今年もSintok、シンガポール映画祭が開催されます。会期は5月12日(土)~20日(日)、場所はシネマート六本木です。楽しみに待っていらした方も多いことでしょう。
上映作品ラインアップは、徐々にSintokのHPに掲載されつつあります。『881 歌え!パパイヤ』 (2007)のロイストン・タン監督特集など、見応えのある作品が目白押しの感じですが、その全貌がどうやら今週末に発表される模様。と言うのも、2月4日(土)に「Sintok2012 キックオフイベント 『ホー・ツーニェン作品上映会&トークショー』」が行われ、そこで発表となるらしいのです。Sintok 実行委員会から送られてきたお知らせに、ちょっと付け加えた記事を掲載します。
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Sintok2012 キックオフ・イベント
『ホー・ツーニェン作品上映会&トークショー』
日時: 2012年2月4日(土) 17:30開場 18:00開演
場所: 恵比寿 タイムアウト カフェ&ダイナー http://www.timeoutcafe.jp/
料金:1,500円(ドリンク代こみ)
シンガポールの俊才ホー・ツーニェン監督(2月4日より森美術館で日本初個展を開催~詳細は後半に)をゲストに迎え、森美術館展では上映されないホー監督作品『反射光』(原題:Reflections/2007/13’28”/下写真)を日本初上映。
ホー監督によるトークセッションの後、Sintok2012 シンガポール映画祭の概要・コンテンツを発表いたします。Skypeゲストとして、カンヌ映画祭2011批評家週間で初長編が注目を浴びたブー・ジュンフォン監督が登場いたします。
ホー・ツーニェン(Ho Tzu Nyen 何子彦)
1976年シンガポール生まれ。シンガポール国立大学にて芸術修士号を取得。主な展覧会に第26回サンパウロ・ビエンナーレ、ブラジル(2004年)、第3回福岡アジア美術トリエンナーレ(2005年)、第1回シンガポール・ビエンナーレ(2006年)、第6回アジア・アート・パシフィック・トリエンナーレ(2009年)、第54回ヴェネチア・ビエンナーレ(2011年)、アジア・アート・ビエンナーレ(2011年)など。主な国際映画祭に、第11回香港国際映画祭(2004年)、第41回カンヌ国際映画祭、監督週間(2009年)、第66回ヴェネチア国際映画祭(2009年)、第39回ロッテルダム国際映画祭(2010年)、第64回ロカルノ国際映画祭(2011年)、サンダンス映画祭(2012年)など。
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MAMプロジェクト 016: ホー・ツーニェン
会期:2月4日(土)-5月27日(日)
会場:森美術館ギャラリー1(六本木ヒルズ森タワー53階)
(森美術館プレスリリースより)
MAM プロジェクトは森美術館が世界各国の才能豊かな若手アーティストを応援するプロジェクトシリーズです。
ホー・ツーニェン( 何子彦)は、シンガポールを拠点に、香港、ロンドン、パリ、ベルリン、シドニーなど世界各地で作品を発表し、数々の国際ビエンナーレと国際映画祭で注目を集めてきました。2011年のヴェネチア・ビエンナーレでは、シンガポール代表として参加し、本展にも出展する《未知なる雲》(2011-12年)を発表し話題になりました。
ホーは美術史を含む歴史や伝承、物語にもとづく作品を通して、共有された記憶としての史実や現実にひそむ虚構性を明らかにします。表現方法は映像を中心に、インスタレーション、演劇、参加型プロジェクト、音楽家との即興コラボレーションまで多岐にわたります。
最近では特に映像と音響の関係を探っており、日本初個展となる本展では、《未知なる雲》を新たに4チャネル・ビデオ・サウンド・インスタレーションとして発表することで、観客に映像と音の相乗効果による物語空間の変化を体験してもらうことを目指します。また《ボヘミアン・ラプソディ・プロジェクト》(2006年)、《ニュートン》(2009年)の映像作品2点も展示します。
詩的かつ演劇的な映像世界は、歴史や物語に含まれる教訓や哲学を提示しつつ、私たちにとって現実とは何かを考える機会を与えてくれるでしょう。
ホー・ツーニェン
《ボヘミアン・ラプソディ・プロジェクト》
2006年/ビデオ/6分52秒/DV
主催:森美術館
後援:シンガポール共和国大使館
助成:ナショナル・アーツ・カウンシル シンガポール
企画:椿 玲子( 森美術館アシスタント・キュレーター)
問い合わせ先等詳細は森美術館HP[MAM PROJECT]へ
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この森美術館のプロジェクトも面白そうですねー。森美術館は今、ずーっと昔国際交流基金公演課にいらして、その後美術評論に転じられた南條史生さんが館長なので、以前にも増してはじけた展覧会が多いのではと思います。
シンガポールの映像作家は、昨年の夏ご紹介したミン・ウォンもそうですが、らくらくと境界を越えてしまうというか、もともと芸術には境界やジャンル分けなんてないんだよ~ん、とばかり、あらゆる手法を取り込んでしまう人が多い気がします。今は世界中の映像作家を含む芸術家がそうなのかも知れませんが、シンガポールの人は特に越えっぷりがいいような....。 ホー・ツーニェンの越えっぷり、とくと見せていただきましょう。
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ここからはまーったくの余談なんですが、森美術館と同じ建物にある森アーツセンターギャラリーでは、2月12日(日)まで「没後150年 歌川国芳展~幕末の奇才浮世絵師」をやっています。実は私、河治和香の時代小説「国芳一門浮世絵草紙」シリーズの大ファン。これは国芳の娘である登鯉(とり)が主人公で、一風変わったお父さん国芳(猫を懐に入れて浮世絵の原画を描いていたりする)とその弟子たちの様子も活き活きと描かれており、シリーズの回を重ねるごとに面白くなっていきます。下がシリーズ第1作で、現在第5作まで発売中です。
国芳一門浮世絵草紙 侠風むすめ (小学館文庫) | |
河治 和香 | |
小学館 |
で、登鯉ちゃんも登場するかな~、と思って「歌川国芳展」を見に行ったのですが、河治和香の本は置いてあったものの、本展では登鯉ちゃんには言及してなくてちょいがっかり。でも、国芳描く「水滸伝」の九紋竜史進とか燕青(イメージが全然違う~~~)とかを見られて大満足。「豪傑水滸伝双六」なんて、複製が欲しい!と思ってしまいました。これのクリアーファイルを作ってほしかったですよー、ミュージアム・ショップ様。そうそう、国芳の作品は、ウィキの紹介ページでいろいろ見ることができます。
ま、そんなこんなで、六本木ヒルズはTIFFだけではないオモシロ空間なのでした。
そんな中での5月のシンガポール映画祭情報、とってもうれしいですたまたまですが、『ロボット』の上映開始とも重なりますね。うれしい楽しい時期になりそうです
その頃には初夏の気候になっていて、この寒さのことも忘れているはず…。ああ、早く暖かくなってほしいですぅー
あと、歌川国芳からみの時代小説、面白そうですね今度図書館で探してみます。紹介、ありがとうございます
歌川国芳の娘登鯉(とり)ちゃんシリーズ、一話ごとに国芳の浮世絵とその解説がついていて面白いですよ。登鯉ちゃんの雅号は「芳鳥」で、署名は「登利(女)」とか、弟子にはどんな人がいたのかとか、どんどん雑知識が増えます。
私の一番好きなお話は、「3」に収録されている「市芳」。泣けます。登鯉ちゃんの恋愛遍歴なども綴られているので、「1」からお読みになった方がいいとは思いますが、「国芳一門浮世絵草紙3 鬼振袖」からでもいいと思いますよ。ぜひ。
蔵書リストに第3巻はなかったので残念です~。購入してみます。
登鯉ちゃんって、「登る」「鯉」なんですね。かっこいい名前だなあ
小説は相性があるので、まずは図書館の本でお読みになって、気に入られたら文庫本へ、という方が賢いですね。私は実は、女性作家の時代小説をしらみつぶしに読む、というのがここ2、3年の読書傾向なのですが、どうしても肌に合わない作家が3人ほどいます。買って損した~、と思うことも多かったので、りからんさんのアプローチは正解だと思いますよ~。
「侠風(きゃん)娘」の登鯉ちゃん、さて、りからんさんとの相性はどうでしょう?
ロボットと相打ちではなく相乗効果になってほしいですよね!
「未来警察」は相打ちっぽいけど…。
シンガポール映画祭も告知が遅れていてすみません。今、アップすべく鋭意とりまとめ中です。明日までお待ち下さいませ~。