『汚れたミルク』、『バーフバリ 伝説誕生』、そして『Queen(原題)』に続き、もう1本インド映画が公開されます。一昨年のアジアフォーカス・福岡国際映画祭で上映されたマラーティー語映画『裁き』です。マラーティー語映画の一般公開は、多分この作品が初めてではないかと思いますが、一見地味な作品ながら、描かれている内容も、そして映画の作り方も、注目に値する作品です。詳しくはまた、公開が近づいたらご紹介しますが、まずは基本データとティーザーちらしの画像を使って公開のお知らせをしておきます。
『裁き』
2014年/インド/マラーティー語・ヒンディー語・英語・グジャラート語/116分/原題:Court/日本語字幕:小磯千尋
監督:チャイタニヤ・タームハネー
主演:ヴィーラー・サーティダル、ヴィヴェーク・ゴーンバル、ギーターンジャリ・クルカルニー、プラディープ・ジョーシー、ウシャー・バーネー、シリーシュ・パワル
配給:トレノバ
宣伝協力:スリーピン
※7月ユーロスペースほかでロードショー
ストーリーはチラシでおわかりいただけるでしょうか。法廷劇とも言えますが、そこから見えてくるものがものすごく示唆に富んでおり、広角の視界を多用したフィックスのカメラ映像とあいまって、映画好きにはたまらない魅力となっています。インド、特に西インドのムンバイがあるマハーラーシュトラ州はダリト(いわゆる「不可蝕民」。ダリトは「抑圧された人々」の意)による種々の活動が盛んな地域ですが、字が読めない人たちのために、自分たちの主張を歌に乗せて語っていく、ということがよく行われます。『裁き』の主人公である65歳のナーラーヤン・カンブレ(ヴィーラー・サーティダル)も、民衆詩人というか民衆のための歌歌いで、世の矛盾などを歌に乗せて訴えかけていきます。そんなある日、警察が歌っている彼を逮捕しにやってきます。「お前の歌が原因で、下水清掃人が自殺した。自殺教唆だ」というこじつけのような罪状でカンブレは逮捕され、弁護士(ヴィヴェーク・ゴーンバル)が弁護にあたることになりますが...。
Court (2015) - International Trailer [HD]
間もなく公式サイトもできるかと思いますが、まずは上の現地版予告編で雰囲気を見てみて下さいね。とりあえず、公開のお知らせ第1弾です。