チェンナイからムンバイに戻ってきました。ムンバイに比べるとチェンナイは物価が安いはずなんですが、チェンナイも今やものすごい物価高騰ぶりで、ショッピングモールなどに行くと、みんなこれだけの消費に見合うお給料をもらっているとはすごいなあ、というものばかりです。下はチェンナイ郊外、アンナー・ナガルにあるVRモールの映画館です。
映画料金はムンバイもチェンナイも200ルピー(約340円)弱(165ルピーだったり、189ルピーだったり)と変わらないのですが、同じように食べ物なども変わらなくなってしまいました。4年前までは、さすがチェンナイは物価が安い、と思っていたのがウソみたいです。下写真左のコーヒーミルクシェイクが390ルピー(げげっ、日本と変わらないじゃん!)、同右のハーゲンダッツのクッキーサンデーみたいなのが491ルピー(これは心持ち安いかな)、てな調子で、数年前にそういうものが100ルピーを超した、というので騒いでいたのが夢のよう。見たい映画があって、かなり郊外のVRモールという、ちょうど4年前にできたばかりの時にも行ったショッピングモールに行った時のこと、日曜日とあってなかなかUberが来てくれず、待つ間にお茶でも、と思ってスタンドのお茶屋さんで1杯飲んだら40ルピー! へろへろの紙コップ、それもミニサイズのものに入った「マサラティー」がちゃんとモール値段になっていました。
そんな中、ホテルのあまりにも冷え冷えぶりに風邪を引いてしまい、咳が出るのでコフドロップを買ったところ、昔ながらの瓶の中から、「いくつ要るの? 10個? 20個?」と取り出してくれたおじさんに聞くと、1個1ルピーだとか。こういう庶民値段のものも残ってはいるのですね。ホテルの冷え冷えぶりは、冷房を切っても不在中に自動的に流れ出る換気用の風がドン冷えのため、外から部屋に戻ると「寒いよ~~~」になってしまうのです。毛布(かわいい小型の水色毛布。赤ちゃん用ではと思います)ももらったのですが、喉をやられ、咳き込むようになってしまいました。新型コロナウィルス感染防止予防に持ってきたマスクが、自分の風邪菌を人様にうつさないために役立つとは。
さて、そんな風邪引きのため、後半は用事だけ済ませて外に出なかったチェンナイですが、用事関連のいろいろ親切な方々やちょっとした偶然に助けられて、あれこれ面白い体験をしました。今回の一番の用事は、インド映画の言語別製作本数リストを2017年3月以降分から手に入れる、というもので、チェンナイではSouth Indian Film Chamber of Commerceが出している月刊機関誌が役に立つと思い買いに行ったのでした。でも、風邪でぐずぐずしている間に、気がつけば土曜日になってしまい、オフィスは閉まっているかも、と思いながらダメ元で行ってみたのでした。上がオフィスのあるビルの入り口で、映画人の胸像がずらっと並んでいます。そしてオフィスは以前通りの4階にあり、土曜日だというのに男性職員が3人、お仕事をしていらしたのでした。下写真のシャンカルさんという方が、こちらの話を聞いて下さり、「機関誌はCOVID-19のパンデミックが始まってから、発行中止になったんだよ」と気の毒そうに言って下さいました。
「でも、それならCBFC(Central Board of Film Certification)のチェンナイ支所に行ってみたら? うちが載せた統計も、元はと言えばCBFCから提供されたものだから」と、CBFCのRegional Officer(地区統括官)の名前と住所やe-mailなどをすらすらと書いて手渡して下さいました。さらには事務員さんに命じてチャイも出して下さり、おまけに「うちの所長にも紹介するから」と奥の所長室まで連れていって下さるなど、至れり尽くせり。所長のK.クリシュナ・レッディーさんは広い所長室でお一人ポツンといらしたのですが、お顔が何と、髪型を除けばラーナー・ダッグバーティそっくりで、背もすらっとしていて映画出演もできそうな感じ。映画製作者としてこのオフィスの長になられたようです。
そのほか、シャンカルさんの同僚お二人もあれこれ助けて下さり、土曜日なのにすみません~、でした。チェンナイのおじ様方、親切な方が多いです。4年前には、事務所はもっと人がいて、おば様というか女性職員も何人かいらしたのですが、COVID-19のせいか、人員整理がなされたようです。
そこから、これも土曜日だから閉まっているかも、と行ってみた郵便局もしっかり開いていて、郵趣窓口で記念切手をいろいろ買うことができました。チェンナイのマウントロード・ポストオフィスと呼び習わしている大きな郵便局は、独立した建物に郵趣窓口があるのですが、ここの建物は元映画館だったのを移築したものなのです。それもあって、毎年通っていたのでした。で、今回は、いろいろ切手を選んでいるうちに4時過ぎになり、何だか2つに仕切ってあるフロアのうち、お隣のフロアがざわざわし始めます。また、こちらのフロアも机と椅子を並べ替えたりして、何か会議があるような...。こちらのフロアは、記念切手のばら売りと記念シートになっているものを売っており、あちらのフロアは全シートのを売っている、ということで、「インドのファッション」と題したものが全シートでほしかったことからとなりのフロアに行ってみると、きれいに着飾った踊り子さん?たちが何人もいます。
写真を撮らせてもらったりしていたら、元のフロアの方でイベントが始まりました。テーブルの上がランウェイで、椅子に座った見物人たちが拍手したり、ヤジを飛ばしたり(多分)と会場を盛り上げます。
次々にいろんな衣装に身を飾り立てた女性たちがランウェイに登場し、歌に合わせて踊ったり、自分も歌ったり、一言言ったりしては引っ込んでいきます。
司会の女性がリーダーなのでしょうか、上手にさばいていきます。
聞いてみると、皆さん郵便局の職員の人で、自分たちの楽しみのためにこういう企画をして準備したんだとか。最後には手伝った男性職員もまじえて、台上で全員が踊っていました。下は、ずっと裏方の音楽係の人です。
いいですねー。というわけで、1時間ぐらい、一緒に楽しませていただきました。皆さん、ありがとうございました。でも、日曜日にVRモールに出かけた時、帰りのUber待ちで体力を消耗したのか(アンナー・ナガルから直接ホテルまでを頼んだせいか、なかなか車が見つからず、見つかっても途中で来なくなったりと、2時間ぐらい立ちんぼで待っていた)、風邪がひどくなり、薬を飲んでも咳が出るような羽目に。VRモールは入り口外に小さな店が集まったバザールもできていて、こんなTシャツを喜んで買ったりしたのですが。左から、A.R.ラフマーン、ヴィジャイ、ラジニカーント、アジット・クマールです。1枚450ルピー。
最終日は飛行機に乗る前からずっと、マスクの国の住民と化してしまいました。無事にムンバイに帰ってこれてやれやれですが、今いるムンバイのホテルはチェンナイで泊まったホテルの3分の1の広さ。暖かくて(笑)助かっています。明日はある方にムンバイのCBFCに連れて行ってもらうのですが、ついさっき、その人からWhatsAppで動画が送られてきました。色水まみれの姿です。そう、今日はホーリー祭なのです、ホーリー・ムバーラク! もう色粉色水掛け合いも終わったと思うので、そろそろ外出してきます。
今回は映画があまり見られず、映画レポートが少ないので申し訳ないのですが、4年ぶりのインド、いろいろ感慨深いものがありました。
昨夜アップする予定だったのを今頃アップしていますが、こちらも郵便局がらみ。国際女性(婦人)デーは日本では社会党や共産党ぐらいしか話題にしないのでは、と思いますが、インドでは一般の人も「女性を大切にする日」という認識があるようです。
また今日アップしますが、咳は危機的状況を医者にかかることで切り抜けたものの、まだまだ完治といかず、ちょっとしんどい旅行となりました。
グレゴリさんのお祈りで、何とか無事に帰国したいと思っています(笑)。