アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

2020 FILMeX & TIFF<DAY 10>

2020-11-09 | アジア映画全般

昨日はお出かけTIFF最終日でした。帰って前日の作品紹介の続きを書こうとしたのですが、途中まで書いて目がとろけ、気がついたら本日の昼頃になっていました。やっと仕上げてアップしたのですが、まだ1日分、昨日のご報告が残っています。というわけで10日目のレポートなんですが、その前に、11月7日(土)のFILMeX最終日に発表された受賞結果を書いておきます。受賞理由は省略しますので、詳しくお知りになりたい方はFILMeX公式サイトをご覧下さい。

【第21回東京フィルメックス コンペティション 受賞結果】

【最優秀作品賞】
『死ぬ間際』In Between Dying
    アゼルバイジャン、メキシコ 、アメリカ / 2020/ 88分
 監督:ヒラル・バイダロフ(Hiral BAYDAROV)

【審査員特別賞】 
『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』The Blue Danube
 日本 / 2020/ 105分
 監督:池田暁(IKEDA Akira)

■観客賞
『七人楽隊』Septet
 香港 / 2020 / 113分
 監督:アン・ホイ、ジョニー・トー、ツイハーク、サモハン、ユエン・ウーピン、リンゴ・ラム、パトリック・タム

■学生審査員賞
『由宇子の天秤』 A Balance
 日本 / 2020 / 152分
 監督:春本雄二郎(HARUMOTO Yujiro)

観客賞が『七人楽隊』というのは、香港映画ファンとしては嬉しいです。今回は観客賞もスクリーンや会場に示されたQRコードからの投票となり、会場に来た人全員が投票できるわけではなかったのですが――というのも、こうしたQRコードの利用は入場チケットもそうであるため、全員が利用できることが前提となっているわけですが、それでも「チケットはパソコンから申し込み、スマホは持っていないのでQRコードを印刷してきた」という人もいたりして、二つ折携帯でもQRコードリーダーは付いていると思うものの、私も含めて敷居が高かったのでした――、コロナ禍の今年は仕方がないやり方ですね。コロナ禍が終息しても、もう紙チケットの世界には戻れないのでしょうか...。

<TIFF>

TIFFの開催は11月9日(月)まででしたが、プレス向け上映は8日(日)で終わり。前にも書いたようにプレス試写は、毎回下のチケット売り場の横に列を作り、体温測定とプレスパスのチェックを経て、スタッフの方に先導されて会場に向かう、という形でした。1日に8作品ほどある試写で毎回こういう作業があるため、TIFFスタッフの方は非常に大変だったと思います。皆さんマスクの上からフェースシールドをして、こんな形で対応してらしたのですが、あまり早くから並ばれてもヒルズの他の客に邪魔になるようで(事実、ポスターの貼ってあるパネルの周りをぐるっと回って列を作るため、ポスターの写真を撮りたい人たちの邪魔になっていました、すみません)、列を作る開始時間の前に並ぶと、「この列はまだなかったことになってるので...」というスタッフのつぶやきが聞こえたりしました。心身共にお疲れになったことと思います。本当にありがとうございました。で、最後に列を作って見たのは、東南アジア5カ国の監督たちによるオムニバス映画『メコン 2030』でした。

『メコン 2030』
2020年/ラオス、カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム/クメール語、ラオス語、アカ語、タイ語、ベトナム語/93分/原題:Mekong 2030
 監督:ソト・クォーリーカー、アニサイ・ケオラ、サイ・ノー・カン、アノーチャ・スウィチャーゴーンポン、ファム・ゴック・ラン

1.『Soul River』監督:ソト・クォーリーカー(カンボジア)

荒れた森から、地中に埋まった仏像を見つけた水上生活者の男。番人に見つかり、二人で売れるところまで運んでいき、金を分けようと持ちかけられる。妻と暮らす小屋船を引き、番人と共に彼の村に向かうが、買い手となるような相手は大きな街へ行ったという。さらに3人はメコンの下流へと向かう...。

ソト・クォーリーカー

2.『The Che Brother』監督:アニサイ・ケオラ(ラオス)

「チェ」とは「チェ・ゲバラ」の「チェ」だが、病気の母親の血液が感染症の薬となることを巡って、主人公たち3兄弟が争うことが「ブラザー」に掛けられているよう。一番「近未来」を意識した作品で、SFチックで面白いが、メコン川の生かし方が今一歩。

アニサイ・ケオラ

3.『The Forgotten Voices of Mekong 』サイ・ノー・カン(ミャンマー)

アカ族の村の村長に選ばれた男は、村の発展のために尽くそうと思う。しかし彼の考える発展は村に都会のようなビルを建てることで、村に金が落ちると思って許可した採掘場は、そこが原因で子供が感染症にかかるなど、彼の描く発展計画は崩壊していく...。

サイ・ノー・カン

4.『The Line』アノーチャ・スウィチャーゴーンポン(タイ)

(すみません、寝てしまい、ストーリー不明です...)

アノーチャ・スウィチャーゴーンポン

5.『The Unseen River』ファム・ゴック・ラン(ベトナム)

僧院に、24歳の女性と22歳の男性がやってきて、自分たちの結婚と将来を占ってもらおうとする。徳の高い老僧や、同じ年ぐらいの若い僧といろいろ接するうちに、自分たちの運命が、豊かな水量のメコン川に見えてくる思いがするが...。

ファム・ゴック・ラン

1つのテーマのもとに作られたオムニバス映画は、多くの場合アイディア倒れに終わるので、「作ったことに意義がある」なのですが、ここから出発して将来彼らが素晴らしい作品を作ってくれることを祈りましょう。と偉そうな感想を言ってしまいましたが、期待したほどには...の作品でした。メイキング映像がYouTubeにアップされていましたので、貼り付けておきます。

『メコン2030』メイキング|Mekong 2030 - Making|第33回東京国際映画祭 33rd Tokyo International Film Festival

 

本日TIFFこと第33回東京国際映画祭も無事終了、日本映画『私を食いとめて』(監督:大九明子/主演:のん、林遣都)が観客賞に選ばれました。こちらは投票用紙を使っての投票で、今回唯一の賞ということから、観客の思い入れも特別のものがあったのでは、と思います。授賞式でののんと大九監督のスピーチが胸に響くものだったので、下に貼り付けておきますね。

のん主演『私をくいとめて』が東京国際映画祭の観客賞を受賞!林遣都&橋本愛も喜びのメッセージ 第33回東京国際映画祭クロージングセレモニー

 

来年のFILMeXとTIFFはどんな形になるでしょう。また、「マスクの国の映画祭」になったとしても、この2つの映画祭はすでに築いたノウハウで、今後もリアルな映画祭を開催できるはずです。同時開催に関しては再考をお願いしたい(いや、マジで。ダブル開催はハードすぎます)ですが、それまでに私もスマホにもっと慣れておこうと思います(笑)ので、感染予防の精度を上げて、いい作品をたくさん見せていただけることを願っています。FILMeXとTIFFのスタッフ&観客の皆様、お疲れ様でした!!

 


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