まだまだ来るインド映画、いやはや際限なく公開されるインド映画という状況になってきましたが、<インディアンムービーウィーク2024>で上映された作品『ジガルタンダ・ダブルX』の公開が決定しました。以下、公開リリースの説明等をそのまま引用します。
『ピザ 死霊館へのデリバリー』(2012年)でデビューし、その才気でタミル語ニューウェーブ映画の寵児となった鬼才カールティク・スッバラージ監督の最新作。『ジガルタンダ・ダブルX(原題:Jigarthanda Double X)』(配給:SPACEBOX)を、2024年9月13日(金)より新宿ピカデリーほかにて公開することが決定しました。
本作は1970年代のインド南部タミル地方を舞台にしており、70年代風レトロファンクが炸裂し、熱を帯びたグルーヴの中で激烈な社会批評を含んだドラマが展開し、最後に映画という芸術に対する特大の愛が語られます。
物語は、身に覚えのない殺人罪の容疑で捕らえられた新人警察官のキルバイが、復職の条件としてギャングの親分シーザーの暗殺を命じられるところから始まります。クリント・イーストウッドの大ファンであるシーザーに近づくため、キルバイは身分を偽り、シーザーを主演にした映画を撮る監督に名乗りを上げるが、二人の運命は思いもよらない方向に転がり始めます。
主演は、超売れっ子のダンス振付師から始まり、自ら監督する作品中で主演をこなすまでになったラーガヴァー・ローレンス。そして、ヒット作連発の監督から性格俳優に転身したS・J・スーリヤー。このクセの強いコンビに、『グレート・インディアン・キッチン』で鮮烈な印象を残したニミシャ・サジャヤンが絡みます。
©Stone Bench Films ©Five Star Creations©Invenio Origin
『ジガルタンダ・ダブルX』
2023年/タミル語/172分/原題:Jigarthanda Double X/日本語字幕翻訳:矢内美貴、加藤豊/協力:ラージャー・サラヴァナン
監督・脚本:カールティク・スッバラージ
出演:ラーガヴァー・ローレンス、S・J・スーリヤー、ニミシャ・サジャヤン
配給:SPACEBOX/宣伝:フルモテルモ
※2024年9月13日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国公開
©Stone Bench Films ©Five Star Creations©Invenio Origin
【STORY】
”お前が芸術〈シネマ〉を選ぶのではない芸術〈シネマ〉がお前を選ぶのだ、マイボーイ”
警察官採用試験に受かったキルバイは、血を見ると気を失うこともある小心者。着任を間近に控えたある日、不可解な殺人事件に巻き込まれ、自身が牢に繋がれることになる。彼は、警察官への復帰の条件として、政界に強いコネクションを持つ悪徳警視ラトナクマールから、マドゥライ地方のギャングの親分シーザーの暗殺を命じられる。シーザーに近づくために、彼はサタジット・レイ門下の映像作家と身分を偽り、シーザーを主演にした映画の監督の公募に名乗りを上げる。クリント・イーストウッドの西部劇が大好きなシーザーは、キルバイを抜擢し、そこから2人の運命は思いもよらない方向に転がり始め、西ガーツ山脈を舞台にした森と巨象のウエスタンの幕が上がる。
元ネタは2014年のシッダールト&ボビー・シンハー主演のタミル語映画『ジガルタンダ』。しかしながら、「ギャングの親分の映画を撮る」というプロットが共通にあるだけで、前作とは全く違うのがこの『ジガルタンダ・ダブルX』。凝り過ぎの感もある作品のため、初見時私は2時間を過ぎる頃まで、「もう出ようか、いつ席を立とうか」とジリジリしていました。ところが、そのあとがすごいことになるのです! 心して、ご覧下さい。