、「トーバー、トーバー(または、タゥバー、タゥバー。アラビア語語源で、二度とやりません、という誓いのことです)」と言ったりもします。また、手を交差させないで両耳をそれぞれの手でつまむ、というのも「ごめんなさい」ポーズになります。画像をいろいろ捜してみたのですが、ちょうどいいのが出てこないので、手を交差させないパターンのものを付けておきます。『ABCD(誰でもダンスができる)』(2013)の中の歌のシーンで、プラブデーヴァ扮するダンス教師に、生徒や仲間の教師ガネーシュ・アーチャーリヤが謝っているところです。「ソーリー、ソーリー」と言いながら、彼らが両耳を掴んでいるのがわかります。
Sorry Sorry - ABCD (Any Body Can Dance)
両手交差&屈伸シーンは、小・中学校が舞台になったりするとよく出てくるのですが、また捜しておきますね。ミャンマーにも同じジェスチャーがある、ということは、英領時代にインドから伝わったのでしょうか? どなたかご存じの方がいらしたら、ぜひご教示下さい。