目下ヒットしているダヌシュの『Vaathi』は、『スーパー30』と似たお話なのですが、おまけがいっぱいついていてとっても楽しめました。リティク・ローシャン主演の『スーパー30』にも、地方教育界のボスが議員ともつるんでいろいろひどいことをやっていましたが、『Vaathi』にも私立大学を経営するトリパーティという有力者が登場します。ゆくゆくは公立学校をなくし、すべての学生を自分の経営する大学に取り込みたい、と考えているトリパーティでしたが、いかんせん教員の質がいまひとつ。そこで公立の高等教育機関の新任教師たちをつぶしにかかるのですが、その新任教師の一人で数学担当のバーラ（ダヌシュ）は何とか公立学校を残そうと、生徒たちと共に奮闘することになります...。
この映画、幕開けは現代で、そこから過去の回想シーンへ、という構成です。ビデオショップを経営していた家の孫息子が、友人たちと共にもう閉鎖することになった祖父の店に入り、古ぼけた箱からあるビデオテープを見つけ出すのが物語の始まりとなります。一緒に入っていた紙には「A.M.クマール」という名前が書いてあり、その町から40㎞ほど離れた場所の住所も書いてありました。好奇心から、孫息子はカレッジの仲良し3人組で、バイクを運転してそのA.M.クマールを訪ねてみることにしました。ところがその住所にはもうA.M.クマールは住んでいなくて、「今はアーンドラの地方収税官として赴任している」と言われます。また延々バイクを飛ばして行ってみると、立派なオフィスにいたA.M.クマールは快く会ってくれ、テープを見ると懐かしそうに「バｰラ先生...」とつぶやきました。そして彼の口から、1990年代の教師バーラの奮闘が語られていく、という流れになります。
ダヌシュのバーラ先生は、真面目ながらちゃっかりしたところもある愉快な青年で、『無職の大卒』を思い出させる役柄。そして、ダヌシュの相手役には、初めてお顔を拝見したとても色っぽい美女のサンユクタ・メーナン（上写真右）。27歳とは思えないあだな色っぽさ（「あだな」ってわかります？）で、バーラ始め新任の先生として赴任したあとの2人もボーッとなるのがよくわかる美しさ。ケーララ出身の女優さんだそうですが、これから人気が出るかも知れません。そしてそして、待っていました！ のダヌシュの飛び蹴りが見られるんですね。トリパーティがヤクザを使ってバーラを襲うシーンが2カ所ほどあるのですが、いやー、もう、バーラ先生強い強い！ 体育教師なんじゃないのォ、と思うほどの身体能力で、バッタバッタと男たちをやっつけていきます。というわけで、すでに100カロール（カロールは1千万のこと。＝10億ルピー）稼ぎ、今年のヒット作の仲間入り。日本でも見られるよう祈っています。そうそう、この作品は地元のタミル語映画なのですが、チャンと英語字幕が付いていて、とっても楽しめたのでした。予告編を付けておきます。
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日本でも公開されるといいですね。SPACEBOX様、いかがですか？ 日本での上映を願って、メイキングも入った歌の映像を付けておきましょう。しかし、ダヌシュ、安定した人気を誇っていますねー。2月17日公開だというのに、見た時もほぼ満席でした。
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